新医学アラカルト-22.ヒポクラテスの指 | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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爪甲が全体的に大きくなって時計皿状に丸く隆起し、指趾末節が太鼓ばちのように肥大する状態を指します。ばち状指(clubbed finger:クラブド・フィンガー)とも呼ばれます。


ヒポクラテスによって最初に症状が記録されたことから「ヒポクラテス指」や「ヒポクラテス爪」とも呼ばれます。

指先に血流のうっ滞があるとき、局所の栄養状態がよくなって組織が増殖、肥厚し、これが太鼓バチ状になります。主に先天性の心臓病や慢性肺疾患の人にみられます。

指先が肥大して、爪床(爪の下の部分)の角度に異常がある状態をばち状指といいます。

【医師国家試験に出題されたばち状指】



 

切手は1993年米国発行の「手話切手」の中の一枚で手話で、"I Love You"が描かれていますが、爪の形は正常です。

 



切手は1980年ポルトガル発行の「禁煙切手」の中の一枚で、喫煙によって侵される心臓が描かれていますがタバコを持つ手の指の爪の形は正常です。