英文法に関する「捻じれ」を乗り越える方法 | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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池田 和弘氏が次のようにいっております。

 

英語の学習も本当に進化をしてきました。ネット上にはありとあらゆる学習リソースがあります。これだけ環境が変化したのですから、もうきっと文法の問題は解決されているに違いない――5年ほど前に、私は本当にそう思い始めていました。しかし、たまに高校生に教える機会があると、そのたびに、それがとんでもない間違いであると気づかされました。

 

 高校のみならず中学の教科書や参考書類にも、未だに5文型の分類や同格のthatといった用語が記載されています。中には、新情報や旧情報という専門用語を繰り出してThere構文について解説しているものもあります。また、eラーニングという、まさしく時代の最先端を行く学習ツールにおいてさえ、解説は文法用語だらけです。ここには明らかに何か「捻じれ」のようなものがあります。

 

「捻じれ」の原因

 なぜこのような「捻じれ」が生じているかというと、それは、文法の役割についてはっきりとした結論を出せないまま、凄まじい勢いでIT時代が到来してしまい、そのままどっと世の中がコミュニケーション重視の方向に流れたためです。

 

 一方で、文法の方はどうかというと、「必要かどうか」という点は議論されてきたものの、「どのような文法が必要か」についてはほとんど検討されてきませんでした。そのために、学習者はリスニングやスピーキングの練習をしながらも、その一方で、詳細な文法解説を受け、演習をするという状況に陥ってしまったのです。つまり、“How’s it going?(調子はどうですか?)”などと練習している一方で、「OをCする」「O=C」などといった解説を聴いて演習を行っている訳です。

 

 状況が大変なのは英語を教える側、つまり先生方も同じで、大学入試のための高度なリーディング力を養いつつ、スピーキング力も養うという離れ業をどのようにしてやってのけるか、日々頭を悩ましている方が多いはずです。

 

私が「捻じれ」を解決した方法

 さて、私はリスニングテストさえ普及していなかった旧世代の人間ですが、この「捻じれ」を身を持って体験しています。なぜなら、大学に入った直後から、スピーキング力を身に付けようと勉強をし始めたからです。ところが、「現在分詞の後置修飾」や「分詞構文」など、文法について色々と知識は持っていたものの、いざ話すとなるとさっぱり駄目で、どう勉強して良いかさえ分かりませんでした。

 スピーキングの場合、英文を一つひとつ組み立てている時間はありません。言いたいことを、思った瞬間にほとんどリアルタイムで言う必要があります。そのようなところに文法を持ち込むと、頭が過熱して何も言えなくなります。

 

 たとえば、「楽しそうだね」と言いたいときに、lookが自動詞か他動詞かを考え、さらにYou lookの後が形容詞(happy)なのか副詞(happily)なのかを判断しようとすると、このたった一文でさえ使えなくなります。このような頭の使い方をすると、話すどころか読むことさえ困難になり、やがて英語に対して苦手意識が生まれてしまいます。

 

 大学生であった当時、私は英検1級を目指していましたが、パブリックスピーチが巨大な壁として立ちふさがっていました。いちいち英作するようなことをしていては、スピーチなどできるはずがありません。リスニングさえテストに出ることがまずなかった時代です。ここで私の頭は一度フリーズしてしまいました。しかし、ある日、ある練習方法に出会い、それを実行することでスピーキング力を伸ばすことができたのです。英検のパブリックスピーチにも一発で通りました。その方法が何であったかというと、「音読」でした。

 

英語(言語)の基本は文法ではありません。文法を基本とするからその捻じれが生じます。ネイティブを真似るディープラーニングなら、文法が基本ではないから、その捻じれも存在しません。


しかも、音読は文字を音にするだけです。発音もリスニングもスピーキングも改善する事はできません。文字英語と音声英語はまったく別の体系です。