ここのところ季節外れの真夏日続出でなんだかねえ~まあもうすぐ寒気も北から降りてくるそうですから、ラフマニノフが似合う秋に早く追いつきましょう
で~いつものように九響前の腹ごしらえ、脳内エネルギーを確保するためシッカリ食べます
それにしてもほぼ満員のホールは良いことですが、マナーが悪い人が紛れ込んでくるのはいつもながらNO~GOODです
YOSHIMIのステーキ&ローストビーフ丼
ホール到着
2023年11月9日
アクロス福岡シンフォニーホール
九州交響楽団
第417回定期演奏会
Cond:V.ポリャンスキー
Pf:牛田智大
ConM:扇谷泰朋
【第1部】
ピアノとオーケストラのための《パガニーニの主題による狂詩曲》Op.43
(S.ラフマニノフ)
序奏/第1変奏 Allegro vivace
主題/第2変奏/第3変奏 L'istesso tempo
第4変奏 Più vivo
第5変奏 Tempo precedente
第6変奏 L'istesso tempo
第7変奏 Meno mosso, a tempo mederato
第8変奏 Temp Ⅰ
第9変奏 L'istesso tempo
第10変奏 Poco marcato
第11変奏 Moderato
第12変奏 Tempo di minuetto
第13変奏 Allegro
第14変奏 L'istesso tempo
第15変奏 Più vivo scherzando
第16変奏/第17変奏 Allegretto
第18変奏 Andante cantabile
第19変奏 A tempo vivace
第20変奏/第21変奏/第22変奏 Un poco più vivo
第23変奏 L'istesso tempo
第24変奏 A tempo un poco meno mosso
【ソリストアンコール】
「子供の情景」Op.15からトロイメライ
(R.シューマン)
【第2部】
交響曲第2番ホ短調Op.27
(S.ラフマニノフ)
第1楽章 Largo - Allegro moderato
第2楽章 Allegro molto
第3楽章 Adagio
第4楽章 Allegro vivace
前半ステージ配置(2F自席から)
前回パガ狂
前回パガ狂はラトルLSO&チョ・ソンジンの名コンビで聴きました~牛田くんとはズイブンと機会がなかったなあと振り返ってみると、2018年2月25日プレトニョフ東フィルとの定演で共演でグリークのピアコンを聴いていました
その時のブログには頑張ってねくらいしか感想がなかったのですが、あれからどれくらい成長したか(何だか上から目線)楽しみでした
彼は若い時から(というか幼い時から)ステージに乗っていたので、周りの大人から酷使されないか心配なところでしたが、今回の演奏を聴く限りは杞憂のようでした
冒頭からチョ・ソンジンはキレッキレで正確極まりない打鍵は恐ろしいほどでしたが、牛田くんはffが幅広で深さがある演奏で、強奏でもその柔軟な音は保たれ落ち着きさえ感じさせます
有名なパガニーニによる主題
もちろん序奏から序盤の変奏における切れ味もあり、タッチの正確性やデューナミクも適切な設定でしたが、特に第7変奏の「怒りの日」の低音はかなり強奏で強調しました
第12変奏で初めて転調されたあとのPfに絡むHrのオブリガードにVcが加わる会話は美しく、Obのソロに会話の相手が変わると3拍子へ変わりVnの主題へ
ここのあたりは交響的舞曲のモチーフを変奏で忍び込ませていたり好きなポイントのひとつ
第15変奏からPfの超絶技巧を披露するといよいよ第18変奏 Andante cantabile
Pfがパガニーニの主題の反行形を奏でると、これを受けて同じ反行形でオケが応えますビュティフォォ
この前の横山さん4大協奏曲ではオケに物足りなさを感じるところもありましたが、今回は編成の違いもあってか、あるいはポリャンスキーさんの歌心なのか滔々とラフマニノフがあふれ出ました
第19変奏で目が覚めたようにイ短調へ戻るとPfの鍵盤を縦横無尽に音符が駆け回り第22変奏まで繋ぐとカデンツァの登場~ここからラスト第24変奏までは牛田くんの独断場
かなりの高速パッセージで超絶技巧を爆発させながらオケとの応酬、オケが一瞬「怒りの日」を強奏するとTuttiで頂点へ
最後はオケとの早い受け渡しをやりながら、ラフPf協2のオーラスのこれまた反行形スケールで高音から一気に下り、最後はpppで主題の断片をおしゃれに決めてEND~~ブラボォ
ソリストアンコール
印象深かったラフマ交2
後半ステージ配置
ラフマニノフの交2はこれまた何回も聴いてきましたが、本来のロシアの抒情的旋律を重んじることを踏まえながら、当時としては珍しい主調がホ短調という点に先進性が感じられますが、メロディアスな展開の連続のなかに陰影まで歌いこめる指揮者は日本人には稀ですね
