身近に存在する危険な植物-5.イヌサフラン- | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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イヌサフランはイヌサフラン科の植物で、かつてはユリ科に分類されていました。

ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産で、秋に花が咲きます。

名前にサフランと付き見た目も良く似ていますが、アヤメ科のサフランとは全く別の植物です。

種子には 0.2 ~ 0.6 %、鱗茎には 0.08 ~ 0.2%のアルカロイドのコルヒチン含まれています。

中毒症状としては、嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難を引き起こし、重症の場合は死亡することもあります。

2011~15年の5年間で7人の患者が発生し、内3人が死亡しています。

ニンニクやタマネギ、ジャガイモとの誤食として事故が発生しています。

また、ギョウジャニンニクとイヌサフランはよく似ていることから、誤食するという事故が発生しています。

致死量は0.5mg/kg程度で、体重60kgの大人だと30mg程度接種すると死亡の可能性があります。

イヌサフランに含まれる毒物コルヒチンは、リウマチや痛風の薬になります。

現にわが国では、1964年に『コルヒチン錠0.5mg「タカタ」』が痛風の発作を抑える薬として販売されています。


 

切手は1976年アルバニア発行の「抑揚植物切手」で、イヌサフランが描かれています。

 

 



 

切手は1982年東ドイツ発行の「有毒植物切手」で、イヌサフランが描かれています。

 

 



 

切手は1987年イギリス発行の「花切手」の中の一枚で、イヌサフランの花が描かれています。

 



切手は1957年ユーゴスラビア発行の「薬用植物切手」の中の一枚で、イヌサフランの花と球根が描かれています。