スーパーマーケットなどの売り場で米が見当たらなくなっています。ワイドショーでも連日、報道されるまでもなく、スーパーにいけば米の棚だけ空っぽになっているので、みなさんご存知と思います。
(桜井シュウの地元のスーパーの棚)
先週の衆議院財務金融委員会では、日本銀行の金融政策についてがテーマでしたので、桜井シュウは取り上げませんでした。が、共産党の田村貴昭議員が米不足と米の値上がりについて取り上げていました。
米不足から米の値段はかなり上がっていて、消費者物価指数に影響しそうです。物価の安定は日本銀行の金融政策にも関係するものではあります。
農林水産副大臣の答弁では、9月になれば今年収穫の新米が流通するので、そのころには米不足は解消するとのことでした。
でも今はまだ8月です。「9月になれば」と言われても、9月の上旬に収穫しても店頭に並ぶには1~2週間はかかるかもしれません。それまで1ヶ月弱あります。その間、どうやって食べていけばよいのでしょうか。
米の値段があがったときの国会審議としては1950年12月7日の参議院予算委員会があります。このとき池田勇人大蔵大臣(後の総理大臣)は「所得の少ない方は麦、所得の多い方はコメを食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」と答弁したことが、「貧乏人は麦を食えと言った」と受け止められ、国民が反発しました。
現代では、炊飯用では米よりも麦の方が高いと思いますので、経済原則ではなくなっています。米不足だから麦製品を食べて下さいと解釈したとします。パンやうどん、パスタなどで米の代わりに炭水化物を取るとしても、満腹感をえるにはやはり米の方が安上がりでしょう。
米の消費量が年々減少傾向にあるとはいえ、日本において米は多くの食卓の主役です。総量として米の確保することは政治の責務です。備蓄米の放出という提案に対しては、農林水産省は備蓄米の流通までに時間がかかり、新米の流通と時期が重なってしまうから備蓄米は放出しない、とのこと。
ならば、なぜもっと米不足を予見できなかったのか、という問題があります。6月頃から米の品薄リスクは指摘されていました。
また、備蓄米の流通にどうして時間がかかるのか。備蓄米の流通に手間取っている間に国民が飢えてしまっては備蓄米の目的を達成できません。速やかに流通できるようにすることが必要です。
今年、新米を前倒しで流通させると、来年の今頃には、今年と同じような状況に陥るリスクがあります。来年の夏は備蓄米の流通の準備に抜かりがないようにするとともに、来年以降は米の増産などの農業政策の立て直しを提案してまいります。