「ぶどう畑で見る夢は」 こころみ学園の物語 | KIKIとウインドサーフィンとハワイ移住のブログ

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ウインドサーファーとして夢見ていたハワイでの長期滞在
KIKIの誕生で思わぬきっかけが舞い降りてきました
米国の教育を受けさせることを心に決め、ハワイ移住
家族、仕事、療育・・乗り越えなくてはならない障壁は
多くその試行錯誤を綴っていきます

ちょっとでも早く行かなきゃ

朝、5時半

季節が進んで、空は明るさが広がります


暖かさを期待したけど、玄関のドアを開けた途端冷気

強い北風で季節が後戻り


まだ静かな六本木の街をトボトボ


アメリカ大使館宿舎が見えてきました



今年もKIKIのサマーファンの申込

行列に参戦



ゲートにはセキュリティ一人


あれ

今日、申込の日だよなあ


独り言ちながら

坂に回り込んでみると



うわあ


その列、はるか氷川神社を超え、向こう側の下り坂まで



気絶・・







半ば予想した長蛇の列

本を持ってきました


友人の奥様が編集者として発刊されたできたてほやほや


献本いただきました



懐かしい著者名


小手鞠るいさん

その昔の、文芸誌「海燕」の新人賞受賞を思い出しました



その 小手鞠さんの上梓した

「ぶどう畑で見る夢は」


題材は なんと

こころみ学園の子供たちの物語



いくたびもメディアにも登場するこころみ学園


取り上げてもらえることで

知的障がいのある人たちが傍らに暮らしている

そのことに気付いてもらえます



また こうした単行本で素材になるなんて

嬉しかったり感謝したり


そしてなにより心強くなります







こころみ学園

その生徒たちが生み出す素晴らしいワイン

日本屈指のワイナリーです



学園だから 学校?


そうです

個性いっぱいの学校です


「こころみ学園には、勉強をするための教室はありません。机もいすもありません。授業もおこなわれていません。テストも宿題もありません。
せも、そうじは毎日します。せんたくもしますし、料理もつくります。
友達もたくさんいます。遠足にも出かけます。
ここでは、季節と大自然が教室。
日々の作業が、授業であり、テストであり、宿題でもあるのです。」


こんな学校

誰でも入りたい!ですよね


でも個性豊かな知的障がいのある子どもたちしか入れません


考えてみると

学び、働き、社会に価値を生み出し、自立する



机を並べて獲得する知見なんてほんの一部


この学園、本当に必要な社会知を学ぶ場です



アカデミックな分野で大活躍

はちょっと難しい知的障がいのある子どもたち

じゃ、割り切って、社会に価値を提供して自立

これを突き詰めると


この「こころみ」になったのかな





創設者の川田昇先生

その高い志は、全国の知的障がいの教育に関わる人たち、家族に大きな影響を与えています



何よりその思いを果断に実行しました

さらには素晴らしい成果


その言葉の重みは比類ありません


「物ばかりに恵まれた状況の中で、包み込まれるようにして生きていても、生きがいは生まれない。じぶんで勝ちとったものでなくては、ほんものにならない。楽な状況にどっぷりつかっているだけの人間が、幸せだとは思えない。」


厳しい自然の中で、手をかけ、労を惜しまず育てて初めて収穫というご褒美がもたらされます

その大変さと感動が人を育てるという学校です



その子供たちを見守るのは、長生きのぶどうの木



このビエイユ・ヴィーニュ(Vielle Vigne)が問わず語りを始めます

 

 






学園の四季の情景

語り口から こぼれんばかりに蘇ります



チームKIKI、こころみ学園を訪れたことがあります
2013年の5月だからも5年前

KIKIはまだ3歳


学校の施設内は外観しかみられませんでしたが、

事務局長佐井さんと長い時間会話できる機会がありました



川田先生の志は


自然の中での生活、生産の関わることでいきがいや人間形成を獲得すること



社会に付加価値を提供するなんて無理でしょ


知的障がい者に対するそんな予断を事実をもって変えてきました




こんなお話もしています



中には、会話も難しい障がい者


言葉ができなければ通じ合えない?

