新国立劇場バレエの「くるみ割り人形」は年末から年始の公演に向かいますが、米沢唯・渡邊峻郁ペアは28日の公演で出番コンプリートでした。9日間で4回登場というつめこみ日程で、無事見られてよかったんですがちょっと寂しい年末。
今年の峻郁さんのおっかけといえば、なんといってもロンドン公演でした。吉田都さんの、ロイヤル・バレエのさよなら公演以来、10年以上ぶりのコヴェント・ガーデンへ。
今だから言えるというか、ホテルが偶然、バレエ団の方たちと同じでした。気付かずにチェックインして、翌朝ロビーに出たらバレエ団のみなさまがいてびっくり。朝食会場で舞台の話をしているのが聞こえました。まじめそうでとても感じがよくて、その上男女とも美しい方ばかりでした。
カーテンコールの峻郁さんに、お友達と一緒にお花を差し入れたのも、いい思い出でした。花屋さんで大きな花束を買って、ロイヤルオペラの楽屋口の方にお願いしたら、ちゃんと舞台で渡してもらえるのですよね。舞台も素晴らしかったし、お花を持った峻郁さんがなんだかあわてていましたが、そんな様子を見るのもめったにできない経験でした。
年明けは、これが見納めになるとは知らなかったイーグリング版「くるみ割り人形」、そのあとの「バレエ・コフレ」は物凄いフォーサイスでした。「精密さのための目眩めくスリル」の超絶技巧が爆発してました。もともと演技力のある峻郁さんですが、この作品のあとは、表現をテクニックにのせるのがいっそう巧みになったのでは。
「ジゼル」はアルブレヒトの色悪なのが素敵で、「不思議の国のアリス」は、どうでもいい役になりがちなジャックで、きっちりキャラクターを描いてみせたのがさすがでした。踊りもよくて、クリストファー・ウィールドンの振付と相性がいいんですよね、たぶん。アリスのあとで作られた「冬物語」も見てみたいような気持が。あまり日本ではウケないでしょうけど、なにげに今の新国だと配役できそうじゃないでしょうか。
ロンドンの前の「YOUNG NBJ GALA2025」では福田圭吾さんの新作でマッドサイエンティストを。こういう役がとことんできるダンサーで容姿もぴったり、ってなかなかいないです。夏は「シェヘラザード」の再演もありました。木村優里さんと渡邊峻郁さんのコンビ的には、ジゼルから王妃と奴隷に、表現のスケールもひとまわり大きくなって、美しさもど迫力なレベルでした。
米沢唯さんとは、「シンデレラ」でシーズンの初日をかざって、「くるみ割り人形」も新制作のファーストキャストでした。端正なテクニックからいきなり冒険スタイルになったり、今面白いおふたりなのですよね。なにを踊ってもいいんですが、超コンテンポラリーで組むのが見たいかも。
「シンデレラ」は柴山紗帆さんとの舞台もきらめきの逸品でした。
ずっと安定の顔ぶれだった新国立劇場バレエ団が、ちょっとずつ動きはじめてきた一年でした。峻郁さんの踊る場面も、以前とは違うところになってくるのかも。
というわけで今年でかけた峻郁さんの舞台は34回でした。よい一年でした🥰




