おひさしぶりです。
サビ猫のくるみだよ。
ママとくらしはじめて
もうすぐ半年になるの。

ママとのくらしは
まいにち楽しくてしあわせで
あっというまだった!

岩手県にいたころの
つらくてかなしいくらしは
思い出さなくなってきたよ。


でもね、ママのおしごとが
いそがしくなって、
わたしはおうちにひとりで
おるすばんすることが
おおくなったの。
ママがかえってくるのがおそいと、
さびしくて、こわくて
わたしは、おるすばんが
だいきらい!
ママがおそくかえってくると
わたしはおこって、
ママが
『くるみちゃん、ただいま〜出ておいで』
って、わたしをよんでも
かくれてママにいじわるした。
おかえりなさい
してあげなかった。
それでもママはやさしくて、
『くるみちゃん良い子だからご褒美🎶』
っていって、
おやつをたくさんくれたの。
おやつのあとは、
いっぱいあそんでくれた。

わたし、ボールあそびできるんだよ!
すごいでしょ。
わたしは、やっぱりママがだいすき。


ある日、ママは
とってもぐあいがわるそうだった。
ママがあそんでくれなくて
わたしはつまらなかったけど
ママがかわいそうだから
おとなしくしてた。



しばらくして
ママはベットからでてきて
おでかけのしたくをはじめたんだ。
えっ!?
またおるすばんなの!?
わたしはいやだった。
せっかくおとなしくしてたのに。
ママはおしごとばっかり!

でも、その日はちょっとちがった。
ママが
『ママ、病院に行ってくるからね。
おるすばんお願いね』
って、わたしをナデナデしたの。
あ、びょういんなんだ。
びょういんはママがかえってくるの
はやいんだよ!
わたしは、ちょっとあんしんした。
ママはすぐかえってくると
おもってた。
なのに。
いくらまっても
ママはかえってこなかったの。


ゆうがたになって、
しらない人がやってきた。

『くるみちゃん、来たよ!おいで!』
ママの声じゃない。
ママのにおいじゃない。
わたしはおおいそぎで
おしいれにかくれた。

しらない人は、
わたしとママのおへやまで
はいってきた。

『くるみちゃん、ご飯とお水だよ。
おやつもあるよ〜』
しらない人が、わたしをよんだ。
見つかったらどうしようって、
すごくドキドキした。

あのしらない人はだれだろう?
わたしを岩手県に
つれもどしにきたのかな?
わたしはもう、ママとくらせないの?
また、まいにちぶたれて
どなられて
声もだせないまいにちに
ぎゃくもどりなの?

いやだいやだいやだいやだ
こわいこわいこわいこわい

しらない人は、
しばらくわたしをよんでいたけど
わたしをさがさずに
でていった。


どれくらいたっただろう?
だれのけはいもしない。

おなかがすいた·····

まだこわかったけど
わたしはしずかにおしいれから
でてみた。
ごはんも、おみずも、おやつもある。
でも、すぐにごはんのところには
いかないで、
ママのベットのしたにかくれて
ようすをうかがった。

だれもいない·····

わたしは、そーっと
ごはんのところまでいって
おおいそぎでごはんをたべた。
きんちょうしてたから
おみずがおいしい。
おやつもぜんぶたべた。
そしてまた、そーっと
おしいれにもどったんだ。

ママ、いつかえってくるんだろう·····
ママ、かえってくるよね?
ママがかえってきたら、
いじわるしないで
おかえり、っていわなきゃ·····

わたしはいつのまにか
ねむってしまっていたの。

もう、朝だ·····ママはいない·····

わたしはガッカリして
かなしくなった。
ママ·····わたしのこと
きらいになっちゃったのかな?

おしいれからでて、
トイレにいく。
トイレはきれいになってた。

トイレからでて
おしいれにもどると、

『くるみちゃん、来たよ!』
きのうのしらない人が
またきた!

