夏糸は結構重い | 佐倉編物研究所 公式ブログ

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春夏の編物は、ウェアものだったらサラッと軽く身に着けたいものです。

春夏のウェアだったら、多くがノースリーブだったり半袖、フレンチスリーブだったり、編み地の面積が小さくできています。

また、編み地も透きが多かったりして、それが軽やかな感じを演出していたりします。

 

ただ、特にコットンを主体とする糸で春夏物を編んだことがある人なら経験的にわかるかと思いますが、面積を小さく、スケスケな感じで編んだはずなのに、思ったよりも重さがあるってことがよくありませんか?

これを、たとえば同じ太さのウールの糸で編んだら、もっと軽く仕上がるはずなのに、という感じ(感覚)です。

逆のことを考えると、これはまだ編物の経験が浅く、素材のことをあまり知らない初心者にたまにいるのですが、ウール毛糸で編んだ冬物のセーターを、同じ製図で同じぐらいの太さのコットン糸で編んだら、ずっしりと重たいのが出来てしまった、というようなことです(私もやらかしました)。

 

これは、何を意味しているかというと、素材によりますが、夏糸は実は結構重いということなんです。

たとえば、コットン(綿)や麻、ポリエステルなどのストレートな糸は、結構な重量感があります。

これらの夏糸と一般的な秋冬糸(ウールなど)を比較してみると、夏糸のほうが密度が高い、逆を言うと秋冬糸のほうがバルキー性が高い・かさ高い、ということが言えます。

糸玉を見てみても、夏糸は中に紙芯があるのが多いので、糸玉は大きく見えますが、芯を抜くとかなりコンパクトにまとまります。

対して秋冬糸は、ふっくらフワフワとしているものが多いので、同じ重さで比較すると体積が大きく見えます。

これらのことは、繊維の構造を見てみるとわかります。

夏糸を構成するコットン、麻、ポリエステルなどの繊維の多くは、ストレートな構造をしていて、まっすぐなめらかになっています。

一方で、秋冬糸を代表するウールやアクリルの多くは、繊維がランダムに絡まって広がり、その分空間を占有するようになり、空気を含みかさ高くなります。

よって、少し誇張した言葉で表現すれば、夏糸はズッシリ、秋冬糸はフワフワなわけです。

 

ということで、夏糸でウェアものを編むときは、すきのない密な編み地で広い面積を編むと、かなり重たくなる傾向があります。

それを避けるために、夏のウェアはすきが多く、丈や幅もあまり大きくないデザインが多いのです。

というか、別に軽やかさを演出するためにそうしているというよりは、そうでないと重くなってしまうから必然的にそういったデザインになってしまうのです。

20番ぐらいのレース糸(かぎ針2/0号ぐらいで編むレース糸)でも、オール長編みの長袖のウェアを編んだら、結構ズッシリきますよ。

 

結局何が言いたいかというと、夏糸(綿、麻、ポリエステルなど)と秋冬糸(ウール、アクリルなど)では根本的に考え方が違う、ということです。

素材の特性と目的をよく考えて作らないと、苦労した割には期待外れなものが出来てしまうことがあります。

特に、夏糸の意外な重さには要注意です。

ある程度の編物経験がある方からは「それぐらいわかってるわよ」と言われてしまいそうですが…

 

 

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