コンサート日記452九州編(小泉和裕×復活×九響) | チャーリーの音楽の旅 ~ゴールド金賞~

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1年数か月の改修工事を経てシンフォニーホールが復活再開です笑い泣き

 

先が見えないコロナのパンデミックはイロイロ大切なものを我々から奪いましたが、改修工事は期間が判っているので、この日を待ちわびながら耐えることがでしました

 

この前は熊本で1番を聴くことができ、強制的に眠らせていたマーラー愛が復活ドキドキ

 

 

基本はJRながら時々車で1時間ちょっと通勤するときは、G.ショルティCSOのマーラー全集をかけまくり、改めて私をオケコンサートへと導いた(高1で初めて聴いたのがこのコンビのマラ5)マーラーを再確認ニコニコ満を持しての参上です

 

博多駅到着新幹線前雨あがりの青空晴れ

博多座に寄り道走る人月末はここでミスサイゴンドキドキ

アクロス福岡

テラスが森のよう

公園側入口

 

 

 

 

 

 

 

2020年10月7日

アクロス福岡シンフォニーホール

九州交響楽団

第407回定期演奏会

マーラーここに極まる 小泉=九響「復活」

Cond:小泉和裕 ConM:扇谷泰朋

Sop:安井陽子 Alt:福原寿美枝

Cho:九響合唱団・RKB女声合唱団・九州大学男声合唱団コールアカデミー他

 

【演目】

交響曲第2番 ハ短調「復活 Auferstehung」

第1楽章 Allegro maestoso

第2楽章 Andante moderato

第3楽章 Scherzo

第4楽章 Urlicht

第5楽章 Im Tempo des Scherzos

 

前回の2番はN響

 

開演15分前から着席しましたが、場内はこの日を待ちわびた聴衆の期待と緊張がヒシヒシと伝わってきます(定演会員席は今シーズンから同じ2F中央ブロック2列目でも、ソリストと正対するやや下手)

 

それは演奏が開始されてから第一楽章は、水を打ったように物音ひとつしません皆さん超集中です(さすがに後半になると少々咳がチラホラ~人間だもの)

 

安井陽子さん

福原寿美枝さん

 

さて翌日10月8日が仕事だったため連日の鑑賞とはいかなかったものの、1日たったのちにこの復活演奏会を振り返ってみたいと思います

 

演奏にもいろいろな種類がありますが、テクニカルな機能性とパッションの発露いわゆる情緒性のバランス如何によって、その趣も変化していきます

 

テクニカルにフレージング・アーティキュレーション・ハーモニーetc.はほぼミスはないものの何故か響かない演奏から、熱量は多いながらチラホラと??な部分が散見される演奏まで、それは千差万別ながらスーパーオケが名匠と一体となった最高峰の演奏は超レアニコ

 

例えば2019年11月22日サントリーホールで聴いたメータ翁BPOでのブル8とか・・・

 

 

今回の九響は名演というよりは熱演かな(忖度はなし)、初日だったこともあるのでしょうがやや演奏が粗削りに感じられる部分や相変わらすのHrのプチミス、第5楽章の舞台裏バンダの演奏のバランスの悪さなどなど

 

歌唱についても安井さん福原さんはさすがにシッカリしていたが、新国を聴いてしまうとどうしても他の合唱団が物足りなく感じてしまいます(しょうがないけどね)

 

ただミスを傷に感じさせない熱量と、最終楽章の頂点へ向かって指揮者・オケ・合唱が一丸となり、マーラーワールドへ昇華していく様は見事(クライマックスではちょっとウルウル)笑い泣き

 

ステージ配置は壮観

 

マーラーの歌物交響曲としては3番・4番とともに歌曲「子供の不思議な角笛」の引用から、「角笛三部作」とも言われる2番も歌詞が採用されています

 

第1楽章の冒頭トレモロから低弦の荒々しい第1主題が提示されると、久々の大編成を眼前に知らず知らずのうちに前のめりに~そして木管による主題が登場、やがてVnのむせび泣くようなメロに…小泉さんはこの大曲を暗譜で振ります

 

