あと、3年・・・頑張りますか( ^ω^) | 惣治の日々

惣治の日々

「悠々として急げ」とは彼の巨匠 親父の呟き
開高健に憧れ・・江戸和竿に魅せられ
回顧録を兼ねて綴る
4代目竿治 参乃治会 惣治 

たわいもない、独り言・・・

 

旧「航海訓練所」は、世界でも最大級の帆船「日本丸」、「海王丸」、新造の内航仕様の汽船「大成丸」、外航仕様の大型汽船「銀河丸」、内航がほとんどとなった大型汽船「青雲丸」、の5隻の練習船隊を擁する組織で、元々は国土交通省(旧運輸省)の組織、外出しにされ、独立行政法人となり、今、海技教育機構として統合されています。

遠洋航海は日本丸、海王丸、銀河丸が担っています。

 

https://www.jmets.ac.jp/academic/ship/index.html

 

海自を55歳で定年退職して、再就職先に船舶の通信士として、無謀にも現場に飛び込んで早2年が経ちました。

一般の商船ではGMDSSの制度、機器が普及し、衛星通信が発達し、電話もメールも簡単な操作でできてしまう。

通信士は航海士が兼務しているのがほとんどで、専任通信士、無線部を置いているところはほとんどありません。

無線従事者の資格である3海通を持てば、遭難通信責任者になれ、兼務通信長が認められます。

 

通信士を置いているのは海自、海保、当練習船ぐらいとなっているのではないでしょうか。

 

海自でいえば通信員と電子整備を掛け持ちでやるような職場。

 

振り返ってみれば、練習船の通信士は、自ら送受信機(MF/HF送受信、VHF送受信機、UHF送受信機、インマルサット衛星通信、舶用短波FAXを使用しての海外の天気図や共同ニュースの受信)を操作し、電鍵を叩き、船内放送設備等で断線などがあれば、機器修理に半田ごてを握り、船内ネットワークでの各種のサーバーや端末(PC)の設定、メンテナンス。

テレビの船内共聴設備も所掌範囲です。

天気図も外洋では短波FAXですが、沿岸ではインターネットで気象庁からダウンロードし、それを色付して船橋や実習生に閲覧させるために掲示します。

 

何故かしら歴代通信長は図書の蔵書管理(購入申請や受付、ブックポケットを貼り付け、貸し出しカードを作成し、カバー掛け等の作業もあります。)も・・・・

 

ついでではないですが、広報でFACEBOOKの投稿や、各種写真を撮るときのカメラ小僧。

多彩な仕事です。

 

 

 

 

練習船の教官は大学相当で、教授、准教授、講師、助手・・・等の階級があり

採用時には「講師」として、練習船での職は「二等通信士」、緑の色が間にある金筋2本でスタート。

 

最初に汽船「銀河丸」6か月勤務、3か月の休暇、次に汽船「大成丸」6か月勤務、3か月の休暇、そして帆船「日本丸」。日本列島を何週もし、「銀河丸」でオーストラリア・シンガポールの遠洋航海、「日本丸」でハワイへの遠洋航海。

 

3年目にして、拝命したのは准教授、通信長。

 

しかも、初乗船の銀河丸。部下無しの通信長配置。「(´・ω`・)エッ?

 

他の遠洋航海に行く船は通信長と2等通信士又は3等通信士の2名配乗。

 

内航(国内航行)中は当面一人で頑張れということらしい。

教務担当は、従来、二・三等通信士が「無線通信」の講義、実習

通信長が「気象」を担当するのだけれど、一人配置では両方をやらなければならない。

オーマイゴッド!です。

 

 

あらためて商船系の階級や職務について。

船の世界は、階級社会。船の乗組員の階級や職務はその制服の肩章(夏服)や袖章(冬服)の金筋の数とその間の色が決められています。

 

船の大小にかかわらず、金筋4本は船長と機関長。航海士と機関士の目指すところ。

 

海自の階級とはまったく違います。

 

3本が、1等航海士や1等機関士、それと通信長(局長)に事務長(パーサー)。

2本が、2等航海士や2等機関士、2等通信士、事務員。

1本は3等航海士、3等機関士・・・。

 

金筋の間の色が「黒」は船長や航海士。

「紫」は機関長や機関士。

「緑」は通信長や通信士。

「白」は事務長や事務部職員。

「赤」は医者(船医)。

 

黒は海を表し、

機関士の紫は油の色の象徴。

以下、通信士の緑は陸の色。

パーサーや事務部職員の白は紙の色。

医者の赤は血の色と言われています。

 

ちなみに、通信長は「局長~!」と呼ばれたりもします。

無線局の長ですから、昔の呼び名の名残。

 

船舶の無線屋、通信士として行きつくとこまで来た感があります。

通信長には4本線はありませんからね・・・。

 

准教授から教授へは経歴上必要な期間があり、あと3年で第2回目の定年を迎える私には時間が足らないそうで、教授にはなれません。

 

1隻の船の一人配置の通信長・・・重責に押し潰されそうです。

ここ2年間の不勉強が悔やまれます。(´;ω;`)

 

練習船での実習には、海技大学校、海上技術短期大学校、高等専門学校等の実習生が乗船します。

船乗りになるため、海技士になるための道がここにあり、若者が一生懸命に知識を学び

実習で経験を積み、団体行動、チームワークについて体得していきます。

一生懸命の彼らは見ていて清々しさや、逞しさ、今どきの若い者もやるじゃないか

 

http://www.uminoshigoto.com/sailor/become_a_sailor.html

 

今の配置はそんな若者と時間を共にできる「望外の幸せ」なのかも・・・・。

 

あと、3年・・・頑張りますか。