6月の区議会で出てきた議案の中に、区立デイサービスである高野台デイサービスの認知症対応型通所介護を廃止するという議案がありました。

 

高野台デイサービスは一般のデイサービスの定員が48名で登録人数が119名認知症対応型のデイサービスが定員10名で登録人数が14名。7月から改修工事のためいったん休止になります。

2025年4月に再開後、一般のデイサービスの定員を30名に減らして、空いたスペースに地域包括支援センターと街かどケアカフェを設置、認知症対応型デイサービスについてはこの休止の段階で廃止するというものです。

 

今まで一般デイ利用登録をしている119名のうち、6月中旬の段階で88名がほかのデイサービスの移行を希望し、

同じ法人の運営する豊玉南のデイサービス 31名

他の区立デイ 3名

そのほかの民間デイ 50名

認知症対応型 1名

検討中 3名

という状況だったそう。

 

また、認知症対応型の登録14名のうち

豊玉南 3名

民間の一般デイ 2名

認知症対応型 8名

在宅で介護が 1名。

 

 

ここで、それぞれのデイサービスの説明を少し書きます。

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施し、一般のデイサービスと地域密着型の違いは定員数です。職員配置基準などは同じ。

認知症対応型の場合は、管理者に研修を求めたり、職員配置が手厚いなどの違いがあります。

〇一般のデイサービス:定員が19人以上のデイサービス

〇地域密着型:定員が18人以下(要支援の場合利用不可)

〇認知症対応型:定員が12人以下

認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう支援する。管理者が専門の研修を受けている必要がある。

 

 

(社会保障審議会 介護給付費分科会2020年7月20日資料1より)

 

 


上の表は事業所数の推移ですが、練馬区が発行している「ねりまの介護保険」や「ねりまの福祉」という冊子を過去に遡ってかとうぎが調べました。(定員19名以下の受け入れである小規模なデイサービスが地域密着型と位置付けられたのが2016年からなので、それ以前と以後でカウントのしかたが少し変わっています)

 

これより以前のものを見つけられませんでしたが、私が議員になった頃(2007年)から、練馬区だけではなく高齢者のデイサービスは多くなっていたように記憶しています。私が議員になる前、デイサービスで働いていて、数が多いから運営が大変だなと思った記憶がありますので。

しかしこの5年ほど、減少傾向にあるのが見てとれます。特に地域密着型と認知症対応型という少人数のデイサービスが減る傾向にあります。もともと競争が激しかったところにコロナ禍での利用控えで運営が厳しかったところも多いのではないでしょうか。

 

  

こちらは先ほどもご紹介した社会保障審議会の資料で、地域密着型通所介護や認知症対応型通所介護が減少傾向なのは全国的に見ても同様といえます。

 

 

区立のデイサービスは現在8か所あります。

「区立デイサービスができたのは介護保険ができる前後の頃で、介護保険開始時は区立を含めデイサービスが20しかなく、利用したくてもしづらい状況の中増やしてきた経緯がある。現在は認知症の人が利用できるサービスの選択肢も、小規模多機能型(15か所)看護小規模多機能型居宅介護(8か所)やグループホーム(39か所)など増えてきており、一般のデイサービスでも認知症の人や介護の度合いが重い人を受け入れた場合の報酬加算などもできて、従来区立が果たしてきた役割も終わりつつあるから、今後区立デイサービスは順次廃止する」というのが区の考え方です。

 

重度の人への対応や認知症への対応、コロナ禍で求められたきめ細かな対応などは、民間でも同様に対応してきている状況の中、私は、区立のデイサービスが役割を終えて閉じていくことは仕方ない面もあるのではないかと、基本的には思っています。

 

でも特に認知症対応型についてはどうだろうか。

高齢者人口、要介護認定者の人口も増えているにもかかわらず、認知症対応型は民間でも減少傾向にある。利用率は5割程度。その理由を問うたところ、「一般のデイサービスよりも高いために利用者負担額が大きい」「認知症という名称がついていることから本人・家族に抵抗感がある場合もある」という答弁がありました。それは確かにあるとは思いますが、だからといって利用が少ないから減らすということではなく、まずは少人数で手厚く専門的な対応をすることのできる認知症対応型デイサービスの良さを啓発し、活かしていく取り組みを区が率先して行うことが必要なのではないかと感じました。

 

