トムラウシ山の事故は「ガイド登山なのに大量遭難が起きた」という点と「夏山でも低体温症になる」という教訓が生まれ登山者の間で広まったきっかけになった事故だったと思う。
自分も去年の夏に2回ほど低体温症になり得るような山行を経験した。
2回とも白山だったが、フェーン現象の影響で下界は蒸し暑く半袖短パンで歩きたくなるような気候だったが稜線は真逆で低温下の雨と暴風で凍えるような寒さだった。
これ程までに下界と寒暖差が大きいのかと改めて認識させられた山行だった。
樹林帯を歩いている間は風がないので寒さはそれほど感じないが、稜線など吹きさらしになった途端に一気に体温が奪われる。
そんな時、カッパの有無が生死を分ける(決して大げさではなく)
カッパは雨以外に風も防いでくれるので荒れた天気の時は強い味方になる。
それでも足を止めるとみるみる体温が奪われるので油断はできない。
体力があり余ってガンガン歩き続けられる人でも怪我をして停滞せざるを得なくなるリスクは誰にでもある。
万一に備えて速乾性が高くなるべく体温を奪われないウェアを着るようにして、着替えやツェルトなどビバーク可能な最低限の装備を常備する必要があると思う。
冬山は誰でも当たり前に慎重深く装備を整えると思うが、「夏山だから凍死なんかないはず」と安易に考えずに、むしろ冬山以上に慎重に山を楽しむ姿勢が必要だと思う。