こんにちは。

婚活から終活まで対応できるオワマルライフサポーターのManyuです。

 

出生前診断のインタビューについて、

数回に分けてシェアしています。

 

前回までの記事はこちら

命はいつから生命ですか?~始まりは一通のメルマガでした~

命はいつから生命ですか?~出生前診断のインタビュー①~

命はいつから生命ですか?~出生前診断のインタビュー②~

命はいつから生命ですか?~出生前診断のインタビュー③~

 

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名前の表記

上野美佐穂さん=み

Manyu=ま
 

 

:いまだに出生前診断の判断材料とされているのが

「重篤な障害」と書いてあるけど、

その重篤の定義の内容を聞くといまだに、

10年以上前から変わっていなくて変えたほうがいいと言っているんだけど、

「20歳までに寝たきりの状態になると想定される障害」。

 

つまり筋ジストロフィーなんかは20歳までに、

ほぼ全身の筋力が衰えて寝たきりになって、

人工呼吸器になるというのが、何十年前の想定。

 

今はもう、

人工呼吸器つけたら40歳でも50歳でも

(寝たきりにならずに)生きる。

なのに、いまだに(条件が昔のままで)残っている。

 

私だって3歳で死ぬと言われて45歳。

そんな想定なんてほぼ当たらない。

 

私たちが活動しているグループもほとんどが40代50代。

ほとんどが3~5歳くらいで死ぬと言われてきた人たち。

今はもう時代が違うし、

いくつになっても生きられる、方法がある。

そういうことが置き去りになっている。

 

 

:そうだね。

なんで定義が変わらないんだろうね。

 

建物の集合場所からしても、

身体状況の想定が全然違う。

迎える側は、車で来てストレッチャーだから、

広い出入り口のあるエレベーターが

必要だからと思って指定したけど、

みいちゃん達側は電車で行くから、

むしろそこは行きにくくて、

通常の出入口の方が行きやすかった。

 

 

:そう。地下にいくために

わざわざ途中でエレベーターを乗り換えて行った。

そういう想定が全然違う。

向こうも思い込み。

でもそれは知らないから。

 

「重度障害の方が来る」というだけで

「えらいこっちゃ」となる。

でも、そういう人たちが医療を進めているから、

そりゃあ世間の人たちは知らないことだらけ。

 

そういうなかで判断を迫られる。

いろいろ事情があるとは思う。

 

お金だけでなく、頼れる人、

サポーターがいないという環境とか、

いろんな事情の中で、障害のある子が生まれ、

育てられるか不安と言うのはよくわかる。

 

でも、産んだ後にフォローできる体制を

考えるのが先じゃないのと私たちは思う。

 

そういうのが整ったうえで判断を迫るならまだ分かるけど。

世の中どんな子どもが生まれても

みんな幸せになれるんだよ。

 

障害があるから不幸、

ないから幸せでなくて、

幸せか不幸かなんてその人の感覚で、

人によって違う。

世間では障害者を不幸を思っているかもしれないけど、

私たちは不幸なんて思っていない。

そのことが社会にはなかなか通じにくい

 

 

:そうだね、通じにくいと思う。

 

 

:接してみて、関わってみたら、

なんか全然平気じゃんみたいに思ってくれる人は多いけど、

そうじゃなければ、

やっぱり大変、かわいそう、不幸。

そういう感じだからね。

 

 

:移動の仕方一つとっても、

私も知らなかったことがある。

 

知的障害者施設に勤めていた時も、

重度のてんかんがある人が、

ご両親と飛行機に乗ってドイツに行ってきたよ、

というのを聞いて「すごいな」と思った。

でも、それがすごいことでなくなればいいなと思う。

 

他にも、お金をみんなで出し合って、

医師や看護師と一緒にグループで海外旅行に

毎年行っている人もいた。

そういう風にやりかたを考えながら出来るっていいなと思った。

 

ただ、その人たちは経済力があったからできた。

お金が無い人は出来ない。と言うのは違うと思う。

 

私は福祉の仕事を選んできたから

携わる機会があったけど、そうでなければ、

障害のある人と関わる機会が無い

 

学校も学級や学校が違って、離す環境にある。

そういう環境で育ってきた人たちに、

障害者のことを分かってほしい、

変えていこうというアプローチをしても難しい。

 

だからこそ、みんな一緒にいる世界を作らないと、

本当の意味で変えていくことは難しいよっていうのを何かで見た時に、

本当にそうだなと思った。

知らないから、何か怖い、

知らないから、何か不安。

 

それが出生前診断にもつながっている部分があると思う。

 

 

:出生前診断から話は反れるかもしれないけれど、

さっき「重篤な障害」の定義が変わっていないと

いう話があったじゃない?

