岡根:人生を深刻に受け止めない | SAトレーナーの目のつけドコロ!

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人生を前向きに生きる。

言葉で言うほど簡単なものではない。

 

深刻な問題にぶつかった時に

人はどう乗り越えていけばいいのか?

くじけたり心が折れたり

人間なんだからそんなことだってある。

 

私の大好きな映画の一つに

「ホテル ニューハンプシャー」という古い映画がある。

 



 

夢想家の父親を中心として8人の大家族の

悲しくもおかしい、奇妙で素敵な物語だ。

 

とにかくこの家族は問題だらけで、

長男はゲイで、長女は強姦に会い

二男は長女に恋をし、次女は成長できない病を患い・・・

 

さらに非日常的な災難や悲劇が次々に起こるのだが

「人生を深刻に受け止めない」という父親のポリシーが

映画を見る者に静かに魔法をかけていく。

 

ふりかかる不幸をガッツと根性で乗り越えるのではなく

吹く風に身を預け、たゆむことで強く生き延びる

竹林のようなしなやかな力がこの映画には宿っている。

 

そういえば昔こんなことがあった。

私は中学3年の時にサッカーの試合で目を怪我して

今でも左目の視力がほとんどないのだ。

 

当時はものすごく貧乏生活をしていて

病院に運ばれた時に手術代が50万円かかると聞いて

すかさず母親が私にこう言った。

 

「芳樹、50万だって!どうする?

まだ片方あるから別にいいよね!」

 

常識的に考えたら「えーーーー!」

なんてひどい親!と、思うだろうが

あまりにもあっけらかんと言われたので

私はついうっかり

「いいよ、いいよ、片方あれば充分だよ」

と言ってしまった。

 

嘘のようなほんとの話である。

 

そして本当に充分だった。

車の運転など多少の不便はあるが

おかげで運転を手放したので

自動車事故を起こす心配はないし

絵を描いて絵本作家にもなれた。

 

母親が深刻にならなかったので

私も平気でいられたのだと思う。

 

今思えば、むしろあの時に

母親がうろたえて泣き崩れていたら

私の人生はもっと暗かったかもしれない。

 

映画の台詞には続きがある。

「人生を深刻でないものにするのは至難の業である。

しかしそれは偉大な芸術だ」