過去にいじめられたときの経験を5回に分けて書き綴っておりまして、今回は5つ目、最後のお話になります。
時系列に沿って書いているので、まだの方は①~④を先に読んでいただくことをおすすめしますクローバー







   




小学6年生の頃には友達も増えた。
クラス全員と仲良し、とはいかないけれど、
私に悪口を浴びせる人も、仲間外れにする人も、
クラスの中にはもう居ない。

修学旅行で友達に撮ってもらった写真。北海道の洞爺湖。



それでも、長い年月をかけて傷ついた心は、簡単に治ったりはしていなかった。

私の中で忘れられない出来事がある。

友達が落としたハンカチを拾ってあげたとき、指で端っこをつまんで渡したら、
「やめてよ〜、汚いもの持つみたいなやつ〜!」
…と友達が優しく注意してくれた。

長い間バイキン扱いされていたことで、
私は、自分が汚い存在だから、何か持ったり近づいたりすると汚れてしまう、という考え方がすっかり身についてしまっていた。
だから、(汚さないように)と相手を気遣ってハンカチをつまんで持ったのだ。

でも相手からしたら、自分のハンカチが汚いもののように扱われていると感じるわけで、いい気はしない。

注意してくれた子は「自分のこと汚いって思わなくて良いんだよ!」って気持ちだったのかもしれないけれど、
相手が知らない人だったらと思うと、自分のやったことはやっぱり良くなかった。

こういう長年の悪口によって歪んでしまった感覚を正していかなければ、
自分の傷が癒えないどころか、
誰かを傷つけてしまうかもしれない。

私は凄く不安になった。
誰かを傷つけるという行為において受け身の立場でいられなくなり、
ようやく相手の気持ちを考えることの重大さを理解したからだ。

辛い経験をしたら人の気持が分かるようになるっていうけれど、そんな簡単なもんじゃない。
分かろうとして、やっとスタート地点に立てるのだ。



3月の良く晴れた日。
私はたくさんの友達と一緒に小学校を卒業した。
謝恩会では、私がリーダーになってたくさん練習をした、大好きなモーニング娘。の歌とダンスを友達と一緒に披露した。

通えなくなったこともあったけれど、
卒業なんてしたくないって思うくらい、私は学校が大好きになっていた。



   



いじめられたときのお話は、いったんここでおしまいです。


いじめってすごく理不尽で、
どんな子でも、何かの拍子でターゲットにされてしまう。

そんなときは、どうか相手のペースに引っ張られないように、
自分はどうしたいか、どうなりたいか、何が嫌でどうなったら自分は嬉しいのか、
「自分の気持ち」とたくさん向き合って、
自分自身をたくさん認めてあげてほしい。

自分を傷つけてくる人の気持ちなんて後回し。
「誰かの気持ち」を考えられるようになるのは、自分の心に余裕が出来てからで良いのだから。



自分が大切にされて、自分を大切に出来て、ようやく知った相手を思いやるということ。
思いやりに溢れた世界にするために、私はまず自分で自分を愛すところからはじめようと思う。

そしたらきっと、誰かのこともたくさん思うことができるから。






あなたの未来が、心からの笑顔で溢れていますように。