非常識な勤務時間 | かけはし

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日本とヨーロッパの交流コーディネイターのさんぼです。
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わたし、寝たのは今日の早朝3時です。起きたのは7時半。世界は普通に回っているので、お構いなしに電話などかかってくるので朝寝はできない。


夫が一週間ロンドンへの修学旅行ツアーを担当していたんだけど、出発地からロンドンまでは約1000km。わたしはロンドンまでドイツからバスで行こうなんて思いつきもしませんが、案外イギリスへのバスツアーは多く出ていて、特に修学旅行の目的地としてとても人気がありますし、修学旅行となると、費用の面からもやはりバスが移動方法としては最適となるわけです。

イギリスまでの移動は、一人では運転できません。運転手は1日の運転時間は9時間までです。まあ色々と例外はあるけど、それを説明し出すと長くなるので割愛。

だから、たとえばロンドンまで我が家の近くからバスで行こうと思うと、最初の4時間ばかり、“Vorfahrer”と呼ばれる助っ人運転手が運転して、途中で御大、メインドライバーと交代するんですね。

帰路も然り。どこか途中で“Ablöser“(交代運転手)が乗り込んで運転を引き継ぎ、目的地まで送り届けるんです。

この交代要員勤務で、仕事開始が夜の22時の非常識な勤務時間となりました。

わたしは最近、Ablöserのお仕事が多く、ほとんどの場合、夫がメインドライバーなんですが、多くの場合は深夜か早朝に仕事開始になります。

夜仕事だから昼間に寝ておこうと思っても、寝れるもんじゃ無いですね。家の中の全ての場所が、片付けか掃除を必要としているし、事務仕事もあるしで、気になって気になって眠れない。

それに何時に交代するのか、どこで交代するのか前もってわからない。交通事情によって変わるので。

先日なんて、おそらくStuttgartあたりで交代と思っていたのですが、夫のバスが渋滞にはまり、Stuttgartまでは到底運転できないことがわかって、Pforzheimまで移動し、それでもダメでさらにKarlsruheまで移動して夫のバスを待ちました。寒いし眠いし、ほんと、辛い。しかしこれ、携帯電話が無かった頃はもっと大変だっただろうな。

そして長い待機時間の後、やっとバスが到着する頃はもうわたしは一仕事終えた気分ですが、実はここからが本番なんですよね。

多くの場合は、運転手交代時はトイレ休憩も兼ねているので、ゆっくりとシート調節なんかもできます。ドライバーカードもちゃんと交換して、法律を遵守している証拠を残します。

これは最初から二人体制で運転できれば話は簡単ですが、経費の関係でそれは到底許されない場合が多い。たとえば今回のロンドンツアーの場合、長時間ドライブは行き帰りだけで、ロンドン滞在中はほとんど走りこともなく、夫はハロッズを徘徊して優雅にケーキタイムなんかも楽しみ、フィッシュアンドチップスをあちこちで食べ比べするほど時間があったようですからね。次回はついていこうかなあ。わたしはロンドン滞在中の給料は要らないことにして。


運転手交代後は、ほとんどの場合、途中で休憩の必要のない4時間半以内で到着するので、今回もわたしは4時間弱走りっぱなしで、予定時間よりも早く到着しました。

巨大なダブルデッカーを小さな初老のオンナが運転して現れたので、お迎えの保護者は興味深々でわたしに注目してましたよ。これ、いつもそう。アジア人だからというのも絶対あると思う。


到着し、バスの中の忘れ物とゴミをチェックし、今度は進路を我が家に変えて出発です。これは気分が良いね。無事に目的地に学生を送り届けられた達成感と共に時間を気にせずリラックスして運転できるんだから。


バスを駐車場に置いて、我が家に帰ったらもう早朝の3時近くです。長い1日でした。



上は夫がロンドンのスーパーで買って、気に入っていくつかお土産で持ってきてくれたもの。レモン味のクリームが挟んであるビスケットだけど、これ、幼少期に好んで食べていた「ビスコ」にそっくりな味。娘たちも「ビスコ」覚えていて「なつかしーい」と騒ぎながら食べていました。

下はこれもロンドンお土産のスティルトンチーズ。りんごに乗せて食べるのが好き。


さんぼ