第1楽章主題

やがて金管陣も加わり壮大なTuttiが出現~そうこれよこれ~マーラーのツンデレ攻撃が執拗に繰り返され、また静謐な弦とHarp・Hrのアンサンブル、清新な佐藤さんのObソロ合格

 

コンマス扇谷さんのソロとFlの掛け合いによる第2主題、Wティンパニーの破壊力、陰鬱なメロを奏でるコールアングレ・・・第1楽章だけでも演奏時間は小作品なみなので、とりとめのないコメントはこれぐらいで汗うさぎそれにしても松居Tp首席&Tb陣はやっぱり強力

 

 

第2楽章主題

合唱団(ノーマスク)は冒頭から着席していましたが、第2楽章で安井さん福原さんも登場

そして舞曲風の弦の主題から伸びやかなVcとの掛け合いなど、弦部の安定感もGood

 

 

第3楽章主題

第3楽章がティンパニーの強打で始まると、今回から首席Clとして入団した宇根さんの軽快なスケルツォのあとに爆発的なTuttiが繰り返されます

 

「子供の不思議な角笛」から「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」のモティーフが引用され、やがて弦楽合奏から静かにディミネンド

 

 

 

第4楽章原光

 

この曲を貫く重要なモチーフである原光がいよいよアルトソロで登場~福原さんの「赤い小さな薔薇よ」との声が朗々とシンフォニーホールに響き渡ります

 

荘厳な金管のコラールを従えたアルトソロの何と美しいことか、そして寄り添うようにObのソロとHarp、コンマスのVnソロ

 

アルトソロ

おお、赤い小さな薔薇よ!
人間はこの上ない苦悩の内にある!
人間はこの上ない苦痛の内にある!
むしろ私は天国にいたい!
私は一本の広い道へとやってきた。
すると一人の天使が来て、私を追い返そうとした。
いや、私は追い返されるままにはならなかった!
私は神のもとから来て、また神のもとへ帰るのだ!
神様は一筋の光を私に与えてくださり、
永遠にして至福の生命に至るまで照らしてくださるだろう。

 

 

第5楽章復活の動機

終楽章の始まりを告げるFFのTuttiがぶつけられると、静寂のなかから一つひとつ丁寧かつ緻密に音楽が紡ぎだされているマーラーの真骨頂がここに出現していきます

 

一見すると音形的には何ということもないのに、それが積み重なり絡み合い壮大なフィナーレを形成すると、満を持して合唱が登場~おお声の力のなんという素晴らしさ

 

生は限りあるもの、死を迎えなければ「永遠」なる復活はありえないのか

 

そして最後の審判を迎えるためのグレゴリオ聖歌「怒りの日」で一度頂点を作ると、また静謐から爆発的Tuttiを交えながらフィナーレへのアプローチが開始されます

 

舞台裏からのバンダ隊の演奏がまるで天からの啓示のよう~舞台のピッコロの音もまた美しい

 

そしていよいよ合唱が登場し、ソプラノ・アルトの二重唱を経てppから復活の動機が始まりイロイロな楽器に受け継がれていきます・・・ここもまた天上の音楽

 

徐々にじょじょに高揚していくといよいよ最終局面へ突入~合唱が解き放たれます

 

 

合唱

私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
わが心よ、ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!

 

クライマックを迎えるとHrが復活の動機を繰り返し咆哮し、オケ・合唱団が一体となってMAXフルパワーで、シンフォニーホールを震わせるほどの雄大壮麗なラスト、オルガンも効果的 おお神よと思わず言いそうになります(私はキリスト者じゃないけどね)

 

ステマネお手製の鐘も打ち鳴らされ大フィニッシュクラッカーぶらぼぉぉぉ~~笑い泣き

 

まだまだ九響は発展途上~もっと良くなると信じています

 

2日目は初日の課題も改善されて、更に良くなっていることでしょうビックリマークありがとう

 

そしてただ今アクロス福岡シンフォニーホール!!

 

終演お疲れ様でした音譜

 

抽選会当たっちゃったラブラブ

 

そして10/9は北九州でコチラ