 

ハンセン病の訴訟とか最近出ているけど、

ハンセン病の隔離政策も、

必要がないと分かってからも続いていたり、

優生保護法も当たり前のようにあったりしていたことが、

ここにもつながってくるように思える。

 

 

:そうだね。

 

 

:オワマルにもつながって来るけど、

私は赤ちゃんがほしいと思っているし、

出生前診断もいらないと思っている。

 

でも、もし(出生前診断を)するとしたら

みいちゃんがさっき言ってくれた情報収集のために、

どういう支援が必要か、

どんなサポートを受けられるのか、

どうやったら環境を整えられるかの時間を

作るために使うならいいと思う、と伝えたけれど、

旦那さんは「いやいやそうじゃないよ」っていう話になっている。

 

みいちゃんが言ってくれたように、

実際に出生前診断を受けた人もすごく悩んで迷って決断を出す。

 

少しスピリチュアルな話になってくるけど、

親を選んで生まれてくるということを考えると、

どういう決断をしたにせよ、

私がどういう決断を出すにしろ、

私のお腹に宿ったということは

私の決断も含めて宿ってくれていると思うから、

そう思ったら、選択することもどういう選択をするにしても、

少し気持ちに前向きなところが出てきて、

また妊活を頑張ろうと思えた。

 

そこを「さよならしちゃった」と傷を負う人もいるだろうし、

産んでみて「やっぱり大変だった」

と後悔している人もいるのかもしれないけれど、

そこもひっくるめて(親を選んで)生まれてきていると考えられたら、

バツな気持ちもマルに変えられないかな、と思うんだ。

 

 

:そうだね。

私の中で、はっきりしているのは、

判断材料というか選択の一つに

「障害者を生みたくない」という風にしてほしくないというのが、

ただただある。

 

それだけ、と言えばそれだけ。

そうだったらすごく悲しいな。

 

でも、それはその人にしかわからない事情だったり、

さっき言った色々な周りの状況もあるから、

私は妊婦さんを責めるつもりは全くないし、

出生前診断を受ける妊婦さんと戦う意思も全くない。

 

それは本人の苦渋の選択でしたことだから、

むしろ同じ気持ちというか・・・

 

なんだけど、

結局その周りの環境とか医療側のアプローチというものが、

どうなんだろうと思っている。

 

医療側は妊婦さんに責任を押し付けるような

言い方をするんだよね。

なんで妊婦さんが、

そういうつらい決断をしなきゃいけないのか

というところを考えていない。

 

中絶したり堕胎したりする妊婦さんを責めるつもりは全くないけど、

むしろそれを選ばなければならない社会の構造だったり情報だっ

たりシステムだったり、

そいういうアプローチが問題だよね。

 

だってそういう重圧が無い中で

選択が出来るなら一番いいじゃない。

 

「だってこれが私の生き方だから」とか、

それを選んだ自分をマルと出来ればいいと思う。

真由美ちゃんが言ったように。

 

でも結局、

決めるのが妊婦さんに全部委ねられるというところが、

すごく問題だなと思っている。

 

「いいんですね、

じゃあ、あなたが言うなら降ろしましょう。

廃棄しますね」

と言われたときの女性の気持ちは、

(私は)やったことないけど計り知れない。

自分が手放してしまったという重荷を

背負って生きていくというのは、相当辛いと思う。

そういうシステムにしちゃっているから。

 

ただ、一方で、

「障害者は産みたくない」と簡単に考えている人もいると思う。

特に若い世代には多いのかな。

40代50代でも今は子供を産める。

年齢層が高くなるとなかなか出来ない中では、

どんな子も受け入れたいという人は多いかもしれない。

今は、出産する年齢も高くなっているからね。

出生前診断は35歳からだったかな。

若い世代には特に慎重に考えてもらいたいなと思うんだ。

 

すごいサイトがあって、気持ち悪くて見られないんだけど、

リンク元は調べているけど、全然明らかにならない。

とにかく障害者批判がすごい。

障害者が生まれたらこんなにひどいというようなことが書いてある。

 

やまゆり園の事件じゃないけど、

植松容疑者のような優生思想の人って少なくないと思う。

そういうことも、こういうことに影響するよねと思う。

 

 

:やまゆり事件て3年前だっけ?すごい衝撃だった。

 

 

:うん。でもみんなあんまり覚えていないよね。

 

 

:テレビでも取り上げられていた。

年齢層が若くなればなるほど事件を覚えていない。

ただ、事件当時も若かったから見ていても

頭に入っていないんだと思う。

 

 

:そうだよね。

だから覚えていないんだと思う。

だって、戦後最悪のまれにみる殺人事件みたいに言われていたのに、

それなのに3年で忘れる?と思う。

 
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