先日のテレビで、
中村勘九郎の5才、3才の息子たちの
襲名に向けての一年を密着した
ドキュメントが放送されました。

『祝!中村屋ファミリー
  5才と3才兄弟の初舞台SP 』

小さな子供を舞台に立たせる為に、
家族一丸となり駆け抜けた1年の
ドキュメントは感動的でした。

その中で、私が注目したのは、
勘九郎の母、好江さんと、
妻の着物姿でした。

☆2月襲名公演、初日の着物姿


・母、好江さん(亡き勘三郎の妻)



白っぽい着物に、金銀の松が描かれた、
地味な訪問着です。



帯は、金銀の格調高い袋帯、
帯〆は、白の冠です。

白い着物に金銀の帯は、
明度差がほとんどないので、
帯だけが目立つ事なく、
上品なコーディネートです。

・妻愛さんの着物姿




義母、好江さんと同じ様な
白っぽい地に目立たない柄の訪問着です。

帯は、黒地の袋帯を合わせて、
白黒の明度差が大きく、
コントラストのはっきりした
コーディネートです。

(ロビーでお客様をお迎えする映像で、
 お二人の着物姿やお顔がボケてます。
 申し訳ありません。)

☆母の五つ紋色無地




映り方で色が違って見えますが、
同じ色無地です。

この日のコーディネートは、
濃いめの地色に、白い帯を合わせて、
コントラスト感を出し、
キリリとした印象です。



丁度2枚の写真の中間位が
本当の色だと思いますが、
濃いめの色無地だと、
胸の紋がくっきりと映えて、
それだけでアクセントになっています。

白っぽい帯にもあえて白い帯〆を
合わせています。


★お二人の着物コーディネート の特徴は。

① 着物は、目立たない柄たが、
    品が良い。

② 帯は格の高い袋帯を合わせる。

③ 帯〆は、白っぽい冠(ゆるぎ)組で  
    スッキリとする。

歌舞伎役者の妻として、
お客様より華美にならず、
しかしながら失礼にならない様にする
控え目な着物コーディネートです。


★ 母の好江さんは、
    歌舞伎役者の家に生まれ育ち、
    その後は、
    歌舞伎役者の妻としての長い人生が
   あらわれた様な、
    隙のない、完璧な着物姿でした。

   
★妻の愛さんは、
   女優から歌舞伎役者に嫁ぎ10年弱、
   二人のヤンチャな息子たちの
   初舞台を応援しながら
    2月の舞台には、着物で通い、
  さぞかし大変な毎日でしょう。

  でも、十数年後には、
  好江さんの様な立派な歌舞伎役者の妻と
  なっている事でしょう。