かけはし

かけはし

日本とヨーロッパの交流コーディネイターのさんぼです。
草の根のちいさな交流が広がれば、きっとお互いにわかりあえる、受け入れられる。

ドイツのディーゼルの値上がりは凄まじいものがあります。


昔はディーゼルは90セントぐらいだったんじゃないかなあ。その後はコロナの時に価格が下降したけど、大体1ユーロ50セントぐらいが平均だったんじゃないかなあ。うちの税理士に渡している資料を見れば詳しくわかるけど、引っ張り出すのが面倒くさい。


そして今や2ユーロ20セントとか見たら、まあ許容範囲、と思って200リットルとか300リットルとか給油するんだから、こっちの頭もおかしくなっているんだと思う。最近の最高額は多分2ユーロ40 セントぐらいかなあ。日本円にしたら、え?今1ユーロ187円?ちょっと世界がおかしくなっているんじゃないの?

でもこのレートで計算したら1リットルの軽油が448円!


高い高いと言ったって、我々は国鉄代替バスや路線バスも受けているわけで、それは何がなんでも運行しないといけない。そして、路線も代替バスも2日に一回は給油。その都度少なくとも200リットルは入れないといけない。

小銭ばら撒きながら走っている勘定ですよ。


バスの燃費は、特に代替バスや路線バスは悪く、100km走るのに大体39リットルとか山の中の路線なんか41リットルぐらい必要です。今、果たしてこの仕事を続けることで多少は儲けがあるのか大赤字なのかを計算しているところ。


ドイツの法律では、何人も移動の自由と可能性を持たねばならない、という事項があるので、簡単に代替バスや路線バスは止められません。ならばそろそろ政府から、我々になんらかの形で補助がないとやってられないよこんなこと。


さてわたしは夫と共に最近しょっちゅうイタリア往復をやっていましたが、その際に使用する車両はダブルデッカー。これは車高4m、長さが14mの巨大な車両で、さぞ燃料を食うだろう、と思いきや、路線バスよりもずっと燃費は良いんですよ。100km移動に大体27リットルから29リットルぐらい。平均で。

これは当然なんだけど、ツアーバスは高速走行することが多くて、移動はほとんどアウトバーンなんですね。まあアルプスの峠は別だけど。で、クルマというのは加速する時にやたらと燃料を消費しますから、アウトバーン上で一定の速度を保って安定走行するのが燃料節約のコツなんです。つまりやたらとアクセルをふかさず、ブレーキも触らずオートクルーズでずーっと走行するのが一番大事なんです。バスなんて図体が大きいし、客が満載だと最大26トンと重いので、加速の時の燃料の消費たるやもの凄いんですよ。


わたしはこのオートクルーズ、というのが苦手だったんですが、もう慣れました。カーブの時に多少リターダーと呼ばれる補助ブレーキを使うけど、普通のアウトバーンで、特に夜中などあまり混んでない場合はほとんどフットブレーキに触らず、アクセルも触らずに数十キロは運転します。


愛車。金食い虫。だけどこれでお金も得ているんだよな。ちゃんと割に合ってるんだろうか。計算しなきゃ。


またうちの運転手にも、ガソリンスタンドのプライスリストに注目して、ゆめゆめ高いところで景気良く給油しないように注意しています。幸い今うちで働いている運転手は、ギリシャ人二人はドケチ系で、結構おカネに細かいので、あまり心配ない。スペイン人も、彼にはその周辺で最も安値を出しているガソリンスタンドを紹介し、そこで給油するように命令しているので、彼は他のところを知らないので心配なし。


ちょっと気をつけないといけないのがアルバイトのツアーバス運転手。彼らは、ロングトランスファーだったら、アウトバーン降りるのが面倒で、馬鹿高いアウトバーンガソリンスタンドで給油したりするからね。

因みに例えばイタリアなんかはアウトバーン上でもそこまで高くないです。ドイツはアウトバーン上のスタンドの値段と街中のスタンドでは雲泥の差ですけどね。


先日わたしはミュンヘン-プラハ間の送迎をやったんですが、チェコのアウトバーンのガソリンスタンドの値段をユーロに換算してみたら、1リットル1ユーロ70セント。こんな値段しばらく見たことないです。チェココルナをユーロに換算するために一回ガソリンスタンドで止まって、携帯で検索して換算して、その値段に感嘆した後、だったらギリギリまで走ってディーゼルを消費して、国境前で満タンにしようと計画してドイツに入るちょっと前に給油した。


