コンサート日記510九州編(太田弦×亀井聖矢×九響Ⅱ) | チャーリーの音楽の旅 ~ゴールド金賞~

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コンサート連チャンのあとに超多忙な土日月の仕事を終えて、やっとつかの間の休みでゆっくりと反芻しながら、この二日間の演奏会について書いていますがなかなかまとまらない汗うさぎ

 

まあともかく2日目の九響メシはとんかつ師匠(Vc鈴木さん)に負けないように、中洲の松のやでとんかつ&海老フリャ定食でエネルギーチャージOKいざマチネの特別公演へ

 

 

中洲からアクロスへテクテク移動していたら信号待ちの一団に遭遇~おっとTimpの森さん一行ではないですか、昨日からまだ12時間ぐらいしかたっていないのに、また再会したねと軽口をたたきながらあいさつ走る人

 

ホールでの再会を言いながらまた別行動(当たり前かあ)でアクロスへGOニコ

 

春というか暑いあせる

 

那珂川沿いに公園側へ

アクロス&飛行機飛行機

老舗喫茶シャポー

入館

パネル展

 

 

太田くんパネル

ホール入口

2024年4月12日

アクロス福岡シンフォニーホール

九州交響楽団

2024九響特別演奏会

首席指揮者就任記念公演

~若き才能の共鳴

Cond:太田弦

Pf:亀井聖矢

ConM:扇谷泰朋

 

【第1部】

祝典序曲イ長調 Op.96

(D.ショスタコーヴィチ)

 

ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11

(F.ショパン)

第1楽章 Allegro maestoso

第2楽章 Romanze, Larghetto

第3楽章 Rondo, Vivace

 

【ソリストアンコール】

ラ・カンパネラ(F.リスト)

 

【第2部】

交響曲第5番ニ短調 Op.47 

(D.ショスタコーヴィチ)

第1楽章 Moderato - Allegro non troppo   

第2楽章 Allegretto  Scherzo

第3楽章 Largo          

第4楽章 Allegro non troppo 

 

まずは太田くんプレトーク

からの亀井くんの参入

 

プレトークも2回目となると、こちらもこなれて初日より面白かったニコ

 

時代背景や初日はコチラ

 

パネル展を眺めたあとにいつものように入場の列の先頭で待っていたのですが、開場時間になってもなかなか入れないので、これはゲネプロが終わらず開場時間が伸びているパターンだなと感じましたがビンゴでした

 

終演後の団員さんとの会話からの情報でも、昨夜の結果を受けてかなり修正というか変えたポイントがある様子でしたOK

 

若きショスタコ

前半配置(2F自席から)上手奥バンダ隊

 

2日目の総論としては初日よりも数段すっきりと整理された演奏が展開され、自分史のなかで祝典序曲は歴代No.1であり、タコ5もNo.1を争うこれからの可能性を十分に感じさせる秀演となりました目がハート

 

祝典序曲の冒頭ファンファーレが鮮やかに鳴り響くと、おお昨日と違いサウンドが整えられていて16型の大編成ではあるものの、クリアな序奏から軽快なClのソロへと繋がりましたOK

 

切迫感というか推進力を増すためのスネアの巧みな使い方はショスタコの得意技ですが、今日は同じ音型でもひとつひとつの叩き方にニュアンスの違いを初日より感じられました

 

テンポ感としては前のめりの疾走感はないものの、安定した各テーマの提示とTutiiは私好みで、本日の演奏がまさに新シーズンの開幕にふさわしいものでした

 

特に最後のコーダのファンファーレはバンダ隊10名も加わって素晴らしいサウンド笑い泣きぶらぼぉ

 

クスッと笑っちゃうシモノフさん

 

 

今回のブログコメントはショスタコがメインなのですみませんが簡単にひらめき電球

 

亀井くんのショパンPf協1はダイナミックレンジをより広くとり、タッチも力が抜けてよりスムーズでまろやかに音譜九響の伴奏もよりしっくりと落ち着いたトーンで渋めに決めていました

 

ただ例えばこの前聴いた小林愛実さんが弾くショパンの境地までにはまだまだ〜私の好きなアルゲリッチへの道は更に遠いあせる

 

まあショパン弾きを目指しているわけでもないでしょうし、ニュアンスの問題はテクニックだけでは解決できない、辻井くんや藤田真央くんの柔らかい独自の表現が光る奏者とは、そもそも亀井くんとタイプが違うし

 