あと、私は、このところ小規模なデイサービスが減っていることは憂慮することと考えています。

どんな場だったら自分が自分らしくいられるか、というのは、人によって様々だと思います。40名以上など、たくさんの人がいて、その中でいろんな人と友人になったりお話できたり交流することが楽しいという人もいるでしょうし、少人数でじっくり関係性を作るほうが良い人もいるでしょう。

例えば私などはあんまり人数が多いのは得意でなくて、あまり話せずしょぼんとしてしまうので、学校のクラスで友達を作るのが苦手で、卒業して再会して個々にお話しできてやっと友達になるということが多いので、高齢者になってデイサービスに行くなら少人数が良いと思っているんですが。私が働いていたデイサービスも少人数のデイサービスだったので、例えば視覚障害がある人に対して配慮した声かけをしたり、利用者同士でも気配りし合ったりすることができていました。個別性の高い支援をするには少人数のほうがしやすいという面があると思います。

 

区は、小規模多機能型などの選択肢も増えていると言います。たしかに小規模多機能は、泊まり、通い、ヘルパーを同じ事業所で利用できるので、認知症の人にとっては安心して使いやすいと言えると思います。さらに看護小規模多機能型なら看護師の支援もあります。しかし、これも利用率が上がらないのが課題で、改めて利用率を聞いたら、なんと認知症対応型と同程度の5割程度だというのです。これでは、代替サービスが充実したとはいえない。むしろ、認知症の人は増えているのに、本来適しているサービスにつながれていない人が多いと考えられるのではないでしょうか。

 

また、グループホームも代替サービスのように説明していましたが、デイサービスと小規模多機能は通所系(つまり、自宅から通って利用するサービス)だけどグループホームは居住系(つまり自宅から住み替えるサービス)で、どちらかがあれば良いということではなく、本人・家族の主体的な選択によって選ぶものなのだから、グループホームが増えればデイサービスは要らないというわけではないので、なぜ並べたのかなと思いました。

 

こうして考えると、高齢者も増え、介護が必要な人、特に認知症の人が増える中で、認知症対応型デイサービスは残すべき。例えば改修が終わった後に、定員を減らしてでも一般デイと併設させる形での認知症対応型を残すべきだったのではないかと思います。

 

今回の議案を検討する中で、区立だからと一律に廃止と決めるのではなく、その果たしてきた役割や事業の持つ性格を考慮した対応をすべきであると思いましたので、この議案には反対をしました。

一般質問の報告の最後は、男女共同参画についてです。

今年度から「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行され、東京都の計画も策定されて、練馬区では来年度に向けて男女共同参画計画の中に新法に基づく計画も位置付けることになります。今年度はそのための具体的な議論が始まりますので、どのように進めるか、また男女共同参画計画に盛り込むべき課題を指摘しました。

 

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(かとうぎ桜子)

男女共同参画計画について質問します。

来年度(2025年度)の男女共同参画計画の策定に向け、2月に「人権・男女共同参画に関する意識と労働実態調査」、3月に練馬区男女共同参画推進懇談会からの意見が出ています。それに基づき区の考えを質問します。

 

まず、男女平等の考え方について伺います。

実態調査によれば、社会全体、社会通念・慣習などについては、特に男性優位と考える人が多い状態が続いています。また、意識の男女差もあり、女性のほうが、「男性優位である」と考えている割合が多くなっている現状ですが、これを区はどのように捉え、改善に向けて区としてどのような取り組みをするかをお聞きします。

 

次に外国籍住民への支援について伺います。予算特別委員会で、外国籍住民の相談について、DV被害だけではなく、女性の生きづらさの観点からの相談体制を検討すべきではないかと指摘しました。現在練馬区が行っている外国人相談は、生活全般、手続き的なことなどあらゆる相談を受けていて女性支援の観点では行われていないですし、一方で男女共同参画課で把握している外国籍住民からの相談はDVに関することが中心です。次期男女共同参画計画の策定に向け、男女共同参画の観点からの外国籍住民の支援を積極的に検討すべきと考えますが、見解をお聞きします。

 

次に、困難な問題を抱える女性の支援について伺います。次期の男女共同参画計画には、初めて、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に基づいた計画も位置付けられます。練馬区では特に若年女性の支援に力を入れるとのことですが、若年女性の居場所づくりについては今年度どのように検討を進めていくのかを伺います。