私にとってそういう点では合唱指揮者出身で歌劇場指揮者でもあったポリャンスキーさんは、内声部や対旋律の歌わせ方が合唱的アプローチにも感じられて相性はいいかも
まずは冬のロシアのような(想像ですが)陰鬱なVc&CBの主題で始まると、それを打ち消すようにVnの超美しいメロが流れ木管陣が続きます
Vc&CBモットー動機
木管陣のあとも次々と楽器が拡大され重なっていくと大きなTuttiとなってうねり始めます~いったん静かになりE.Hrが物悲しいメロを吹くと、また弦楽合奏的に引き取ると息の長い歌いまわしを繰り返しながら展開部へ
展開部では扇谷コンマスのVnソロ、宇根Cl首席のソロに続いて金管陣が徐々に加わり始め、劇的な頂点を形成して再現部へ至ると、またVnの息の長いメロが始まり陰鬱なまま終了
第2楽章スケルツォ
「怒りの日」大好きラフマニノフはここでも軽快なスケルツォ主題に「怒りの日」をHrに吹かせて盛り上げるが、ClソロをトリガーにModeratoに落ち着かせまた美しい弦楽合奏へ入ります
しかしそれも長くは続かず冒頭の再現でまたHrが出現し短い再現が終わると、シンバルを合図に中間部へ突入し主題を変奏させた細かい動きとHrのロングトーンを対比させます
経過句を経てスケルツォ主題へ戻りますが、また美しいModeratoを再現して冒頭に戻ると、これに金管陣の「怒りの日」の変奏を被せますが、このコラールがまた対比も効いて美しいのですが突然ppで楽章が閉じられます
第3楽章冒頭
有名な第3楽章の美しくも儚い旋律が始まり、それを受けて宇根さんのClのまたもや息の長いソロが流れます~澄み切ったハーモニーのなかに切ない旋律が美しい
この楽章に入るとより顕著にポリャンスキーさんの指揮も揺れ始めコブシを回し始めましたが、寸止めで日本の浪花節や演歌にはならずあくまでラフマニノフワールド
とうの昔に演歌が心にしみる年齢になっているので良いのですが、まるで歌うかのような演奏で訴えかけるスタイルは嫌いじゃないのでノープロブレム
中間部では佐藤首席のObやE.Hrが更に抒情を加えたソロを展開、その後Tuttiで頂点をつくるとゲネラルパウゼで一度区切り、ベーカー首席Hrソロから始まり各楽器へソロが受け渡されながら、滔々と流れる弦部の主旋律が波のような頂点を繰り返した後にディミネンドされ瞑想的に消えていきました
第4楽章冒頭
軽快な入りからロシアの交響曲の典型的な展開を見せ、これまでのモチーフやエピソードが散りばめられて、これまでに溜められたマグマが爆発します
ブラスセクションも加わり華やかに進行しますが、ポイントポイントに回想がはいり全楽章を網羅的に演奏するなかにも、展開部や再現部を設定してシッカリと楽章を構成しています
提示部の第1主題から展開部の第2主題でへシッカリと盛り上げ私達は約束されたクライマックスへ向かってグイグイと導かれていきました~再現部では第1主題から雄大な第2主題が出現し最高潮となると畳みかけるようなTuttiによるキザミを入れダダダダンとフィニッシュ
オーラスはPf協2やパガ狂にも似た追い込みが病みつき要因かなブラァボォォ
終演
終演後の団員お見送りでの団員さんとの短いコメント交換では、ポリャンスキーさんやはりゲネプロとは違う指揮があったそうで、変幻自在意味不明の指揮ぶりは健在のようw
型どおりの指揮よりインスピレーション&パッション豊かな方が好みなので、共演回数を重ねてきてもまだまだ大変のようですが、無事乗り切れてお疲れ様でした~サンクス
九響ネクタイ買いました
もうイルミネーションの季節
P.S.雑感
今回のプロで演奏だったら落涙は必須だと思っていましたが、心頭滅却してしっかり鑑賞したものの、案の定演奏への集中を妨げる輩が・・・
私の前列2F中央ブロック最前列は招待席なので、後援会の個人会員はよいとしても法人会員の関係先でクラシックコンサートに不慣れな人が来るのは半ばあきらめていますが、特に今回のような人気の演奏会はその他の席も要注意です
1人目・・・2F2列25番あたなですよ~楽章間も個人的にはNGと思うのですが、演奏中にバックをゴソゴソしてパンフを出し入れ、何かを探してパリパリぺりぺり結構な雑音が繰り返し響きました
2人目・・・2F1列16番あなたです~彼氏家族
と来場、演奏会が終わるまで何故か演奏中ゴソゴソゆらゆら一時もじっとせず~幼稚園生じゃないんだから、上手の男性に話しかけるはアウターを大きく被るはパンフは落とすは~もうどれだけ人の鑑賞を妨げているか
今回は直接の注意(要請)は止めましたが、二度と巡り会わないことを願うばかりです
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