2017-2018シーズンの来日オケもあと今回のNYPとトゥールズの2つとなりました
2018年3月13日
ニューヨーク・フィルハーモニック
来日公演2018
Cond:J.V.ズヴェーデン
Pf:ユジャ・ワン
【第1部】
ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
(J.ブラームス)
第1楽章 Maestoso ニ短調 4分の6拍子
第2楽章 Adagio ニ長調 4分の6拍子
第3楽章 Rondo: Allegro non troppo ニ短調 2分の2拍子
【第2部】
バレエ「春の祭典」
(I.ストラヴィンスキー)
第1部 大地の礼賛
1.序奏 2.春のきざし(乙女達の踊り)
3.誘拐 4.春の輪舞 5.敵の部族の遊戯
6.長老の行進
7.長老の大地への口づけ
8.大地の踊り
第2部 生贄の儀式
1.序奏 2.乙女の神秘的な踊り
3.選ばれし生贄への賛美
4.祖先の召還 5.祖先の儀式
6.生贄の踊り(選ばれし生贄の乙女)
いつものように結論は~若干なめていた私は「ゴメンなさい。降参です。」と無条件降伏しました
確かに昨年聴いたラトル/ベルリンフィルやシャイー/LFOのような驚愕のアンサンブルとまでは
いかないものの、冷徹なまでに研ぎ澄まされていないぶん逆に人間味を感じられた演奏でした
ユジャのブラコンPf1を犠牲にしてまでP席2列目をとったのは、まさに追い求めていたハルサイを堪能できるかもと狙っていたところもあり、狂乱の嵐に身を置きたいという願望が叶えられたことに私は終始~涙目なのに笑いが止まらない危ないオジサン状態でした
その分犠牲にしたユジャでしたが、それでも逆向きから聴こえるPfからの調べは、Tittiのときは
厳しいにしてもカデンツァやffのときは十分に楽しめ、その美しい姿も間近で鑑賞できました
テク&力技で押し切るイメージを若干もっていましたが、いやいや非常に柔らかい表現も秀逸でだからといって第1楽章のコーダは緩まることもなく彼女らしい激しさで締めくくられました
第2楽章のオケとPfのコントラスト~第3楽章の2つのカデンツァもまさに華麗な演奏でしたが
ソリストアンコール2曲
糸を紡ぐグレートヒェン(F.P.シューベルト/編:F.リスト)
無言歌集 Op67-2 失われた幻影(J.L.F.メンデルスゾーン)
もまた素晴らしく、機会があればリサイタルでじっくり聴きたいと強く感じました
オケ族金管目Tb科の私としては、NYPの伴奏を超越した演奏も心地よかったのでしたマル
ハルサイに関しては冒頭のコメントに尽きるのですが、あえて言えば①ズヴェーデンがどのように指揮するか正面から克明に見ることができた②ミニスコアを所有しているものの今回具体的かつ間近で、ホ長調主和音と変イ長調属和音の重層的な不協和音や5/8・7/8などのリズムポリフォニーの構造を体感できた~というところでしょうか
とはいえ演奏中はそんなこと頭に浮かぶ余裕などなく、いつしかP席で前のめりに・・・おっとトトッ
金管群のベルからはまるでヤマトの波動砲のように巨大な音塊が連続発射されまさに壮観
ひさびさに本当のHrのベルアップ咆哮を聴けました~スゴすぎ~~
しかし第1部冒頭リトアニア民謡 "Tu mano seserėle(私の妹よ)" をベースにしたFgのあまりにも有名なイ調のソロから木管群の演奏の数々も、素晴らしすぎて思わずエ~クセレ~ントと叫びそうでした
トドメは目の前のパーカスTimp&B.Drの腹の底までヒビキわたる強打の連続攻撃
原始の鼓動~生命の雄たけびが爆発し、死に至るまで踊り続ける乙女を囲む長老か~生贄を捧げ
られる側のスラブ神話の太陽神イアリロの気分でこれぞハルサイだと私も喜びを爆発させました
そしてズヴェーデンのハルサイの指揮のすごいこと~単純な変拍子の指揮ならまだしも、次々とかわる場面(そりゃバレエ音楽だもん)を的確にドライブしていく姿も圧巻のひとことでした
ユジャもアンコールをそれも2曲演奏しましたが、オケのアンコールはワルキューレの騎行
なんとゴージャス・煌びやか・華麗なアンコールなこと~いや~もし2017年に来日していれば
私の年間アワードで1位だったペトレンコ/バイエルン歌劇場管といい勝負だったかも
そして今夜はバイエルンもやったマラ5を聴きに、ふたたびNYPへ見参です
P.S.雑感
今年のハルサイの予定は、3月25日はミューザ川崎で音大フェス 6月12日ロト/レ・シェルク 12月10日ギルバート/都響ですが、都響はAシリーズのどれかと振替ようかなあ~
それにしてもオケアンコールでは目の前でシンバルがバンバン鳴らしたのは、さすがに私の耳の耐久性も限界だったかもです~ハイ