母子生活支援施設の指定管理者の選定の際、団体から、困難な問題を抱える女性への支援についての提案がありますが、この団体に事業を実施していただく、あるいはノウハウを提供していただくなど、福祉と男女共同参画との連携での協議を今後どのように進めていくのかを伺います。

 

また居場所作りでは、そこに行けば話ができる、過ごせる、相談を受けられるということだけではなく、例えば食べられる、生活に必要なものが得られるなどが足を運びやすくなるきっかけとして重要であると考えますが、どのような場を作るかについての支援団体からの意見聴取などはどのように進めるか、考えをお聞きします。

 

地域にある課題を顕在化させ、どんな生活課題を抱える人も安心して暮らし続けられる練馬区の実現させることを求め、一般質問を終わります。 

 

(総務部長)

第6次計画の策定にあたり、本年2月に「人権・男女共同参画に関する意識と労働実態調査」を実施しました。「男は仕事、女は家庭」という考え方について、「そう思わない」と答えた区民が約8割である一方、「社会全体では、男性の方が優遇されている」と感じる区民の割合も約8割であり、意識と現実に乖離が見られます。性別による固定的な役割分担意識に基づく社会制度や慣行の解消に向け、引き続き、家庭・職場等における男女平等意識の形成のためのイベント開催をはじめ、区報や区公式SNS等を活用した情報発信など事業内容を工夫しながら啓発に取り組んでまいります。

 

次に、外国人住民への支援についてです。

令和2年3月に実施した外国人住民アンケートでは、生活上の困った経験は、「制度の仕組みが分かりづらい」という意見が最も多くなっています。区では、外国語相談窓口で、区の行政手続きや事業等の案内のほか日常生活における様々な相談に応じており、昨年度は約2900件の相談を受けました。 人権・男女共同参画課、男女共同参画センターえーる、4か所の総合福祉事務所からなる配偶者暴力相談支援センターでは、外国人女性から昨年度 164件の相談を受け付け、DVや生活困窮など、相談者の抱える課題に応じて、連携した支援を行っています。引き続き、外国人住民の状況等を踏まえながら、相談体制の充実に努めてまいります。

 

次に、困難な問題を抱える女性への支援についてです。

「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は、性的な被害や家庭の状況などにより社会生活を営むうえで困難な問題を抱える女性を支援するため、令和4年5月に制定され、本年4月に施行されました。今年度、困難な問題を抱える女性が、それぞれの意思が尊重されながら最適な支援を受けられるようにするため、困難女性支援に関する基本計画を策定します。

 

計画策定に向け、令和4(2022)年度から、福祉部とともに、母子生活の指定管理者や区内にある女性自立支援施設の運営事業者、女性支援を行う民間団体などと若年女性向けの居場所事業を含めた必要な支援について意見交換を行っています。また、昨年度は、DV被害者等の支援を行う民間団体等のヒアリング調査を実施しました。

 

この計画を含む第6次男女共同参画計画の策定にあたっては、学識経験者や公募区民等で構成される男女共同参画推進懇談会の意見を伺いながら、関係機関や民間団体と連携した支援調整機能の強化や居場所事業等の実施を検討してまいります。

介護についての質問、2つ目はヤングケアラー支援についてです。

 

ヤングケアラー支援については昨年の一般質問でも、そもそも社会のありようとして、介護を家族頼みにしていることがこども・若者に及んでいるのではないかという観点で質問しましたが、今回は、区の支援体制を具体的にどのように整備していくかについて聞きました。

 

(かとうぎ桜子)

ヤングケアラー支援についてお聞きします。

以前の議会で、「ヤングケアラーチェックシートにより回答した子ども一人一人に担任が聞き取りを行うとともに、学校内で情報共有や見守り支援を行っている」という答弁がありましたが、ヤングケアラーチェックシートは具体的にどのような形で活用し、その後に生かしているのかをまずお聞きします。
 また、今年度、子ども家庭支援センターにヤングケアラーコーディネーターを配置し、福祉、教育、子育て等の関係者との情報共有や支援の調整を行うということですが、例えばケアを必要としている家族や、一緒にケアを担っている家族の支援、家族関係の調整など、こどものことに限らない家族全体の課題への支援、つまりケアマネや地域包括支援センター、保健相談所等との調整、役割分担も必要になります。分野を横断した連携はどのように行うのか、考え方をお聞きします。

