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かけはし

日本とヨーロッパの交流コーディネイターのさんぼです。
草の根のちいさな交流が広がれば、きっとお互いにわかりあえる、受け入れられる。

カテゴリーはトラブルで良いのかなあ。自分なりにカテゴライズしたはずですが、わかんなくなっちゃった。

前の日記で社宅のことを書いたばかりなのに、すぐに社宅のトラブルのことを書くことになろうとは。

わたし、ほとんど一睡もしていません。疲れ果てました。

ことの始まりは、ギリシャ人からのwhattapp。「火事です」。

我々は共通言語がないので、翻訳アプリを使っています。そして、大体は意味が通じるのですが、ある日バスの電気系統のショートを「バスが燃えました」とか翻訳されてびっくり仰天した経験があるので、今回の「火事です」もその程度のことだろうと思っていたら、本物のガチの火事でした。集合住宅の地下駐車場の車が燃えて、地下中に火が燃え広がったのです。

時の頃すでに真夜中。彼は5時には始発を運転せねばならないのに。この日はアパートには我が社のギリシャ人とドイツ人の掃除魔がいましたが、ギリシャ人は深く熟睡していたところ、掃除魔がどんどんドアを叩いて起こしてくれたそうです。彼らは素早く貴重品を身につけて、着替えてから出たそうです。そこまで逼迫していなかったらしい。そのあとみんな集められて名前を記録されて、避難所に移動するあたりで、掃除魔は「僕はこんなこと一緒にやる気力はない。こんなにいっぱい消防車がいるんだから居住エリアまで火が広がるもんか。家に帰って寝る」と言って消火作業中のアパートにこっそり戻って部屋で寝たそうですが、ギリシャ人の方は訳もわからずに、移送バスに乗せられて、山の下の避難所に行って、簡易ベッドで寝たらしいです。

わたしは掃除魔に、毒ガスが発生する可能性もあるし、焼け死ぬ可能性もあるんだから、あんたも避難しなさい、と何度説得しても無駄で、彼がまさかガスを吸って最悪の事態になるのではないかと心配なのと、言葉もわからないギリシャ人がちゃんと不安なく過ごせているか心配で眠れなかったわけです。


そして今日の朝、果たして担当の始発バスは動いているのか?もちろん電話しましたとも。ギリシャ人は「もちろん僕はすでに準備万端だ。バスもエンジンかけて、今や出発時間を待つばかりだ」とのことで安心。掃除魔は「俺は生きてるが、ものすごく機嫌が悪い。なんと、電気も水道も止まったんだ」当たり前だ。


そのあとはアパートの現状を把握すべく各方面に連絡して、どうやらライフラインが絶たれていることを知り、建物全体の安全確認ができないとアパートに戻れないことが分かりました。火事からの復旧って何日ぐらいかかるんでしょうか?とにかく水道管は破裂し、電気ケーブルも遮断され、電話もインターネットも無いそうなんです。


次は運転手の住居の確保です。もちろんホテルを予約し、何日泊まるかわからないので、向こう一週間ぐらいは空き部屋があり、快適でバスの駐車場にも近いホテルを確保しました。

ギリシャ人も掃除魔も、ホテル滞在は嫌がっていましたがー「おウチが良い」ー、もちろん選択肢が無いことも承知しているので、今日からはホテル住まいです。ギリシャ人など、日曜日にせっせと一週間分のおかずを作り上げて、冷凍庫に入れたばかりだったので、相当残念がっていましたが、こればかりは仕方ないね。


これは大衆新聞「Bild」紙のインターネットニュースですが、我が社のアパートの部屋は三つとも裏側なので、煙の匂いも廊下にちょっと感じるだけで、部屋はほとんど感じないそうです。ガレージの上の部屋はひどい状態と思う。



これは地方紙のSchwarzwälder Bote「黒い森ニュース」の記事ですが、こんなベッドが1時間ぐらいで用意されたんですね。ギリシャ人はここにちょっと横になったと思います。ここはわたしたちが毎日学生を乗せてやってくる学校の体育館です。


ところで運転手たちには「必要なものはなんでも買って良い。ただレシートは取っておいて」と言っています。おそらく保険で支払われる部分もあると思われるので。ただ、彼らは一回アパートに入ったらしく、数泊分の荷物とコーヒーメーカーなど必需品は車に入れているそうです。準備万端で非常によろしい。あとホテルには、彼らになんでも食べさせて飲み物も全部わたしが払うから、と言っています。わたし自身もたまに泊まるホテルなので、オーナーとも顔見知りなので、良かった。こんな時珍しい東洋人の女のバス運転手って得ですね。結構わたしのことを知っている人多いので。変なことできないという不便さもありますが。


わたしも今日はもう早く寝ます。なんだかどっと疲れが出ました。何も無い単なる日常生活って、どんなだったっけ?あまりにも毎日色々起こるので、感覚が変になった気がします。


さんぼ


最近は我が家はどうも、客人が多くて、お昼も夜も家族以外の誰かがいることが多い。

それは、最近我が社でやっとバスが入るガレージを借りたからです。わたしはまだ一回しか行ったことないんですが。


規模を縮小しようと思っているのは、わたしだけかもしれない。もう一度夫と話さないと。どっちにしても今までは全ての車両を野晒しにしていたので、これは借りて良かったんですが。


