ご入居者様が昼食と夕食の間に、軽食をとっています。
実はこれ、介護上の工夫なんですよ。
重い認知症のご入居者様、食べたことを忘れ、お食事を要求することがしばしばあります。
そこでお食事がとれないと、精神的に不安定になってしまうので、お食事を小分けにして差し上げているんです。
それだけではありません。
召し上がっているお食事にも工夫がされています。
小さな一口サイズのお握りなんですね。
実はこのご入居者様、認知症のために、ご飯の認識ができないんです。
そのため、普通にご飯によそってお出しすると、召し上がらないんですよ。
職員が、スプーン等で食事介助をすれば召し上がって下さいますが、それをしていたら、せっかく正常に動く手の機能が衰えていってしまいます。
ご自分でできることは職員はできるだけお手伝いしないことは、介護の鉄則です。(守っていない介護施設も多々ありますが)
そこで、ご自分で召し上がって頂けるよう、工夫したのがこのお握りなんです。
お握りにすると、食べる物だと認識して下さるんですよ。
さらに、ふりかけをかけると、やり明確に認識して下さいます。
自ら手を伸ばして、お握りをとって、口に運び、召し上がって下さいます。
もちろん、このようにお握りを握るだけ、職員の手間は増えます。
お握りを握るよりは、職員が食事介助してしまった方が手間は少ないです。
お食事の時間も短縮できますしね。
でも、そうはしないんです。
可能な限り、ご自分で食べられるようにという願いを込めてお握りを作っているんですよ。
これが、私達の行う介護なんです。