初日にコメントしたように華麗なテクとダイナミクスを活かした表現力、確固たる基礎力は素晴らしいニコこれからもいろいろな曲にチャレンジしていくのでしょうから独自の境地を切り開けるようにガンバ

 

 

これ以上は控えておこっと今回もスタオベ軍団が多数登場てへぺろ恨まれちゃう

 

2日目のアンコールはラ・カンパネラ~テクニカルな曲は彼の得意分野で、昨年のリサイタル以来の演奏に聴き入りました~ぶらぼぉビックリマーク

 

これもフジコ・ヘミングウェイのとか、辻井伸くんのとか、同じく亀井くんの「ラ・カンパネラ」と言われる日が来る日を待ってますね

 

ところでプレトークでは福岡滞在中に、8食しか食べられないびっくりのに、美味しいものが多すぎるとコメントラーメン

 

彼のXではSHINSHINのラーメンや鉄鍋餃子、モツ鍋など名物を堪能したよう、再来福にはまず胃袋をつかまないとねwまたね

 

カーテンコール拍手

 

さて連日のタコ5ですが、これまた初日の課題と私が感じた指揮者と奏者の微妙なズレが解消され、結果鳴っている音のまとまりも改善し各楽章各テーマが明確化、各パート同士が会話をしているように動機の提示をキャッチボールして、それがいつしか大きなうねりとなって頂点を形成します

 

まあ時間を共有した当日の聴衆の皆さまの一部しか同意は得られないなもしれませんが・・・

 

巨匠風ショスタコ

 

初日のコメントでも触れたように、古典的形式を踏まえ(通俗的とアンチから攻撃されますが)推敲を重ねて厳選した動機の緻密な構成に裏打ちされた、論理的で隙を見せない見事な構築はスゴミさえ感じさせますが、まずは簡単に各楽章を振り返ってみましょうハイハイ

 

第1楽章ショスタコの作品に顕著なゆったりしたテンポでモットーのような序奏主題が提示されると、内省的な展開を繰り返しまるで同じ時代を生きたソビエト人民の悲劇と自身の孤独感を託した叙情的な下降旋律に我々は臓腑をえぐられるよう

 

第1主題aから第1主題bにかけてカノン風に木管やHrを絡ませて小さな山をつくると、2ndVn~Vcが刻むなか1stVnが静かに第2主題を提示、この第2主題はご存じのとおりビゼー「カルメン」の「ハバネラ」の旋律が忍ばされています

 

この後に登場する大村主席のFlソロが絶品で、静寂の曲想を崩さず~しかし凜とした音色で我々を魅了します~そしてHr首席ルークくんの絡むソロもよりゆったりと余裕を感じました

 

この静寂を不気味なPfの低音で破ると展開部へ突入〜これまた呻くような低音でHrが引き取ると本格的に主題展開がなされ、印象的なTpによるマーチが頂点を形成して更に緊張感がどんどんとマシマシへ照れ

 

荒れ狂い咆哮する九響Tb&Tuba軍団はまるでロシアのオケのようで(マリンスキーぽい)、本当にショスタコにジャストフィットしていい感じ

 

が、やがてそれも静まるとコーダでFl・Piccとコンマス扇谷さんVnが、まるで荒ぶる魂をなだめるかのような第1主題の変奏を静かに切々と奏でます

 

それに魂が呼応するかのように、Celがまるで蛍の光が点滅するような、はかない半音階で楽章を結びました

 

 

第2楽章スケルツォはゴツゴツとした死の舞踏を思わせる(自虐的でもある)三拍子、CB&Vcの低弦がブンブンとボウイングして始まります

 

ややレントラー風な味付けも垣間見えながら、Vc&CB → Hr → 木管群ときてE♭Clの戯けたフレーズがシニカルに響きます~そして埜口さん草野さんのFgコンビがフルパワーでリレー

 

この後のHrのアウフタクトからの斉奏は小節の頭をもう少しアクセントを付けて、クリアな演奏であれば合格点でしたが~やはり百発百中とはいかずバラツキがあせる

 

CBFgも加わったFgアンサンブルのあと弦部によるピツィカートでもFgがアクセントとして効いていましたね、トリオ後半部から再現部の反復に至る過程においてTpのファンファーレからスケルツォの反復が現れると、Tim強打による断裂から秀逸なObソロを経てTuttiの強奏でEND

 

 

第3楽章ラルゴは前半とは打って変わり金管は完全にお休みして、弦楽合奏で5部から8部へと増殖し、複雑な構成ながら全体に祈りを思わせる静謐と哀悼にあふれ、一心に祈らなければ深い深い闇の中へ引きずり込まれそう叫び