夫は大喜びで、あれこれと買い込んでは、設備を整えているので、そのお手伝いに毎日誰か来る。で、ご飯は我が家です。わたしがいない時は何かパン屋か肉屋で適当に買って食べているらしいです。最も頻繁に食べているだろうと思われるのはミートローフ的なものを挟んだ丸パン、LKW(Leberkäse Wecken )。トラックもLKWと言いますが(Lastkraftwagen の略)、南ドイツでは丸パン(Brötchen)のことをWeckenとも言うので、ちょうどトラックと同じ略称です。わたしのカタギのお友達はお肉を挟んだ丸パンのことをLKWなんて言わないので、もしかしたらこれは大型車両関係の人だけ使う略称かもしれない。


しかしわたしが在宅の時は、当然ご飯は我が家です。来るか来ないかわからないので、量の調節ができて、残っても次の日に回せるものを工夫しますが、良く作る付け合わせはポテトサラダ。何度か日記に書いていますが、最近我ながらかなり美味しいレシピを見つけました。

南ドイツ風のポテトサラダは、

⚪︎ ポテト以外の具は入れない。入れたとしてもきゅうりぐらい。

⚪︎ じゃがいものかたちは残っていなければならない。

⚪︎ ソースは目で見えるほど多くなくてはいけない。


日本で良く出される人参だのりんごだのハムだのが入っている色鮮やかな一品はドイツのレストランではまず出てきませんね。マヨネーズもまず使用しない。北の方では使うこともありますが。

じゃがいもも、薄く切った形が残っていなければならず、日本で良くやる「じゃがいもが熱いうちに下味のソースをまわしかけて潰して味を染み込ませる」というプロセスを行った場合は、「ああ、間違った種類のじゃがいもを買っちゃったのね」、と思われること間違いなしです。

南ドイツの人は、ソース的なものを大量に使用する傾向があり、じゃがいもサラダも「喉の滑りが良いような」びちゃびちゃの方が好まれるようです。


最近のわたしのレシピ

⚪︎ じゃがいも(日本だとメークイーンのようなねっとりと茹で上がる種類、ドイツならFestkochendeと書いてあるもの)を皮のまま柔らかく茹でる。

⚪︎ 熱いうちに皮を剥いて冷ましておく。わたしは完全に冷まします。



⚪︎ 玉ねぎを微塵に切って、サラダオイルで透き通る手前ぐらいまでちょっと炒めてそこにコンソメスープを注いで沸騰させておく。これが味のベースになります。スープはそのまま飲んで美味しいぐらいの味付け。わたしはコンソメキューブやパウダーを使用。



⚪︎ 冷めたじゃがいもをなるべく薄く切ります。それをボールに入れて、玉ねぎ入りスープとサラダオイル、安いシンプルなただのお酢で味付け。油と酢の割合は3:1ぐらい。このお酢も、スーパーの棚で一番安い、単なるお酢が一番良い。決してオリーブオイルとかバルサミコは使ってはいけません。

塩で味を整える。混ぜてみて、汁気が足りないようだったら水を足して調整。普通は胡椒も入れます。わたしは胡椒は滅多に使わないので入れないことも多いけど。

⚪︎ ソースを混ぜたら、しばらく置いて味をなじませる。

⚪︎ 供する前にもう一度味見、調整して水気も見て、乾き気味だったらまた水を足す。上にパセリかネギを散らしたければやっても良いけど、何もないのが保守的南ドイツポテトサラダ。


出来上がり。

これは義母が作っていたポテトサラダに似ています。飾り気はないけど、万人受けする普通のポテトサラダ。


簡単だけど、時間はかかりますね。だから「今日はポテトサラダ」と思ったら、朝から芋を茹でて、皮を剥くまではやっておきます。


お試しを。


さんぼ

我が社は全部で四つの部屋を持っています。

かつては社員の運転手は我が家の近くの人ばかりで、しかもツアーバスしかやっていなかったので、ツアー前にやってきて、バスに乗って数日間の旅行に出て、終わったら自宅に帰る人ばかりでした。だから運転手用の宿泊施設なんて必要なかった。

ところがコロナ禍で、ツアー会社からくら替えして、路線バスと国鉄路線代替バスを受けるようになって、拠点に住む必要が出てきたために、どんどんアパートが増えていったんです。


一つはシュヴァーベン山脈の街にあって、そこを拠点の路線ルートを一つ持っていますので、そのアパートにはその路線をほぼ専門に担当するギリシャからの若い運転手が住民登録もして住んでいます。

これはわたしの所有するアパートなのですが、自分では多分10日間ぐらいしか住んでいません。寝室と居間とダイニングキッチンの60平米ぐらいのアパートで、エレベーターが無いことを除けばかなり良いアパートです。古いけどね。ここに住む我が社で最も若い運転手は、健康オタクで、トレーニングマシンなども持ち込んで、快適に生活しているみたいです。