東京都が2023年3月に出した「ヤングケアラー支援マニュアル」ではヤングケアラー支援に対して市区町村が取る体制やヤングケアラーコーディネーターに求められる役割、支援にあたっての課題などが挙げられていますので、その中から質問します。

まず、こども家庭支援センターが支援の核となった場合の課題として、児童福祉の観点での対象者は18歳未満である点が挙げられています。練馬区としては、ヤングケアラーの当事者が18歳以上になった時の支援の継続についてはどのように実施していくのか、見解をお聞きします

ヤングケアラーコーディネーターは、こども家庭支援センターの相談員が担うということですが、こども・家族双方の意見を尊重し、こども分野に限らない様々な社会資源の活用方法を知っていてつながりを持っていけることが必要です。例えば家族がいるからとヘルパーの生活援助を使えていない状態にないかなど既存の制度の活用の検討と、足りない場合にどのような支援を新たに区として行っていくべきかの整理をして政策につなげるなども必要であり、経験・知識が求められる立場です。ヤングケアラーコーディネーターとなる人の選定の基準はどのようなものか、また継続した資質向上についてどのように取り組んでいくのか、見解をお聞きします。

また、ヤングケアラーに関わる多様な機関が、ヤングケアラーの存在に気付いたときに支援につなげる必要もあることから、学校・学童クラブ・介護・障害福祉・生活困窮者支援・医療など様々な分野の、民間事業所も含めた周知が必要ですが、区がヤングケアラー支援のとりくみをしていることや支援者の立場でヤングケアラーの存在に気づいたときの相談先の周知はどのように行っているかをお聞きします。

 

(教育長)

私から、ヤングケアラーの支援についてお答えします。

区では、福祉・教育・子育て等の関係機関の連携の下に、家庭の状況により、支援が必要な子どもを早期に発見し、個々のケースに応じたきめ細かな支援に取り組んでいます。

 

区立小中学校では全児童生徒を対象に年3回行っている「ふれあい調査アンケート」で、家族のことなどに困りごとがあると回答した児童生徒に面談を行い、ヤングケアラーチェックシートを作成しています。各校の管理職、関係教職員、特別支援教育コーディネーター等で構成する校内委員会において、このシートの内容を確認し、 ヤングケアラーの可能性があると判断した場合には、子ども家庭支援センターと情報共有しています。

また、センターでは、児童福祉等に関わる関係機関で構成する要保護児童地域対策協議会において、情報共有や調整を図り、支援方針を決定しています。

区では、地域包括支援センターや障害福祉サービス事業者等と区との、事業者連絡会などで、シートの活用を促すとともに、子どもや家庭の状況に応じて、子ども家庭支援センターへ連絡するよう周知を図っています。

今後とも、高齢、福祉等の関係事業者への周知の充実に取り組んでまいります。

 

(こども家庭部長)

私から、ヤングケアラー支援についてお答えします。

ヤングケアラーが抱える課題は多様であり、子どもや家庭の状況に応じた支援を行う必要があります。

子ども家庭支援センターでは、学校や地域包括支援センター、障害福祉サービス事業者等と連携して、ヤングケアラーチェックシートを活用し、早期発見に取り組んでいます。把握した子どもや家庭に対しては、児童福祉等に関わる関係機関で構成する要保護児童対策地域協議会において、情報共有や調整を図り、支援方針を決定しています。

支援にあたっては、子どもが担っている負担を軽減するため、ホームヘルプやショートステイのほか、学習支援・居場所事業、区に登録した民間事業者による見守り配食の利用など、家庭の状況に応じたきめ細かな支援につなげています。

また、18歳以上でも、福祉事務所、保健相談所などと連携し、家庭の状況に応じて、福祉サービス等につなぐなど切れ目のない支援を行っています。

今年度から、子ども家庭支援センターに、4地域ごとに1名のヤングケアラーコーディネーターを配置しました。

コーディネーターは、福祉や保健等の専門職である児童相談係長が担い、教育、福祉、保健等の関係機関との情報共有や支援の調整を行っています。 東京都が実施する研修に参加するなど、資質の向上に取り組んでいます。

引き続き、教育、福祉、保健など関係部署が連携しながら、子どもや家庭の状況に応じたヤングケアラー支援を充実してまいります。

介護に関する質問の一つ目は、身寄りのない人への支援からつながる部分もありますが、ケアマネの業務がかなり広範にわたっていることなどの課題です。介護が必要な人の、介護以外の様々な生活課題をだれが支えるのか、ということが明確でない中で、本来ケアマネがやる業務とされてはいないことまでケアマネが担い、負担が増加し、それがケアマネの人材確保の困難さの一因になっているという課題です。