プラハの街。これはヴァーツラフ広場の国立博物館ですね。プラハ滞在15分。

下は給油したガソリンスタンドでいただいたお昼ご飯。なんとバターチキンカレーでした。美味しかった。やっぱりお米好き。


ここ数日ディーゼル価格は落ち着いて来て、もう少し下がってくれないと小さな会社は倒産の危機と隣り合わせなんですが、努力して燃料節約を心がけながら勤務しないと。

うちの夫なんて、オートクルーズを使用しない運転手からは罰金を取る、とか息巻いているけど、そんなことできるわけないじゃん。因みにタコグラフを読み取ったら、どんな状態で運転したかは一目瞭然なんですよ。だけど、そんな罰金なんて、無理。反対に訴えられるんじゃないの?


さんぼ

ドイツのどこから出発するか、そしてイタリアのどこに行くかによりますが、イタリアに行く場合、ヨーロッパの中央を横切るアルプスを越えなければいけません。アルプス越えのルートはいくつかあります。有名なのは、

ー サンベルナディーノ峠ルート

ー ブレンナー峠ルート

ー ゴッタードトンネルルート


これは、よく使う順番です。

わたしが最初にバスで通ったのはサンベルナディーノ。冬だったし、真夜中だったので、かなり慎重に運転しましたが、これは夫から褒められました。免許取り立てで、黒い森の山の中に送り込まれ、山道を散々運転した甲斐があったようです。

ゴッタードトンネルは、閉鎖している時があるので、前もって交通情報を確認せねばならないけれど、これは約15kmにもわたる片道一車線のトンネルで、万が一の事故があると大変なことになるので、大型車の車間距離などは厳しく決められています。また、トラックの侵入は、信号によって制御されているので、大量のトラックが一度にトンネル内に入ってこないようになっています。

最も運転が楽、と言えるのはブレンナーでしょうが、料金的には最も高いんじゃないかなあ。また、ブレンナーが一番渋滞する確率が高い印象がある。


今回ヴェニスに客を迎えに行く時、夫と二人でダブルデッカーをヴェニスに持って行ったんですが、ブレンナーが渋滞している情報を得ました。そこで夫が選んだのはレッシェン峠ルートです。夫はヨーロッパの道を自分の家の庭よりも良く知っています。


レッシェン峠は、ブレンナーとほぼ並行して走っているような峠ですが、ブレンナーよりも所要時間がおよそ40分ぐらい長くかかるから普通は使わないんですよ。だけどブレンナーが渋滞の場合は、こっちに来るらしいです。


ここは夫が運転しましたので、わたしは景色を鑑賞する余裕があったけど、ボルツァーノの付近と言えばわかる人もいるでしょうが、本当に絶景の連続で、とても素敵なルートでした。途中でレッシェン湖のそばを通るんですが、その湖からは古い教会の塔だけが見えます。第二次世界大戦後、この湖をダム化する計画になって、住民の反対にもかかわらず計画は実施されて、小さな村が湖の底に沈んだんですが、その村の象徴である教会の塔だけが湖面から突き出していまだに見えるんです。



悲しい歴史の象徴なんですが、空は、抜けるほど美しく、風景も息をのむほど素晴らしい。


自家用車でドライブならここらで一服休憩して、コーヒーでも飲もうと言う気になるでしょうが、我らは、自宅からヴェニス近郊まで、700kmの移動で、家を10:30に出て、20時にはホテルにつきたかったので、運転手交代で停まるだけで、一度も長い休憩を取らずに走り抜きました。客を乗せていない時はいつだってそうです。ホテルに到着したのは19:45。上出来です。


どうして20時には到着したかったかと言うと、宿泊ホテルの評判の良い夜ご飯を堪能するため。海の幸で有名なところを取ったんです。



ホテルのバルコニーからの夜景と朝の風景。ここはヴェニスの近くのCaorleという街で、やはり運河が多い街でした。


次の朝、お客の学生を乗せて、今度はフランクフルトまでお送りでしたけど、今度のルートも渋滞を避けて、あまり通らないところを選びました。オーストリアルートです。ヴェニスからトリエステ方面に行って、そこからウディーネからオーストリアのVillachに抜けて、ザルツブルクを通過してミュンヘンーニュルンベルクーフランクフルトのルート。このルートはかなり気に入りました。たまたまかもしれないけど、アウトバーンはザルツブルクのあたりまではがらがらで、トンネルは多いけど、カーブもたいして無くて、全部オートクルーズで走行できるし。


