昨日(8月28日)、アメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールでの経済シンポジウムにおいて、FRB(Federal Reserve Board:連邦準備理事会)のケヴィン・ウォーシュ議長が、「We must be confident that underlying inflation is moving to our objective, clearly and at sufficient speed. Otherwise, we have work to do.(物価が目標の2%に近づかなければ、やるべき仕事がある)」と9月15日~16日のFRB(Federal Reserve Bank)のFOMC(Federal Opem Market Committee:連邦公開市場委員会)での政策金利の引き上げを示唆しました。
これを受けて、為替市場では、ドル高に動きました。また、その反作用で円安に動き、1ドル=160円に到達しました。
アメリカのトランプ大統領は、前任のパウエル議長に対して金利を引き下げないことに不満を言い、さらには刑事訴追までちらつかせて脅していました。そうした経緯の上でのウォーシュ議長がFRB議長に就任しましたし、トランプ大統領はウォーシュ議長に対しても利下げを求める発言をくり返ししているので、ウォーシュ議長はトランプ大統領の意向を汲んで金利引き下げを進めるのではないか、との見方がありました。
一方で、ウォーシュ議長の過去の言動をみると、かならずしも金利引き下げ一辺倒ではなく、むしろオーソドックスな経済学に基づく金融政策を重視するような発言をしてきました。例えば、コロナ禍での経済対策としてFRBがアメリカ国債の買い入れを行い保有残高が膨らんでいましたが、ウォーシュ氏は、「FRBのバランスシートは大きすぎる。危機時以外は国債・MBSなどの保有を減らし、政策金利を金融政策の中心的な手段に戻すべきだ」との趣旨の発言をしていました。つまり、ウォーシュ議長はトランプ大統領が期待するような利下げ一辺倒のハト派ではなさそうです。
そこで、ウォーシュ議長がどのような金融政策を行うか、ということで注目されていたのがジャクソンホールでの経済シンポジウムの発言です。 桜井シュウは、ウォーシュ議長の発言は至極もっともと思いましたが、当然の道理が通らないのが昨今のアメリカ政治です。その中でFRBが独立性を堅持して、道理を通すことを期待して見守ります。
ウォーシュ議長の利上げの示唆は、トランプ大統領の考える政策とはほとんど真逆です。トランプ大統領がどのように反応するかに注目です。
ちなみに、ウォーシュ議長の金融政策は、ベッセント財務長官の財政政策とも逆の方向を向いているようにみえます。この点は明日のブログで申し上げます。