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(かとうぎ桜子)

ケアマネの業務の課題と人材育成についてお聞きします。

 

先の質問の中で、救急搬送時にケアマネが救急車に同乗するなどの対応をしていることがあると述べましたが、それ以外にも、様々な生活課題についてケアマネが対応しているケースが多く、今年度、国で実施されている「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中でも、ケアマネの業務外の仕事について取り上げられています。

「緊急性があってやむを得ず対応した」「緊急性はなくてもほかに対応できるところがなかった」ということで通常業務の範囲を超える対応をしている事業所が多いことが見えてきます。

 

ケアマネの人材不足が課題になっていますが、ケアマネの業務の整理、また対応したことについて加算などの形で対価が得られるなど支援業務が評価されるしくみを作ることも必要ではないかと考えます。そこで、「保険外サービス活用推進に関する調査研究」報告書および「地域包括ケアシステムにおけるケアマネジメントのあり方に関する調査研究事業」報告書に挙げられているケアマネが行っている業務について質問します。

 

調査結果によれば、例えば、介護保険の関係以外での役所などの公的機関での手続きの代行・支援、入退院の手続き、入退院に伴う必要品の手配、介護保険サービス等が利用できなかった場合の通院の付き添いなどの要望を受けたことのある割合が高く、特に遠方に行ったり時間がかかることへの対応や金銭管理などのお金に関わることへの負担感は大きいようです

 

一方で、それらの業務を通常業務の範囲内と捉えているかどうかは、ケアマネと比べ保険者のほうが、通常業務内と捉える割合が高い傾向があるようです。何がケアマネのすべき仕事なのか、その範囲を超えるのかという整理と共通認識を作ることが必要な現状にあって、先に挙げた報告書の中でも「業務範囲を超えた業務の整理」の検証もおこなわれています。また、新規のケアマネの確保が困難になっている理由の一つに、業務範囲の広さがあるという回答も過半数を超えています。

このようにケアマネが多岐にわたる相談や支援を行っている実態を区としてどのように把握しているか、またそれに対する区の見解をお聞きします。

 

「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の資料によれば、特に居宅介護支援を中心に、ケアマネの数が減少傾向にあります。ケアマネの受験資格の見直しや、管理者要件の見直しなども影響しているようです。福祉従事者の資質向上は必要ですが、担い手の確保が十分にできないという問題が解決していない中で要件を厳しくすることでさらに担い手が減少しているのではないかと考えざるを得ません。事態の改善に向け、国が検討を進めるべき様々な課題がある中ですが、区としては当面、ケアマネの人材育成・確保についてどのように取り組んでいくか、考えをお聞きします。

 

業務外の依頼をされるケースもあると聞いている。ケアマネの役割を区民に周知。人材確保・育成は、資格取得費用助成、研修、イベント等を行っている。

(福祉部長)

区は、ケアマネジャーをはじめとした介護職員と定期的に意見交換する機会を設けています。

ケアマネジャーからは、ケアプラン作成や入退院の調整などの幅広い相談に加え、公共料金の手続代行など業務外の依頼をされるケースもあると聞いています。

 区は、ケアマネジャーの役割について、利用者や家族へ理解を広げるため、介護保険のパンフレット等を通じて周知しています。 

現在、国はケアマネジャーの役割や業務の範囲等について検討を進めており、区はその動向を注視してまいります。

 

ケアマネジャーを確保し区内就労を促進するため、今年度から資格取得費用助成を開始します。これに合わせ練馬福祉人材育成・研修センターにおいて、新たに受験対策講座と相談スキルの向上を目指す研修を実施します。

また、ケアマネジャーで構成する区内団体と連携し、資格取得を目指す方や資格はあるが働いていない方を対象に、仕事のやりがいや練馬区で働くことの魅力を伝え、 求人情報を提供するイベント「ケアマネやるなら練馬区で」を開催しています。

引き続き、関係団体と連携し、ケアマネジャーの確保・育成・定着を図ってまいります。

身寄りのない人への支援に対する質問の最後は、亡くなった時の対応についてです。あと、なかなか行政としてのかかわりが難しいということだったので質問にはしなかったのですが、身寄りがないけどお友達が最後のお別れをしたい場合はどう対応できるのか、ということも課題だと思っています。