上はまだベッドが無かった頃。この状態でわたしはなん日か滞在しました。下は改装中の惨状。


黒い森にはかつてホテルだった建物を改装したスチューディオタイプのアパートが三つあって、これは賃貸です。

一つはドイツ語不能のギリシャ人のベテランが住んでおり、彼は自分でバス会社を経営していたのがコロナのせいで倒産してドイツに出稼ぎに来てるんですが、わたしも夫も彼はすぐにギリシャに帰るだろうと思っていました。彼はルートを覚えるのがわたし以上に苦手で、相当苦労していたし、言葉がわからないので、客から話しかけられるのも怖がる有様でした。しかも担当させられたのは、雪山の路線。同郷人もその当時は一人もおらず、孤独を嘆いていたし、美食のギリシャから来た人には耐えられないような食生活には愕然としていましたからね。

ところが今や、絶対にほぼ時間通りに現れる運転手で、言葉はわからないが親切で、信頼の置けるおじちゃん運転手と乗客の評判は上々で、子供たちなどギリシャ語の挨拶まで覚える始末です。

彼はどんどん自分のアパートを快適に改装しており、言葉もわからないのに路線ルートにある電気屋のおじさんとは、あまりにもしばしば訪れて、いろんなものを買い込んだり質問したりするために、すっかり仲良しになっていました。


このアパートには共用の洗濯室がありますが、壊れていたり、使用中だったりで、自分だけの洗濯機を彼は切望していましたが、遂に小さいのを購入。わたしが穴を開けたり、廃水管を新たに取り付けたりするような大掛かりな工事は決してしてはいけない、と警告したので、洗濯機を移動できるボードに取り付けて 使用後は廊下に出すことで対応するそうです。

台所も、ちゃんとあるのに、それじゃ満足できずに、自分で作り上げました。ここまであれこれやっているので、彼はしばらくはドイツで我々のために働いてくれそうです。

ちなみに、ギリシャ人の男性の名前は、その半分ぐらいがゲオルギアスかコンスタンティヌスかイオアニスじゃないかと思うんですが、偶然うちの二人のギリシャ人たちは同じ名前で、どっちもコンスタンティヌス。呼称はコスタです。


もう一つのアパートの住人はリトアニアからの運転手。ところが彼は引っ越してきた途端に、バイエルン州のキームゼーの近くの路線にヘルプに行くことになり、ここに住民票があるにもかかわらず、すぐにバイエルンの路線本部が借り上げているホテルに移り、休みの時だけはるばる300kmばかり運転してアパートに帰ってきています。


これは前の住人は老夫婦で仕事用の仮の住居ではなくて、ちゃんと住んでいたため、家具がいっぱいついていました。


そしてもう一つあるアパートは、かつてはわたしのお城だったんですが、遂に明け渡す羽目になり、今は掃除魔のドイツ東部からやってきた運転手が住んでいます。彼は国鉄代替バス運転を専門にしていますが、目下のところ代替バスの仕事がないので、黒い森の路線をお願いしているんです。

先日彼が里帰りしている時期はわたしが、遠慮しいしい住みましたが、とにかく全てをきちんと整理して磨きあげた上、棚の中にきっちり入れているので、なんだか引っ張り出して使うのも気が咎めて、がらーんとした部屋で過ごし、汚したら怒られると思って、毎日せっせと掃除しましたよ。

自分の乗っているバスも毎日磨き上げるタイプなので、傷をつけたり、汚したら大変なことになると思って、ことさら気をつけて運転して、時間さえあればバスの掃除していました。考えてみれば、これ、わたしのバスなんだけどね。まあ、アパートにしろバスにしろ大事に管理してくれるのはありがたいことです。


彼はビールが好きなので、アパートを退出する時に冷蔵庫にビールを補充してあげました。そしてネスプレッソのカプセルも補充。お醤油はわたしの。持って帰るのを忘れた。


因みに、黒い森のアパートの家賃は社で負担しています。賃貸契約の時期が違うので、同じタイプの部屋でも家賃が違う。一番早く借りた掃除魔が住んでいるアパートとリトアニア人のアパートでは200ユーロ違います。


若い健康オタクのわたしのアパートは、家賃をもらっています。彼は、あちこちに移動したく無く、その土地から動かずに同じ路線をやりたいと言う強い希望があったために、じゃあそのアパートは貴方専用で他の人は来ない代わりにちょっと家賃も負担して頂戴、ということにしたんです。この路線は365日休みなく動いているので、まさか彼を通年休みなしに走らせるわけにはいかないし、他の運転手にホテルを取らないといけないからです。


こんなアパートの費用も結局は経費。これに運転手の給料に手当てに保険に燃料代に車両のローンに後なんだっけ?とにかく諸々の支出と、運転手のお願い事や困り事の処理、各国の税金の処理と支払いなどと、収入を天秤にかけて、果たしてこれ、うまく行ってるんだろうか?実は破産の危機に瀕しているんじゃなかろうか?なんて、実はよくわかんないんですよね。


今日明日中に路頭に迷うことはあるまいと信じてるんですけどね。

まあでももうこれ以上社員用のアパートを借りる必要はないと思うけどね。


さんぼ