 

ロシア民謡風のテーマが嬰ヘ短調で始まると重苦しい弦楽合奏が続きますが、Harpが入り流れを転換させるとこれまた大村首席の素敵なFlソロが始まりやがて2ndFlとのデュオに

 

続いて弦楽合奏に回帰すると第1主題aと第1主題bを絡めながら徐々に勢いを増していきます

 

第2主題が終わり佐藤Ob首席のソロで提示された第3主題が儚くも実に美しい笑い泣きそして宇根首席によるClソロがダメ押しすると再現部へ

 

再現部では第1主題a→第1主題b→第3主題→第2主題→第3主題コーダと展開されますが、木管セクションから始まり弦部が徐々に加わりながらCrescしていくと、2ndVn以下がトレモロで強奏するなかまるですすり泣くようなVcによる第3主題が悲痛な叫びとなって迫ってきます

 

やがて頂点が過ぎると静寂な弦部の流麗なメロが流れ続け、印象的で幻想的なHarpのソロからPPPでの弦のロングトーンでEND

 

 

第4楽章冒頭はあまりにも有名な出だしに、だれもが一発で聴く耳を持って行かれますw

 

この楽章は前楽章でお休みしていた金管セクション&Percセクションがフルスロットル日本国旗

 

木管のトリルとTimpのロールからの強打からTp&Tbが第1主題aを高らかに強奏すると(Tb族としては吹いても超気持ちいいっす)、Vnが第1主題bを高らかに歌います

 

時々入ってくるHrの合いの手は今までよりしっかりしているが、タコ5の最終楽章に関してはもっと粗野なくらいでちょうどいいかもねバレエ

 

 

それにしても太田くんは元気というか、若さ爆発でレニーよろしくアッチェルするとこでピョンピョン跳びはねてオケを煽ってましたねwう~ん初やつ

 

ともかく当時のソビエトが最終楽章を「勝利の凱歌」と捉えたことで事なきを得たと思いますが、個人的には抑圧され虐げられた体制への強烈な反発と怒りではと・・・

 

そして個人の尊厳を踏みにじる暴力に対するプロテストは、この楽章でもところどころに散りばめられた「カルメン」からの引用にも垣間見られます

 

 

演奏に戻って~しばらくするとTpの朗々たるソロがありますが、サスガは松居首席の特にハイトーンは素晴らしい音色で、それだけでも魅了されますハイ

 

続くHrソロも同じく朗々とルーク・ベーカー首席がホールいっぱいに響かせてくれます

 

そしてこの楽章の弦部で1番好きな箇所がこの交響曲の前に作曲された『A・プーシキンの詩による四つの歌曲』の第1曲「復活」Op.46(この歌詞がショスタコの真意かはてなマーク)を引用したVnの旋律ですね

 

そしてこの後に続くTimpの刻みからのゆっくり引きずるようなテンポで第1主題aが再現され各楽器で変奏が展開されるといよいよ追い込み開始です

 

太田くんお疲れ様拍手

 

第291小節からのくだりは楽曲の力と九響の真摯な演奏が相まってちょっと涙目に笑い泣き

 

そしてコーダに突入すると満を持して森さんのTimpが強さ・音色とも満点で登場グッ

 

初日と同じくゆっくりしたテンポを保ちながら(=金管は酸欠と戦いながら)、堂々たるTuttiからritしながら最後は大団円~ぶらぼぉぉぉ~~~(本当にブラって声枯れたあせる拍手拍手

 

私だけかもしれませんが、初日からの大飛躍に驚愕した演奏会となりました目がハート

 

それにしてもTimp&Bass.Drは難しいラストのritをピタリと着地これまたぶらぼぉでした合格

 

皆さんお疲れ様

 

九響は縁あって太田くんという優駿の指揮者就任となったことを僥倖として、「奇貨居くべし」で益々のレベルアップを期待したいと思いますニコ

 

これも初日だけではなく二日目を聴いたればこその感想~ご一同様(指揮者・オケ・スタップはもちろん2日間通ったお仲間達も含め)お疲れ様でした!!

 

 

それにしても恒例の団員お見送り交流で片っ端から握手しまくり、わーわーと皆さんへ賛辞を送ってお騒がせしましたが、皆さんの握手した手は汗でびっしょり~全力熱演を肌で感じましたドキドキ

 

直接お話できる貴重な機会~いつもありがとうですおやすみ