「あぶない刑事 展」柏原寛司先生トーク&「あぶない刑事1990」発売記念サイン会 | Blog ばったもんのめっけもん

京急百貨店「あぶない刑事 展」脚本家 柏原寛司先生トーク&「あぶない刑事1990」発売記念サイン会


「下町気質で普段喋ってる内容からして」と仰ってましたが、それが粋で、お話にも作品にも生きていて。想定を上回る大盛況で時間内にサインは無理なのでは・・という状況でも、対象者全員に最後まで。私自身ほぼ最後尾だったのに、お目にかかった瞬間に「SNSで感想もありがとね!」と仰ってくださって、ぜんぶ飛んだ。

 



『あぶない刑事1990』
時代を経た現在の彼らを観ているはずなのに、読むや、「あの頃」に躍動する港署メンバーの映像と声で再生される描写。新作映画は、令和に生き続ける『帰ってきたあぶない刑事』。この小説では、昭和の『あぶない刑事』が帰ってきてくれた。

◆トークショー


【キャラクターについて】
・タカとユージは、AとBではなくAとA´。刑事ドラマは犯人逮捕が主題だから、違い過ぎる二人だとどんな話を書いてもそっちに注目が行き過ぎてしまう。
・港署メンバーがあまりにキャラが立ちすぎても主役2人が沈んじゃう。そのため、パパが家族持ちとか、”普通”の設定をもちこんだ。のはずが、どんどん弾けていった(ナカさんの扇子ひとつにしても遊びが凄い・・・)
・舘さんは誰でもすぐに撃つので、撃ってもいい相手と筋書きを考えるようにしてた。「撃ち殺してもいい人」
・『さらば』のときに受けたインタビューで「なぜあの刑事はすぐに撃ったり殴ったりするんですか?」と真面目に訊かれた
・今作はその点のバランスが上手くて、昔からのファンも新しい人もついてこられると思う


【「脚本は現場へのラブレター」という言葉がありますが】
・あぶ刑事のように、脚本が現場で変わっていくのは良しと思っている。現場で監督がよりカッコよくしてくれる。アイデアで膨らませてほしい
・あぶ刑事はプロデューサーがしっかりしてたので、根幹は変わらない。脚本が跡形もなくなっちゃう作品もある(笑)
・当初『帰ってきた』の脚本を書いていた。探偵モノをやろうとしていた。探偵モノは、ハードボイルド。カッコイイものができると思った →大川さんにバトンタッチ
・柏原先生も書いてらした『コナン』は、探偵モノじゃなくて”謎解きミステリー”。


【シリーズ開始時のエピソード】
・撮影2日め。柏原先生と舘さんが話そうとしてるとこに、恭兵さんが急いで入ってきた。お互いに、自分の役をどう描いてほしいかの主導権を握ろうとしてた・・・???そういう取引があるから撮影現場には行かなくなった(笑)
・TVドラマのエピソードタイトル2文字は、伊地智プロデューサーによるもの。


【劇中車】
・刑事ドラマには車が必須。製作費が莫大にかかるのでスポンサーとしても重要。西部警察はトヨタ。あぶ刑事は日産。敵の車はライバル社(笑)。


【取調室】
・「殴ったり蹴ったりできる場所」!
・やりたい放題できるので、取調室のシーンは張り切ります
・『大都会PARTⅡ』の松田優作はひどかった(笑) あぶ刑事はまだマシ(まだマシ??!)


【テレビと映画の違い】
・テレビで出来ないことが映画だと書ける
・『もっとも』は、主役2人が犯人に協力して時効を成立させちゃう。これはテレビでは出来ない。「犯人に寄り添ってる」


【好きな横浜はどこですか?】
・吉野町や福富町界隈(『1990』の舞台となってる辺り)
・ヤクザの事務所や手入れが日常茶飯事
・「あぶないところに行くのは”取材”」「仕事なので経費で落とします」「銀行行っても防犯カメラを確認したり、日々の努力」

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【小説『1990』】
・『もっとも』~『リターンズ』のあいだ。近藤課長定年退職エピソード
・脚本よりも小説は大変。ぜんぶ調べて書く必要があり、校正から赤が入って戻ってくる!
・見どころ「字が大きい」「挿絵が入ってる。絵本」