26日まで『雪舟伝説ー「画聖(カリスマ)」の誕生ー』展をやってます。
少しでも気になっているなら、行くべきです!
於:京都国立博物館
めっちゃ良かったー!
雪舟に心酔してきました。
雪舟って室町時代の水墨山水画家です。
後世の画家たちがこぞって“雪舟風”の絵を描いたので、実は私達は山水画ってこういうものっと雪舟スタイルを刷り込まれてたりする。
っというようなことも展覧会の中で解説されてます。
雪舟=国宝、みたいなイメージも漠然とあるけれど、実際6作品が国宝に指定されてるようです。
国宝6点全部が1室に集められ展示されていました。
その空間に立つ静かな高揚感は悦でありました。
そうとは知らず、帰宅して目録を見返して気がつきました。そういうことだったのか!
この感覚、体験した方が良いと思う!
『秋冬山水図』
絵が上手くなりたければ良い作品をたくさん観るべきだっと、17歳離れた姉が私が小学生のとき熱弁してくれました。
その言葉を今日ほど噛み締めたことはなかったかも。
一度に16作品も雪舟を鑑賞できたので、他の画家とは一線を画す特徴がよく把握できました。遠近技法、筆の勢い…、
『天橋立図』鳥瞰で宮津界隈の光景が的確に捉えられてる、空を飛べない時代なのに。。
空間を立体的に捉える感覚が卓越されてたんだろな。
岩を描く技法なんかはもはやキュビズム。
『秋冬山水図』の冬図なんか、山水画のピカソ(あるいはジョルジュ・ブラック)じゃないか!っと思えてきた。
鷹作も多く世に出回っていたようで、今では「伝雪舟筆」として区別されているそうです。
現在でこそ本物と並べて見比べることも可能だけれど、昔は名家の秘宝として表に出てくることもない。真偽を定める由もなく伝来されたのでしょう。
雪舟風の画に雪舟筆と入れて珍重がる。今でいえば偽ブランド品趣向でしょうか。
今昔、人の心理に変りなしかな。
たくさん雪舟画を鑑賞した後では、似せた画は見分けられるようになりました。
伝雪舟『富士美保清見寺図』
後世、この場所から多くの富士が描かれたようです。そんな作品も10点以上展示されてました。
連日ボランティアによるワークショップが開催されています。
さてどの富士が誰の作品か、作風から類推して作者を当てるゲームです。
ウンチクを知ると芸術鑑賞も楽しみ方の幅が広がります。
系統立てて鑑賞する意識のきっかけになるかも。
参加してみられてはいかがでしょうか♪
このコーナー、友人のお友だちが担当されるというので参加してきました。
一般人でも美術館で働くチャンスがあるってことを知れてモチベーション上昇中。やりたーい!
敷地内にカフェもあり重要文化財を眺めながら休憩を。
ボランティアで働くお友達を紹介すべく、更には私のねちっこい鑑賞に付き合ってくれた友人に深く感謝。
9時の開館から17時半の閉館まで棲みつくかのように過ごした1日。
ちょうど雨天だったので入場者も少なく、館内を自由に周遊できたので、何度も「真雪舟筆」の前に舞い戻り心ゆくまで鑑賞できました。
至福。
「一緒でなかったら、こんなに深くて根気強い鑑賞はできてなかったです。勉強になりました〜。」
っとLINEをくれた友人。
根気強い鑑賞(^◇^;) その表現、笑える
いやはや鑑賞は終わっておりませぬ。
復習して考察して、アウトプット(このブログ)までが私の鑑賞。
今回いちばんのお気に入りは、絶筆とされる『山水図』でした。
なんだか『モナ・リザ』の背景を思わせる遠景、孤高の松、登り詰めた先で展望が開ける山道。
次なる旅路が既に見えていたのかな(最期を悟ってたのかな)。
そんな空想をしながら観ていると絵の前から離れられませんでした。
どんな作家も遺作には特別な想いが乗っかってるように感じます。
26日まで開催されてます。