自分の一方的な思い込みでなく、お客様を理解することの大切さはお分かりいただけましたか。
傾聴した結果、お客様の購買性向や阻害要因は掴めた。いよいよ攻めるぞ! さあ、どうする?
と、思いますよね。
攻めに関してはもちろん定石のようなものはあります。
しかし、囲碁では「定石を覚えて二目弱くなり」という格言があります。
それは定石に囚われてしまって自由な発想ができなくなってしまうとことをたしなめているのです。
前回にも少し書きましたが、アポ取り、訪問、製品説明、価格交渉といったステップの形式にこだわってしまう営業あるいは管理職が多いのです。
サッカーで譬えると、守備は決った形で約束事をきっちり決めて皆がそのようにプレーすることが重要です。しかし攻撃の場合は、もちろん約束事も重要ですが、天才のとてつもない発想によるプレーが膠着した状況を崩します。俗に言う「ファンタジスタ」です。今なら、メッシやクリスチアーノ・ロナウド。昔ならマラドーナ、さらにさかのぼればペレといったところですか。
まずは自由な発想で考えてみてください。そういう経験を積んでいくと結局定石、すなわち決ったやり方の本質が分かってきます。
とはいえ自由な発想で考えるといっても簡単ではありません。
「学ぶ」という言葉は「まねぶ」という言葉から出来た言葉だそうで、「真似する」という意味だと何かの本で読んだことがあります。
まずは実績を上げた人のやり方を見て技を盗むことです。
世に多くの本が出ていますから、その中で「これは!」と思うものを盗んでみてください。
ただし、その時に注意してほしいのは、その技がどういう場合に有効か、すなわちどういった阻害要因で、どういった購買性向かということです。
これを間違えると効果はありません。サッカーで右側にラインがあるのに右に抜くフェイントをかけてラインを割ってしまうようなものではいけません。
次回は、「してやったり!」と自分で思った私の経験をご紹介します。