【くるみちゃんのひとり語り①】

わたしはくるみ。
2歳の女の子。
わたしみたいなもようは
さび柄っていうんだって。


わたしは岩手県でうまれたの。
ここからずっと、とおいところ。


わたしは
3人きょうだいでうまれた。
生んでくれたママから
おっぱいたくさんもらって、
きょうだいとあそんで、
ずっとこのままだとおもってた。


でも、ある日わたしは
生んでくれたママとも
きょうだいとも、サヨナラした。


はじめて見るにんげんの
おばあさんに、
『今日からあたしがあんたのおかあさん。
ちゃんと言うこと聞くんだよ』
っていわれて、
おばあさんのおうちに
つれていかれた。


おかあさんは、やさしかった。
あんまりいっしょに
あそんだりはしてくれなかったけど、
ナデナデしてくれた。
ごはんもくれた。
わたしが外にでても
おこらなかった。
『おともだちつくってきな』
っていわれて、わたしは
ちょっとこわかったけど、
外であそぶようになった。


おともだちは、すぐにできた。
わたしは、外が大好きになった。


外にでるようになって、
からだがヘンになった。
なんかムズムズして、
男の子のおともだちに
あいたくてたまらなかった。


わたしは男の子のともだちに
あって、のっかられた。
いたかったけど、
ムズムズはおさまった。


でもまた、
わたしのからだはヘンになった。
体がおもい。おっぱいがいたい。
おなかの中に、なにかいるかんじがする。


わたしは、あかちゃんができたの。
おかあさんは、
大きくなったわたしのおなかを見て
『どうしたもんかねぇ』
って、いやそうなかおをした。


しばらくして、
わたしはくるしいおもいをして、
あかちゃんを5匹うんだ。
あかちゃんはかわいかった。


でも、あかちゃんは
すぐにおかあさんにとりあげられた。


おかあさんは、あかちゃんを
ふくろにいれて、
どこかにつれていってしまった。
あかちゃんは
にどとかえってこなかった。


おかあさんは
あかちゃんをうんだばかりの
わたしを、
びょういんってとこに
つれていった。


おかあさんは、
わたしが、もうあかちゃんを
うめないようにしてほしいって、
びょういんの人にいっていた。
でも、びょういんの人は
今はむり、っていった。


あかちゃんを生んだつぎの日。
わたしはおりに入れられた。
せまくてこわくて、
『だして』ってないた。



しばらくないていたら、
おりの外から、おかあさんが
ぼうでわたしをたたいた。
うるさいっていわれた。
なんどもないて、
なんどもたたかれて、
わたしはあきらめた。


ある日、おりからだされた。
うれしかったけど、
またびょういんに
つれていかれた。


きがついたら、
しらないところでねていた。
せまいおり。
ここはどこだろう·····?
おなかに白いものが
グルグルまきになってて、
おなかがいたかった。
わたしは、どうなるの?


つぎの日、
おかあさんがやってきた。
わたしはまた、
おかあさんのいえの
おりに入れられた。


おなかがいたくて、
うごけなかった。
ごはんもたべられなかった。


しらない男の人がきた。
わたしをみて、びっくりしてた。
おかあさんに、
わたしがケガしたのかってきいた。
おかあさんは、
ただのひにんしゅじゅつよ、
っていった。


しばらくたって、
男の人がまたきた。
わたしを、びょういんに
つれていった。
おかあさんがつれていった
びょういんとはちがうところ。
そのびょういんにいってから
おなかがいたいのはなおった。
白いグルグルもなくなった。


わたしは、おりのなかで
おとなしくしてたけど、
おかあさんは、わたしをぶった。


わたしは、たべたごはんを
はいてしまうようになった。
はくとぶたれた。
ぶたれるのはいやだったけど、
どうしても、はいてしまう。


おかあさんは
わたしがくさいといって、
おふろにいれた。
おふろはこわかった。
おみずもこわかったし、
おかあさんがつよい力で
わたしをおさえるので、
とてもいたかった。


こわくてこわくて、
はいてしまった。
すると、ひどくぶたれて、
なにがなんだかわからなくなった。
いたくてこわくて、
わたしはなんどもはいた。


おふろにはなんかいも
いれられて、
こわくてたまらなかった。


せまいおりの中で、
外であそんでいたころを
おもいだした。
わたしは、もうおりから
でられないのかな?


どのくらい、おりのなかで
すごしただろう。
おかあさんは、ねてることが
おおくなった。
おかあさんがねてるあいだは
ぶたれない。
それはうれしかったけど、
トイレはきたないし、
ごはんももらえなかった。


わたしはゆうきをだして
ないてみた。おかあさんは
めんどくさそうにおきた。


トイレをきれいにして、
ごはんをくれるたびに
大きなこえでおこられて、
ぶたれてこわかったけど
がまんした。


ある日、
『あんたをかうのは、もうむり。』
とつぜん、おかあさんがいった。
おりからだされて、
しゃしんをとられた。


かわいいかおをしろって
おかあさんにいわれたけど、
よくわからなかった。


それからしばらくして、
わたしは、まえにきた
男の人につれられて、
くるまというのりものに
ながくながくのせられた。


さいたま、
というところについた。
また、しらないところだ。


つれてこられたところには、
女の人がいた。
わたしをみると、うれしそうに、
『はじめまして、くるみちゃん。ママだよ』
っていって、わたしをだきあげた。


わたしはこわかった。
しらないばしょ、しらないひと。
女の人のうでのなかから
とびだして、かくれるばしょを
いっしょうけんめいさがした。


男の人は、もういなくて、
女の人が
『くるみちゃん、でておいで』
と、わたしをさがしていた。
こわくて、どきどきした。
みつかったら、
ぶたれるかもしれない。


ついに、女の人に見つかった。
わたしはこわくて、
シャーってした。
女の人は、とてもかなしそうな
かおで、わたしをみた。
でもぶたれなかった。


わたしはその日、
ごはんもたべなかったし、
トイレにもいかなかった。


つぎの日。
わたしがかくれてるばしょに
女の人がきた。
『くるみちゃん、こわくないよ』
そういって、そーっと
手をのばしてきた。
わたしはぶたれるとおもって、
ぎゅっと目をつぶった。
すると。


女の人は、とてもやさしく、
わたしのくびすじをなでた。
えっ·····
びっくりした。
なでてもらったのなんて、
どれだけまえだろう。
うれしくなって、
女の人の手にスリスリした。
女の人は、
『くるみちゃん、いい子ね』
って、なんどもいった。


その日、女の人がねてから、
そーっとトイレにいった。
ごはんもたべようとしたけど、
おいしくなさそうだった。
ごはんはたべずに、またかくれた。


次の日も女の人がきた。
この人はこわくない?
なでられて、とてもきもちよかった。
しぜんに、のどがゴロゴロなった。


わたしは、かくれたところから
でるときめた。
どきどきしたけど、
女の人はこわくない。だいじょうぶ。


ゆうきをだして、外にでた。
おなかがへってる。
ごはんのばしょにいくと、
きのうとはちがう、
おいしそうなにおいがした。
わたしは、むちゅうでたべた。
こんなにおいしいごはんは
はじめてたべた。


たべても、はかなかった。
女の人は
『たくさんたべてえらいね』
って、ニコニコしてた。
わたしは、またうれしくなった。

(続く)
くるみちゃんのひとり語りです。
思った以上に長くなりましたヽ(;▽;)ノ
中途半端でごめんなさい。
続きは明日書きまーす(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

今日のくるみちゃん可愛い…(*ΦωΦ)アハァ…♥


 

 

 

 

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