ヴェニス近郊を9:30出発、フランクフルト到着は22時でした。

今回のお客は、青少年の陸上競技のエリートたち。選び抜かれた選手がイタリアで合宿したんですね。宿泊地はヴェニスのすぐ近くなのに観光なんかは全く無くて、ずっとトレーニングしてたそうです。

しかし、やはり何かに特別に秀でた子は、生活習慣も違うね。

彼らが降りた後のバスの中はゴミは皆無。乗った時と同じ状態。荷物の積み込みも率先して自分たちで協力してやるし。


それに比べてその数日前のやはりヴェニス近郊に送ったサッカーチームの連中が降りた後のバスの惨状はご覧の通り。


まあ、こっちが普通なんだけどね。

やはり、選ばれる子は違うんだなあ、と思ったのは正直な感想。


ここ2週間でドイツイタリアを4往復したことになるのかな?お疲れ様でした。


さんぼ


わたしには休暇なんて関係ないんですけどね。

今年は夫もツアーで長女も里帰りしないし、次女は暦通りきっちり休むしで、一人で過ごす日が多かったな。


考えることは、うちの運転手たちが義務を全うして、ある程度時間通りに、事故なく運行しているか?ちゃんと接客業の自覚を持って客と接しているか?まともな服を着用しているか?などなど心配ばかりで、事務仕事が全く手につかない。


今までは多くの社員運転手は前から知っている人や、実際にどこかの代替バス路線で一緒になって、彼の運転ぶりや勤務ぶりを見たことのある人だったので、今回のように今まで全く知らなかった人物に全てを任せるのはあまり経験がないんです。


自分にのしかかっている責任の重さを改めて感じる。ああ、やだやだ。


今日は新人スペイン人は、新しい路線を真面目一徹ギリシャ人と一緒に訓練しているけど、度々入るギリシャ人からのメッセージはネガティヴ系ばかりで、ギリシャ人も心底疲弊しているようです。

そもそもこの路線は、学校があっている時のダイヤは複雑極まりなく、わたしも道を間違えて客に指摘されたことがあるぐらいなんですが、休暇ダイヤはかなり簡単で、わたしでさえ、運行表を見て、誰かに教えてもらわずとも運転できたシンプルルートなんです。

ところが彼は、多分一回か二回走れば覚えるだろうという大方の予想を裏切り、夕方になってもまだうろ覚えらしく、万事休すです。

明日はなんとしてでも一人でやってもらわないと。真面目一徹は明日は休みだし、わたしと夫はイタリアトランスファーだし。誰もいない。


こんな時、彼がドイツ語ができさえすればなあ、と思うんですよね。ドイツ語ができれば、最終手段、客に聞くという技を使用できる。

わたしは、前にFreudenstadtと言う街を担当した時、そこは1日に一回しか行かないので、全くうろ覚えだったんですが、幸い学生が多く、その中で真面目で教え好きそうな少年を選び、隣に座らせて、道案内をさせたことを思い出す。彼は上手に教えてくれましたよ。曲がり角の目印になりそうな建物や看板も教えてくれて。

言葉ができないと、この方法も使えない。


また代替バス運行も言葉の問題で、客が何かを質問しても答えられないと言う事態が何度か発生したようで、代替運行の依頼主からクレームが来る前になんとかしなくちゃ。やっぱり外国人を雇うのは色んな意味でリスキーだなあ、と思う。と言ってわたしだって外国人運転手だけどね。まあドイツ語喋れるアルよ程度はわかるからマシだけど。


祝日は次女がたまにご飯を食べに来た。


和風に焼こうと思ったけど、面倒になってオーブンで付け合わせもメインも一緒に焼いちゃった。でも美味しかったので良し。わたしの作るものは色合いも味も全部似てる。



次女リクエストの唐揚げ。わたしの故郷、福岡の赤米を入れたご飯を炊いた。そしてスポンジを焼いて、カスタードクリームと生クリームとイチゴを重ねたスコップケーキ。これは見かけはアレですが、思い立って1時間ぐらいでできると言う意味で非常に便利なケーキですね。


明日はまたイタリアまで徹夜運転。


どうもスペイン人はまだ路線ルートが完璧に頭に入っていないようだけど(大体、6つぐらいしか停留所がないのに、どうして覚えられないのか?不思議でしようがない)、もう運を天に任せて任せるしかない。

さっき「車に乗って路線ルートを走って来い。覚えるまで走れ」と命令して、彼は今やっているはずだけど。


そして、ろくに休息を取る暇もなく、また休暇は終わって日常が始まるんだろうな。ああ、本当に時が流れるのが早すぎる。


さんぼ