それから、区長からの答弁が、私が質問したこととあまり関係ないことを言っているので、どこに書いたらいいか分からず。ここに書いておきます。

 

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(かとうぎ桜子)

身寄りがない人が亡くなった時、生活保護を利用している人であればその葬祭扶助、それ以外の場合は墓地埋葬法に基づいて区が対応することになります。

 

まず、身寄りがない人が亡くなって、例えば入院していた病院からの連絡があったときに、ご遺体や遺品の引き取りはどのように行い、火葬の手続きや親族の調査などをどのように実施しているか、また、住んでいた家の整理や家財の処理などはだれがどのように実施しているのか、現状をお聞きします。

 

身寄りのない人が増加する中、亡くなった時のご遺体の安置期間など、自治体が対応に苦慮しているという報道もありますが、遺体の安置や遺品の管理などにどのような課題があるのかをお聞きします。

 

 

民間のアパートに入居していて亡くなった場合、その家財の整理は大家さんに負担がかかる部分もあると思います。それが大家さんにとって身寄りのない人を入居させることへの負担感になり、単身で福祉的ケアが必要な人の住まい確保に困難が生じる結果にもつながります。身寄りのない人の住まいの支援と大家さんへの支援について区の見解をお聞きします。

 

これらの対応は、自治体の判断による部分も大きいと聞きます。質問の冒頭にも申し上げたように、年々対応件数が増えている中、全国共通の明確なルールを定めることを国に求めるべきではないかと考えますが、区の見解をお聞きします。

 

また、横須賀市では生活困窮の状態にあり、身寄りのない人が葬儀の生前契約をし、費用も預かるというしくみを作っています。このようなしくみも検討する必要があるのではないかと考えますが、区の見解をお聞きします。

 

体調を崩したり介護が必要になったり、高齢になった時にも安心して暮らし続けられる練馬区を実現するために、身寄りのない人への支援の充実を求め、次の質問に移ります。

 

(区長)

お答えいたします。福祉施策についてです。

ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加、障害者の高齢化と重度化、医療的ケアが必要な障害者の増加が大きな課題となっています。

また、医療・介護サービスの手続きや死後の家財・遺品の処分に対する支援が必要な方も増加しています。

本人の意思や課題に応じて、一人ひとりに寄り添い、丁寧に支援していくことが必要です。

区長就任以降、地域包括ケアシステムの構築を基本としながら、重度障害者グループホーム、街かどケアカフェの整備、成年後見制度の利用促進など、様々な施策を積み重ねています。誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、区民や事業者との協働によるサービスの充実に取り組んでまいります。

 

(福祉部長)

亡くなった方への対応についてです。

区は、区内の自宅や病院等で亡くなった方で、火葬などを行う方がいない場合、 「墓地、埋葬等に関する法律」 や 「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、警察・病院・葬儀事業者などと連携し、火葬や遺留金品の保管などを行っています。

 

ご遺体は、区と契約した葬儀事業者が火葬して遺骨を保管し、遺留金品は、区が保管します。区は 3親等以内の親族調査をして、該当者へ遺骨や遺留金品の受領等の意思確認を行い、引き渡しています。

 

引き取る方がいない遺骨や遺留金品の保管期間や管理方法などについては、墓地埋葬法や行旅法において統一的な規定がないため、自治体間で対応にバラつきがあります。高齢化の進展に伴い区が対応する件数が増加しており、区は、遺留金の取扱いについて、国の責任と負担において早急に制度を整備するよう、全国市長会を通じ、既に国に要望しています。

今年度、国は、各自治体に対し、親族調査や火葬・埋葬の手続き、遺骨の保管状況などに関する実態調査を行う予定です。調査に合わせて、更に要望してまいります。

 

家の整理や家財の処理については、持ち家の方の場合、区が資産状況に応じて、家庭裁判所へ相続財産清算人の選任申立てを行い、清算人が対応します。 賃貸借物件の場合は、家主などが行います。

不動産団体と福祉関係団体などで構成する居住支援協議会では、これまでも、家主の不安感を解消する対策について、意見交換をしてきました。

区は、家主に対し、高齢者在宅生活あんしん事業の緊急通報システムや遺品整理・特殊清掃を行うあんしん居住制度を周知するなどの支援を行っています。

居住支援協議会のご意見や他の自治体の取組など踏まえ、支援の充実を検討してまいります。