神奈川大学講座:横浜が舞台!映画プロデューサーが語る「あぶない刑事」と「横浜」! | Blog ばったもんのめっけもん

神奈川大学KUポートスクエアのある新高島は、第一話のロケ地。
同じ横浜ってことで、「神奈川大学もあぶ刑事仲間」!
私は大学時代に日本史学とメディアゼミの修論で、ドラマと町の相関関係をテーマにしようとしていて。まさに『あぶない刑事』と横浜・『踊る大捜査線』とお台場の開発変遷を。。
首洗って楽しみにしてて!あの頃の自分😁




講座名:「(映画)あぶない刑事シリーズ横浜が舞台!映画プロデューサーが語る「あぶない刑事」と「横浜」!(映画鑑賞券/プレゼントつき)【対面講座】」
◆講師:セントラルアーツ 近藤正岳氏



【テーマ】なぜ横浜が舞台なのか?

■黒澤満さんの言葉
「僕が日活出身でロケで使っていた。モダンさと異国情緒がある町」
『さらば』のあとに亡くなられた。『帰ってきた』は、継承という宿題を果たしたと思う

■横浜が舞台のセントラルアーツ作品
『プロハンター』や『勝手にしやがれヘイ!ブラザー』

■美しく格好いいシーンを創る横浜
1989年の『もっとも』シガレットキスのシーン!
未完成のベイブリッジ
みなとみらいも美術館がある程度の野原だった
1983~2023年でみなとみらい地区開発計画の9割が完成
その時期と重なるあぶ刑事作品
あぶない刑事と横浜発展の歴史

■なぜ絵になるのか?
『横浜BJブルース』(1981)
あぶ刑事『衝動』のユージ走り
あぶ刑事『激突』松山のロープウェイ 恭兵さんの身体能力がやばいwww
長崎屋函館でも地方ロケを行ってきた
映画版でも、地方ロケや海外ロケ(釜山やNZ)をしている
共通点はなんでしょう? 正解は港町!

(挙手して幸運にも当てていただいて。正解できて安堵・・・)

坂がある。引きで奥からだんだん出てくるのは、地形を生かした絵
敢えて選んで撮影している
画面のアスペクト比(地上波・YouTube/ビスタサイズ3:5.55/旧テレビ4:3/シネスコ3:7.05)
『帰ってきた』はシネスコ
恭兵さんの美しい走りは、突出した魅力
なぜ坂がロケ地として有効だったか
坂を生かしたシーン:『偽装』のパチンコ玉・・
旧テレビの4:3は横が無いので、長い走りが撮れない。なので、縦の構図が使える「坂」・奥行きが必要だった
横浜の歴史的建造物(『衝動』の教会など)、異国情緒を醸し出す
『偽装』の村川監督:「面白いことをやろう、いかに台本に無いことをするか。坂道・トンネル・階段、上からでも下からでも絵になる。陰と陽の面白さ」
横浜ならではの、旧き良き時代と新しい時代との融合(今作で使われた、ホテルニューグランドなど)
インターコンチネンタルホテルはたびたびロケで使用している
教材、恭兵さんの走りシーンが多い
『フォーエヴァー』は4半世紀前!インターコンチネンタルホテル周辺の開発は終わったものの、遠景は開発途中
『リターンズ』(1996)は更地が多かったのが、『さらば』(2016)ではびっしり!
旧いものと新しいものの混在
黒澤さんは日活出身。あぶ刑事映画1~3作は日活撮影所(セット部分の撮影)。東映映画なんだけど日活。調布から近い横浜が、東京よりも便利だった。という地理的な理由もある。→日活映画のロケ地としての横浜
長谷部監督と村川監督は、あぶ刑事を創った代表的な監督
TVシリーズOPは、長谷部監督。日活撮影所のセットとしての港署


■『帰ってきた』のロケ
記者発表前にロケをしてたのでバレてた。それはバレる→女性週刊誌
騒動になることなくスムーズに撮影はできた(昔はすごかった・・・・)
『仰天』にめちゃめちゃ映ってる見物人(エキストラではないwww)
当時は見物人や通行人を映してもOKだった。寧ろ映りたくてみんな来た
あの頃は仲村トオルさんの追っかけも多かった

