「血液型は遺伝する」という話は、学校で習いましたよね。A型とO型の親からA型の子どもが生まれたり、AB型とO型の親からはA型かB型の子どもしか生まれない、と。
通常、ABO型血液型はメンデルの遺伝法則に従い、AB型とO型の両親からはA型またはB型の子供しか生まれません。
しかし、ごくまれにこの常識が覆るケースがあり親がAB型とO型なのに、子どもがAB型やO型で生まれることがあるのです。
これは、国内にわずか1,500人しかいないとされる、非常に珍しい血液型**「cisAB型(シスAB型)」**が関係しています。
血液型遺伝の常識を覆す「cisAB型」とは
通常の血液型(transAB型:トランスAB型)では、A型とB型の遺伝子情報は別々の染色体に存在します。
しかし、cisAB型は遺伝子の突然変異によって、一つの染色体上にA型とB型の両方の情報が乗ってしまうという特殊な遺伝子型です。
このため、通常のAB型(transAB型)はO型(OO)の親と子どもを作ると、遺伝子をそれぞれ1つずつ受け継ぐため「A/O型」または「B/O型」となり血液型はA型かB型になります。
一方で、cisAB型(A2B3/O)の親がO型(O)の親と子どもを作ると、子どもは「A2B3/O型」または「O/O型」となり、AB型またはO型の子どもが生まれるという、通常の遺伝法則から外れた結果になるのです。
この特殊な遺伝形式は、親子鑑定に大きな影響を与えたり、家族間のトラブルに発展するケースも少なくありません。
しかし、現在は血液検査技術が発達しているため、通常とは異なる抗原や抗体の反応から、専門家はcisAB型であることを見抜くことができます。
なぜか四国に多い?「cisAB型」の謎
cisAB型は、1966年に大阪府赤十字血液センターの山口英夫博士によって初めて発見されました。
その後、徳島県や香川県といった四国地方に比較的多く見られることが分かっています。
なぜ特定の地域に多いのか、その理由はまだはっきりと解明されていませんが、cisAB型の遺伝子を持つ人同士の婚姻が繰り返された結果、その遺伝子が地域内に集中したと推測されています。
◎健康への影響と輸血・献血について
cisAB型は、あくまで遺伝形式が特殊なだけであり、**病気ではありません。
それ故**健康への影響は全く問題ありませんので、ご安心ください。
では、もし輸血が必要になった場合はどうなるのでしょうか?
血液センターの専門家によると、cisAB型の方への輸血には、通常どのタイプの人にも輸血できるO型血液が用いられることが多いとされています。
輸血前には必ず精密な検査が行われ、その人に合った血液が選ばれるため、特別な心配は不要です。
また、cisAB型の人も献血は可能です。成分によっては、献血された血液が有効に活用されます。
自分の血液型が珍しいからといって日常生活で困ることはありませんが、特殊な血液型があることを知っておくことは、もしもの時の誤解やトラブルを防ぐことにつながるかもしれません。
※このブログは、既存の論文や専門家の意見を参考に作成されていますが、ご自身の健康状態や血液型に関する詳細なご質問は、必ず医療機関にご相談ください※
切手は1939年、自由都市ダンツィヒ(現ポーランド領グダニスク)で発行されたメンデルの肖像切手です。
切手は2000年オーストリア発行の「ABO式血液型発見100年記念切手」で、ABO式血液型をデザイ化しています。
切手は2002年アルバニア発行の、「献血の日記念切手」で、A、B、O型の血液型の人が描かれています。












