県外ナンバーを責めないで | がんちゃんの雪山讃歌

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石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
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「自粛警察」

 

こんな言葉が生まれている。

 

コロナ自粛をせずに営業している店に嫌がらせの張り紙をしたり、県外ナンバーの車に対して煽り運転を行ったり投石したり…自粛していない(と思われる)人に抗議する人たちのことだ。

 

今回の国や自治体の対応はあくまでも「自粛要請」であって法に基づく強制力はないとの認識だ。

これに対して過剰に正義を振りかざして人々に嫌がらせをする行為が日本中で起きている。

 

自粛できるならした方がいいことは確かだが、全国民が自粛できるわけではない。

営業しなければ生活できない人や、県外ナンバーの車に乗り続けなければならない人もいる。

 

先日知り合いからある写真が送られてきた。

県外ナンバーの車に貼り紙の写真。

その張り紙に書かれていた文字は・・・

 

「単身赴任で石川県に住んでおります。帰省できないのでお許しください」

 

自粛警察に貼られたのではない、自己防衛のために自分で貼っているのだ。

 

帰りたくても帰れないサラリーマンや学生はたくさんいる。

家族や友人と離れただでさえ寂しい思いをしている人々が普通に生活することすら許されないというのは異常だ。

 

県外ナンバーで疎外感を味わう怖さ、ちょっと自分にもわかる。

少し話が逸れるが約25年前、あのオウム真理教による松本サリン事件地下鉄サリン事件が起きた時、自分は地元山梨ナンバーの車でまさに松本に住んでいた。

ただ「山梨ナンバー」というだけで何度も検問や職務質問にあい、車内の荷物はすべてチェックされ、洗車用の洗剤やワックスの中身まで検めさせられた。(当時のオウム真理教の施設が山梨の上九一色村にあったため)

少し田舎に行くと住民から通報されて数台の覆面パトカーに取り囲まれたこともあった。

外へ出るのが怖くて世の中だれも自粛していないのに自分だけ自粛せざるを得ないような状況になった。

 

少なくとも今の人類の敵はコロナであって人ではない。

殺伐とした空気はコロナに追い打ちをかけて自粛疲れした人々を苦しめる。

他人を責めず、ただ自分自身がやれることを粛々とやっていきたい。

 

5月の富士スバルライン五合目。いつもなら県外ナンバーの車で溢れかえるが今年は通行止めとなっている。

 

こちらも数年前のゴールデンウィークの富士山スカイライン5合目。県外の車でビッシリだった。