受注見込みを正確に行うためのもう一つの要素は「受注の確度」です。
この考え方を取り入れている人は多いとは思いますが、多くの場合とても感覚的です。
「受注できそうか?」「はい、大丈夫です。」的な会話が上司と部下の間であるだけで確度が決まっているのをよく見かけます。
これでは営業のキャラクターや上司のキャラクターで精度がまちまちになります。科学的とは言えません。
これまで私がお話ししてきた「阻害要因 - 四つの不」をここで活用します。
さらにそれをキーパーソンごとに把握していきます。
すべてのキーパーソンのすべての阻害要因をクリアーできれば確度は100%と言えます。
現時点で何がクリアーになっていないかを分析することによって確度を判定します。
だいたい5~6段階程度に分けるのが適当かと思いますが、これも進捗管理と同様、業種・業態・市場によってまちまちになります。
ここでは進捗管理と同じく私が経験してきたIT業界での例を簡単に示します。
Ⅰ キーパーソンの誰かの信頼を得ており、必要性を理解してもらっている。
Ⅱ キーパーソンの構成を把握しており、複数のキーパーソンの信頼を得ている。競合状況を把握している。
Ⅲ レコメンダー(上申者)の「不信」「不要」「不適」をクリアー、他のキーパーソンの阻害要因を把握しており、デシジョンメーカー(決定者)の信頼を得ている。
Ⅳ レコメンダーの阻害要因をすべてクリアー、他のキーパーソンのそれぞれの阻害要因の四つの内二つ以上クリアー
Ⅴ レコメンダーとデシジョンメーカーの阻害要因をクリアー、ユーザー(使用者)とインフルエンサー(影響者)のそれぞれの阻害要因の四つの内三つをクリアー
Ⅵ すべてのキーパーソンおすべての阻害要因をクリアー
運用にあたってはもっと細かく決めておく必要がありますが、ここではイメージを理解していただくために簡単に書きました。
進捗管理の項でも書いたように、管理者はこの基準に照らし合わせて営業の報告を吟味して、適切な指導や支援を行うようにします。
そしてこの進捗と確度の二つの要素の完了度合いによってコミット、チャレンジ、ストレッチを定義していきます。
それについては次回に。
参照:2014-02-09 購買の阻害要因 四つの不 (上) 「不信」、「不要」
参照:2014-02-10 購買の阻害要因 四つの不 (下) 「不適」、「不急」
参照:2014-04-10 4種類のキーパーソンを把握しよう
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