多くの営業が犯す間違いと愚痴 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

ここまで、購買の阻害要因として「四つの不」すなわち「不信」、「不要」、「不適」、「不急」を、そして購買性向として三つすなわち「金銭的価値」、「信頼できるサプライヤー」、「革新のパートナー」について紹介してきました。
営業の基本の第一段階はまずこれくらいでいいと思います。

では実際に多くの営業がお客様の購買阻害要因や購買性向を把握して活動しているかを見てみましょう。

実績の上がらない営業の悩み・愚痴で最も多いと思われるのは、
「自社の価格が高くていつも他社に負ける。自分の努力で見積もりを出すところまでは漕ぎ着けるのだが、会社が値引きを認めてくれないから競争力がない。」
といったものです。

多くの営業の活動を見ていますとお客様不在で、自分の活動ステップをこなすことに一生懸命です。
よくあるステップとしては、電話で訪問のアポ取り、訪問、製品の説明、見積もり提出、価格交渉、といった感じです。
ここにはお客様の状況などを把握しようとする判断基準はありません。

以前購買性向の説明で述べたように「金銭的価値」を重視するお客様は合い見積もりを沢山とって価格交渉を行いますので、上にあげた活動ステップは意外と簡単に受け入れていただけます。営業はこれを自分の努力の結果だと思ってしまいがちですが、実はそういうお客様なのです。
そして実際に価格で他社に負けるということは、阻害要因が「不適」ということです。しかし多くの営業は最終的に断られるまで、阻害要因に気づいていません。もっと早く阻害要因に気づいていればまだ色々と打つ手はあったかもしれません。それで結局価格が高いから売れない、会社が悪いという風に思ってしまうわけです。
私に言わせればこれは「悩み」ではなく「単なる愚痴」です。やるべきことをやっていないことによる当然の結果です。前にも書きましたが「負けに不思議の負けなし」です。

このような営業は正しい理論を持っていないので同じ過ちを何度も犯します。そして会社に愛想を尽かして転職します。今度は低価格の商品を扱います。
ところが今度は価格が強みであると思いこみ、購買性向が「信頼できるサプライヤー」や「革新のパートナー」のお客様に価格の話ばかりして相手にされません。すると「自社の製品の機能が乏しい」だの「会社のサポート体制が悪い」などの愚痴をこぼします。
そうしてまた転職を続けます。

貴方の周りにそんな人はいませんか。
世の中を見ると、私は結構見かけます。そして残念だな、ちょっと勉強すればいいのに、と思ってしまいます。

(参照 2014-02-02 負けに不思議の負けなし )
(参照 2014-03-03 購買性向 「金銭的価値」 )