何週間か前から神社仏閣に油などをかける事件が発生しています。
それで思い出しました。
数年前に、ある有名な神社にセキュリティシステムを提案しようとした営業がいました。
相談を受けた私は、そのアイデアのユニークさ、面白さに動かされ、その提案活動をバックアップしました。
しかし、私自身が出向から帰任することになってしまいました。
その後どうなったのかを後々訊ねてみると、社内で支援が得られずとん挫してしまったそうです。
もしそのまま提案を続け、神社仏閣向けのセキュリティシステムが完成していれば最近の事件は起きなかった、あるいは犯人はすぐに逮捕され被害は最小限にとどめることができたのではないかと残念は気持ちです。
前回、「着想型」と「現実型」について書きました。
私の経験から言うと「現実型」を育てるのは比較的容易です。
でも「着想型」を育てるのにはなかなか難しいところがあります。
と言うか、決った育成手法があるならば、それはすでに「着想型」でなく「現実型」になってしまっているのかもしれません。
でも「着想型」を潰すのはた易いです。
ユニークなアイデアを否定すればいいのです。
先に書いた、神社仏閣のセキュリティシステムも周辺はそのアイデアに懐疑的で協力的ではありませんでした。
その結果、そのアイデアは潰されてしまいました。
営業の管理職にとっては、「着想型」の営業をいかに伸ばし、活用するかということは重要なことだと思います。
「現実型」ばかりですと当面の数字は上がりますが、将来的に発展には限界があります。
その中で「着想型」がいるとブレークスルーが可能です。
以前リスクについても書きましたが、若い時からリスクを取る訓練をしておかないと、管理職になった時にリスクを取ることができません。(2014-09-03 リスクと高飛び込み)
それと同様に若い内から新しいアイデアを出す訓練をしておかないと、管理職になった時にアイデアなど出てきません。
ユニークなアイデアがモノになるなど1割もないかもしれません。
しかし、若い内の失敗は被害も少ないものです。
管理職は若い人たちにユニークなアイデアを出させ、どのような場合に失敗するのか、失敗した際にどのようにリカバリーするのかを経験させることによって、「着想型」の人材を生み出すことができるのです。