先週末は南アルプスの南部、聖岳-光岳を歩いてきた。
聖岳はともかく光岳は百名山ハンターにとっても最後まで残る山のひとつだ。
理由はやはりアプローチの悪さだろう。
長野側だと今回歩いた易老渡か池口岳経由で歩くことになるが前者は林道崩落でロングルートとなるし、後者はルートファインディングが厳しいし光岳まで往復となると体力的にも辛い。
結局静岡側の畑薙ダムを起点として茶臼小屋で一泊して光岳までピストン、または光小屋で一泊するパターンが多いのではないだろうか。
今回は易老渡手前の芝沢ゲートを起点として、聖岳~上河内岳~茶臼岳~光岳~池口岳を踏んで池口岳登山口に降りる周回ルートを計画した。
問題は池口岳登山口~芝沢ゲートまでの移動だが、ここはやはりチャリを使うしかない。
距離も20kmほどあって高低差も500mとなかなかハードだが1泊で効率よく歩こうと思うとこれしかない。
ということで朝一でチャリに跨り芝沢ゲートまで走ってようやくスタート地点に立ったのが5時過ぎだった。
連休で激混みの芝沢ゲートの車を横目に林道歩き開始。
途中崩落している箇所は高巻きルートが作られていたので安全に歩くことができた。
芝沢ゲートからの林道は至る所で崩落していた。
電柱も引っこ抜けて電線ごと河原に落ちていた。
千と千尋の神隠しに出てくるようなトンネルを歩いていく。
便ヶ島のキャンプ場はそれこそ神隠しに会ったような状態。あの自販機が再稼働する日は来ないのだろう。
便ヶ島から先は登山道となる。
今回のルートの核心ともいえるのが「西沢渡」だ。
その名の通り川を渡渉するのだが、水量もそこそこなので登山者は荷物用のロープウェイを使うことになる。
このロープウェイがなかなか重いらしく対岸まで移動するのが一苦労だという話を聞いた。
だったら普通に渡渉すればいいのでは?ということであえて沢靴で来た。
普通のテン泊縦走で沢靴を使うのは日本全国探しても自分くらいなのではないだろうか?
西沢渡までの登山道沿いにあったカツラの木。べっこう飴のような甘い香りがするのですぐわかる。
ちょっとした滝の景色も楽しめる。
これが西沢渡の荷物用ロープウェイ。これに大の大人が載って自力で引っ張るという仕組み。自分は素直に渡渉した。
苔平は苔だらけの森が広がっている。
登山道をガンガン登って薊畑まで来たらザックをデポして聖岳のピークを踏みに行く。
コースタイムで4時間弱あるがテン泊装備で往復する気にはならない。
それなら空身でサクッと往復した方が速いし体力的にも楽だ。
途中で水場がないのが難点だが真夏のように灼熱地獄でもないしそこそこ風もあるので行けるだろう。
小聖岳から望む聖岳。すごい存在感。
聖岳初登頂!バックは赤石岳。
右手には富士山ドン!
下山中に聖岳のピークを振り返る。ガスが湧いてきた。
聖平小屋にちょこっと寄り道。普通に良い場所に小屋が立っていた。
聖平小屋名物のフルーツポンチ
名物のフルーツポンチを見て聖平小屋に泊まりたくなる衝動に駆られたがここで寝てしまうと翌日の行程が長くなってきつくなる。
まだ時間も早いし頑張って予定通り茶臼小屋まで向かうことにした。
フルーツポンチはまた今度…
天気も良いし初日の今日のうちに茶臼小屋まで行っちゃおう!まずは上河内岳へ。
上河内岳カッコいい!さすが二百名山&百高山。
上河内岳ゲット!
誰もいないのでセルフで自撮り。連休なのにガラ空きな南アルプスサイコー!
振り返っても素晴らしい存在感の上河内岳。
久しぶりに見たコケモモの実。甘酸っぱくて旨いんだけど国立公園なので見てるだけ…
素晴らしい草原とバックに上河内岳。テント張りたくなるけど禁止だけど。
ようやく茶臼小屋の分岐まで来た。南アルプスの縦走路はでっかくて最高だわ。
今日の宿は茶臼小屋。
到着時刻が若干遅かったのでテン場の空き具合が心配だったが何とか良い場所をゲット。
今日はマッタリテン泊のつもりだったので火器もシュラフもちゃんと持ってきた。重かったけど。
おかげでのんびり夕食タイム、コーヒータイムを楽しむことができた。やっぱりテン泊はこうでなくっちゃ。
良い場所にテント設営完了。周りに人も少ないので静かでよかった。
今日は火器も持ってきたのでお湯を沸かしてのんびりディナータイムを楽しもう。
ドリップコーヒー。こういうの1年ぶりくらいかも。
食事が終わったら稜線まで登り返して夕焼けタイム。
聖岳と雲海。
西の空を眺める。中央アルプスは雲の中。
頭を赤く染める富士山。素晴らしい1日目でした。
2日目に続く・・・