蛇毒の話-7.タイパン- | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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タイパン(Oxyuranus scutellatus:オキシウランス スクテラータス)は、O. s. canni(オキュラナス・カンニ)とO. s. scutellatusの2亜種が存在し、前者がニューギニア島南部、後者がオーストラリア北部に生息しています。

本種の毒は陸生の毒蛇の中でナイリクタイパン、イースタンブラウンスネークに次いで世界で三番目に強く、その主成分は強力な神経毒ですが、出血毒や溶血毒も含んでいます。


毒量も多く、一噛みで注入する毒の量は成人男性の致死量の10~12倍とされています。

1956年に連邦血清研究所により血清が開発されるまで、ほぼ全ての咬傷が致命的でしたが、現代でも未治療の場合の致死率は100%に近いとされています。

その一方で、この毒を止血剤として活用する研究も進められています。

切手は2006年パプアニューギニア発行の「パプアニューギニアのヘビ切手」の中の一枚で、タイパンが描かれています。