■歴代の撮影場所
・歴代の港署
一代目の港署は、『さらば』の水上警察で使われた
嘗てのロケ地が、違った形で利用されることも多い
映画1作めの3代目に思い入れがある(大岡川沿い)
『帰ってきた』はアクアリアタワー横浜
横浜の街の変化とともに、港署周辺も変わっていった

・赤レンガ倉庫
TVドラマ時代は倉庫として利用されて一般には開放されてなかった
落書きが増えちゃったの、セントラルアーツのせいにされてたw
取り壊しを回避して今に至る。市民の機運も高まった。あぶ刑事人気のおかげもあったとも言われたり・・・

行政や県警に協力をしてもらってるけど、近年では街中の撮影は色々難しい。
とはいえ、歴史的建造物の保存に繋がったり、ロケの意義は大きい。


・みなとみらい地区
TVドラマ時代は空き地ばっかりだったのが、今はびっちり!
『まだまだ』(2005)での横浜美術館周辺も、ビルがたくさん増えた!風景がすっかり変わってる。ローソンユナイテッドシネマのとこ。

・中華街
『またまた』でデートにバズーカもってく透・・
ヤッパのマサ~
中華街の各門もみんな変わった
ロケしたらそのままレストランに入ってた、すごい。トオル君はお財布を持っていなかった(おごってもらう!)
『帰ってきた』にも登場

・イセザキモール
すべての丁目を網羅してる
なくてはならないロケ地


■現場の裏話
1作めのタンゴ練習 迫真のダンス風景・・舘さんが汗だくで裸で・・
朝から段取り・カット撮り。取材に入ったときも裸でラーメン食べてた舘さん
ワンシーンに一日かけたのは、今となっては贅沢な撮り方
舘さんのバスローブは実話
恭兵さん、映画1作めの豹藤との対決。両ひざで滑って反転して撃つ。身体能力の高さ
今も疾走&ハイキック
ふだんはとても寡黙
浅野さん、なんで薫はあんなになっちゃったのか・・・『またまた』の踏みつぶされたシーン? スタッフのアイデアに浅野さんが乗っかってくれた→『もっとも』の花魁
『帰ってきた』では、「NZに行った薫をどのように帰国させるか」は結構大変だった・・
トオルさん、『ビーバップハイスクール」のオーディションの頃からの関係。芸名は黒澤さん発案。
TVドラマは2話ずつの撮影。2話目に新人のトオル回がきたのは、人気の反映。
いちばんキャラ変したのはナカさん。最初は寡黙で「吐け」しか言ってなかったのに・・・ベンガルさんの貢献は、恭兵さんとのアドリブ合戦。コミカル部分の重鎮

■演出家
手銭監督 早撮りの名手。舘さん「よーい、OK!くらい速い」 舘さんも当時はよく遊びよく遊びだった
村川監督 ちょいちょい登場なさってる。せっかち!自分で運転しちゃう。お洒落だけど熱い山形弁。あぶ刑事精神!『もっとも』カーチェイスは前田橋!(いまは撮影できない・・)

■日テレ
「公共の放送としてオンエアできるものを」という手堅さ
日活や東映のやったれ精神
の融合と化学反応


■一番目的は、「新作を観てほしい」
満足いただける作品になっている。
NZに行ってる間に出来たハンマーヘッド
ロケ地巡礼は『あぶない刑事マニアックス』を読もう

■質疑応答
・今作の脚本に関わったのは4人、柏原・大川・岡・近藤(敬称略)
・柏原先生は小説執筆のため途中離脱
・プロデューサーとしては、『さらば』の興行収入が前作の倍になったから・・。まだイケる!ヒットした段階で「帰ってくる」案は生まれた。
黒澤さん逝去。セントラルも版権管理会社に。東映が頭になって実現。黒澤さんと探偵モノのアイデアを話していた。2019年の始動→コロナを経ての完成
「宿題」をやり遂げた
・柏原先生のダークさ(福富町や都橋のイメージ)
・プロデューサーとしてはフォトジェニックさで判断
・新しいとことのコントラスト
・今作は、これまで描かれなかったこと=娘 がキーとなるアイデアだった(主演二人が動いた)
・アクション撮影の難しさ



ラストにはスペシャルゲスト、瞳ちゃんこと長谷部香苗さん!

真新しい神奈川大学の大教室300人満員で、本当に貴重で楽しい機会とお話を。。

ありがとうございました!