言葉ができなければ自分を表現できない?



「「ことばだけが、人間の表現手段ではない。自然の中で、人と人が助け合いながら作業をすることもまた。ひとつの表現なのだ」
川田先生はそう思いました。

・・・

こころみ学園の子どもたちの「ことば」は、ぶどうであり、しいたけです。働くことは「表現すること」であり、できあがったぶどうやしいたけは、子どもたちの「作品」なのです。」



KIKIを見ていると、このお話は痛いほど胸に迫ります


損得や競争

KIKIはまるで苦手です


でも


パン作りを手伝ったり、コーヒーを淹れたり

ちゃんとできます


その嬉しそうなこと

誇らしいこと



しかも


この子たちは、毎日同じことを同じ手順で繰り返すこと

素晴らしい才能を発揮します



いやだとか 飽きたとか


そんな感情の前に、


人が汗をかく、人が作り出す 


その本源的な意味をちゃんと生まれた時から理解しているのかな



だから 


大変だなあ


と思っても頑張る



そうしたら KIKIパパなんかより よほど人間として崇高です







こころみ学園



アメリカとの交流というダイナミックな活動も特徴です




きっかけは


荒天でぶどうの収穫が全くできなかったという事態



なんと


突撃で、カリフォルニア州ソノマのワイナリーに片っ端から供給を打診


その行動力 驚愕します



さらには


そんな突然の要請に応えるワイナリーがあったこと


これも びっくり




アメリカとの縁はさらに深まり




ワイナリーのコンサルティングに関わった世界的な醸造スペシャリスト


ブルース・ガットラブ




半年のつもりが、とうとう日本に移住



より良いワインを世に問いたいのが醸造家


だけど それだけで移住はしません


きっと こころも学園の子どもたちと共有する時間

そして そのひたむきさ



帰れなくなっちゃったようです



ココ・ワイナリーのワインを こころみ学園の子どもたちと世界的なレベルに押し上げました




本の終章には


290人もの生徒、スタッフ、父兄、OG/OBの陣容で大挙アメリカ旅行した時の

こんなエピソードがあります



「さまざまな人種、さまざまな民族が集まって暮らしているアメリカでは 人と人がちがうのは当たり前、という考え方を持っている人が多く、知的障害のある子どもたちに対しても、一方的につめたい視線を向けたりすることは、まずありません。
つめたい視線とは「あの子たちは、ふつうの子どもとはちがう」という拒絶や差別の目です。
ある母親は、川田先生にこんなことを言いました。
「先生、もう帰りたくなくなっちゃいました。アメリカに来てからは一度も、ふりかえって、じろりと見られたことがないんです。日本では、町を歩いているだけで、じろじろ見られるんですもの。それが親にとってどれくらいつらいことか・・・」


このお話、少し前のことです



障がい者の自立、障がい者への差別禁止


日本でも努力は始まっています



残念ながら、依然として障がい者の多くはは特別学級、特別養護、

そして授産施設と分断された環境で生きています




共生や共助


日本人にはできないのかな




変わっていることへの寛容度を変えていくのは大変そう

諦めたくはないけど




 

 

KIKIの生き方



いろいろな可能性を与えてあげたい


いつも考えています



KIKI ゆっくり育ってるけど ちょっと個性的だけど


おしゃれと ダンスと 愛と パパと ママが

大好きな女の子



どこにでもいる女の子





じろじろ 見る視線に善意はありません




フツーの女の子と同じように笑って、泣いて、みんな一緒


だからアメリカに来ました




川田先生と子どもたち、父兄の思いに触れたこの本





老木が軽やかに語る楽しい物語です


読みやすいのに


びっくりするような素敵なトピックスが散りばめられています




子どもたちと


そして


いっぱいの家族に届くといいなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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