毒蛇の持つ毒物質の総称。神経毒と出血毒、筋肉毒に大別されています。
1.神経毒
主にコブラ科のヘビが持つ毒で、神経伝達を攪乱し、骨格筋を弛緩或いは収縮させ、活動を停止させることから横隔膜が麻痺することで呼吸困難に陥り死に至ります。
2.出血毒
血液毒とも呼ばれ主にクサリヘビ科のヘビが持つ毒です。
赤血球を破壊したり、プロテアーゼ(蛋白質分解酵素)の作用によってフィブリンを分解する事で血液凝固を阻害し、血管系の細胞を破壊する事で出血を起こさせる毒素で、臓器の変性や全身の組織損傷をも引き起こすので血液毒という言葉は厳密には不正確となります。
出血毒による傷害は、多くの場合、非常に痛みを伴い、後遺症を残し、より重篤な場合には死に至るケースがあり、速やかに治療しても手足を失う可能性もあります。
3.筋肉毒
主にクサリヘビ科とウミヘビ科が持つ毒で、筋肉を構成するミオシンやアクチンというタンパク質を細かく切断する筋肉毒です。
筋肉毒は、筋肉を破壊し、浮腫を引き起こし、重症の場合は壊死させますが、ヘビ毒が筋肉を構成するミオシンやアクチンというタンパク質を細かく切断することにより引き起こされます。
ヘビの毒は経口で摂取しても大丈夫なのでしょうか?
おそらくは大丈夫としか答えられません。
なぜならヘビの毒は、経口摂取をしてもほとんど効果が現れないつまり、飲んでもほぼ大丈夫なのです。
コブラのような毒ヘビに咬まれた場合は命にかかわりますが、もし同じ毒が口から入った場合には、胃酸や酵素による分解を受けるために、直接咬まれたときほどの毒性は発揮されません。
しかし口内に傷があったり、虫歯があると口内の傷から直接毒が入ると、噛まれたときと同じような効果が現れてしまうと言われています。
なお、ヤマカガシ(毒の袋、ブフェトキシン)に代表されている混合毒などは口から入っても死にますので注意してください。
切手は1980年タイ発行の「赤十字切手」で、抗毒素を作るための蛇毒の採取が描かれています。
切手は1987年コスタリカ発行の「全国科学の日切手」で、抗毒素を作るための蛇毒の採取が描かれています。