しらない人は、
きのうみたいに
ごはんと、おみずと、おやつをよういして
トイレをかたずけてくれた。
そして

『くるみちゃん、またね!』
っていって、でていった。


しらない人は、
まいにちやってきた。
ごはんと、おみずと、おやつをよういして
トイレをかたずけて、でていく。

こわい人じゃないのかも·····

そうはおもったけど、
わたしがでていったら
つかまえるのかもしれない。
岩手県につれてかれちゃうのかも。
それはぜったいにいや。
わたしはママといっしょにいたい!
だから、わたしは
しらない人がきても
ぜったいにでていかなかった。

ママ·····かえってくるよね?
わたし、いいこで
おるすばんしてるから。
ママに、おかえりっていうから。


ママをまちつづけて
なんにちたったかな·····
ガチャガチャって、
だれかがおうちにはいってきた。

また、しらない人か·····

わたしはおしいれのなかで
からだをかたくした。
でも。

『くるみちゃーん!ただいま!ママだよ!』

ママの声!
ママのにおい!
ママだ!

わたしはおおいそぎで
おしいれからでて
げんかんまではしった。

とびらのむこうにママがいる!
わたしは、いっしょうけんめい
ママをよんだ。
とびらをあけて、ママが

『くるみちゃん!待たせてごめんね!』
っていいながらはいってきた。
わたしは、
ママおかえり!ママおかえり!
ってママにスリスリしながら
なんどもいった。
ママがわたしをだきあげる。

『くるみちゃん、ごめんねごめんね』
そういうママの目から、
おみずがいっぱいながれてた。

わたしはだっこされたのが
うれしくてうれしくて。
しぜんにのどがゴロゴロなって
ママのおかおにスリスリしたの。

『くるみちゃん、お留守番ありがとう。
くるみちゃんは世界一いい子だね』
ママはわたしをギュってした。


今日は、ひさしぶりに
ママがごはんをよういしてくれた。

わたしがごはんをたべていると、
ママがたちあがる。

えっ?
もしかして、またどこかに
いっちゃうの?
いやだよママ!!

わたしはいそいで
ママのあとをおいかけた。

『あれ?くるみちゃんご飯は?』
ママがとまった。

ごはんなんていいから!
ママ、どこにもいかないで!

わたしはひっしにさけんだ。

『大丈夫。もうどこにも行かないよ』
ママはごはんのところにもどった。

『大丈夫だから。ご飯食べて』
ママにいわれて、
わたしはごはんをたべたの。
ママがニコニコしながら、
ごはんをたべるわたしをみてる。

ママがどこにもいかないように、
わたしはいそいでごはんをたべた。

ごほうびって、おやつを
たくさんもらって、
わたしはすこしおちついたの。

ずっとでられなかった
ベランダに
ママがだしてくれたんだ。
さむいけど、おそとのくうきは
きもちがよかった。


ベランダであそんだあと、
なんだかセカセカと
うごくママをずっとおいかけて
どこにもいかないように
みはってた。


ママが、はぁーって
おおきくいきをはいて
すわったのをみて、
わたしもひさしぶりに
わたしのほんとうのいばしょに
すわったの。


キャットタワーのいちばんうえ。
ここはあったかくて
ママがよくみえるんだ。

ママがいないあいだ、
わたしはずーっとおしいれにいた。
ママがいないおへやはこわくて、
キャットタワーでも
ねられなかったの。
でも、もう大丈夫。ママがいる。


ママがいないあいだ、
さびしくて、かなしくて、こわかった。
もう、どこにもいかないで。
わたしをひとりぼっちにしないで。
おねがいね、だいすきなママ。


おわり。


 乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント乙女のトキメキオーナメント

昨日、押し入れの整理をしたら、
奥にしまってある羽根布団に
くるみちゃんが寝てたと思われる
まぁるい凹みがくっきりあって
あぁ、私がいない間、
くるみちゃんは押し入れで
寝起きしてたんだなって思いました。
そこから推察した、
くるみちゃんのひとり語りです。


くるみちゃんの過去とお迎えの経緯


よろしかったら、併せてお読み下さい。 

 

 

最後までお読み頂き
ありがとうございます。
長々と失礼しました┏○ペコ