私の英語勉強法(新条正恵さん) | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

  音声英語、つまり英会話、リスニング、発音に関して音のストリーム・ベースで学習するサイトです。

英語学習コンサルタントの新条正恵さんは次のように言っています。

 

今でこそ、語学のエキスパートとして、外国語の習得に悩む社会人たちに自ら編み出した勉強法を伝授している新条正恵さんだが、自身も試行錯誤を繰り返しながら、英語や中国語など7か国語を身に着けてきた。英米留学、外国企業での勤務など、実地で英語力を培ってきた新条さんがたどり着いた外国語上達の「極意」とは「間違いを恐れず、スピーキングに挑戦する」というものだ。

 

語学は「楽しむ手段」
英語や中国語を身に着けた経験から編み出した語学習得法を、自著や個人・グループレッスンを通じて広めている。習得法は「音声教材から聞こえる英語を10分間、つづりを気にせずひたすら書き取る」といった12の「ワーク」を30日間行う、というもの。各国語の習得に応用できるメソッドで、「いつでも、どこでも、誰とでも、三つの話題について15分話せる」レベルにまで語学力を引き上げることが狙いだ。

レッスンをしていて感じるのは「話したいことを言葉にする英語力を持っている人がほとんど」なのに、間違いを恐れ、英語で話すことをためらう人が多いことだ。「間違ってもいいんですよ」と言い続けているうちに、英語で話すことへの抵抗が薄れていく受講者を何人も見てきた。

 

日本の社会人の多くは、ネイティブが日常的に使っているとされる単語の9割を既に学んでいる。英語を使っていると、忘れていた単語を「ふっと思い出す」ことがある。そうやって語いを取り戻していくうちに英会話が弾んでくる、といった寸法だ。

 

英語と出会ったのは、3歳の頃。英会話教室に通っていた四つ年上の姉が、スピーチの練習をしていたのを真似て楽しんだ。私立学校で教える外国人教師たちの寮が近所にあり、いつしか、教師たちを見かけると、簡単な英語で話しかけるようになっていた。女性の教師と親しくなり、部屋に招かれ、お菓子をもらうこともあった。学校で習う前から生の英語に触れていたから「文法的に正しくなければ」という思いにさいなまれることもなく、英語が好きになった。

 

高校に上がってから、1年間の英国留学を決意。行く前に少しでもスピーキングを練習しておきたいと思い、「知り合いに外国人がいる」と聞けば、電話番号を聞いて連絡を取った。ただ、電話代がばかにならなかった。「もっと手軽に英語を話せる方法はないか」と思案していたところ、通学路沿いの奈良公園で外国人観光客を見かけた。「この人たちに話しかければいいんだ」。そう思った。

 

授業が午前中で終わる土曜には、制服姿のまま奈良公園に向かった。I am studying English. Can I give you a guided tour around Nara Park?(英語を勉強しています。奈良公園の周辺をご案内しましょうか)と話しかけ、10分程度言葉を交わすと、「拙い英語でも通じる」と分かり、自信が湧いた。

日本の学校では「米語」を教えられていたから、交換留学プログラムで滞在した英国北部では「英国なまり」に悩まされた。「サムバディ」と覚えていた somebody の発音が「ソムボディ」に変わっただけで、聞き取りにくくなった。そんなことに戸惑っていると、授業はどんどん前に進んでしまう。友人にノートを写させてもらって持ち帰り、よく分からないところはホストファミリーに尋ね、補った。

 

独り言で特訓

そんなハンデを克服しようと、最初は英語を話すトレーニングのつもりで、一人でいても思ったことは何でも口にするよう心がけた。学校から帰宅したら “Oh, I am so tired today. What am I going to do this afternoon? Do I want to write a letter to my family?”(ああ、今日も疲れた。午後は何をしようかな。家族に手紙でも書こうかな)といった具合にだ。

特訓が奏功したのか、4か月がたった頃には、周囲で話されている英語が「全て分かる」ようになった。まるで「コップについだ水があふれ出す」感じだった。さらに半年後には、電話で英国人と間違えられるほどになっていた。

 

「旬の言葉」を仕入れる

しかし、英国から帰国後、わずか8か月で、せっかく覚えた生の英語を「忘れてしまった」苦い経験がある。短大に進んだが、講義に出ても英語が頭に入らず、話そうと思っても口から出て来なくなった。「語学は使わないと忘れる」。そう思い知らされた。続けることが大事なのだ。「筋力トレーニングと同じで、ゼロから筋肉をつけるより、すでについている筋肉を維持するほうがずっと楽」。

 

今は英語の習得法を教えているが、それがまた、自身の英語力を保つのに役立っている。

米ユタ州の大学への留学を経て、社会人になってからは、英語を武器に外国企業を渡り歩いた。現在の仕事に落ち着いてからも、3か月から半年に1回は、かつての同僚であるオーストラリア人やインド人と会食する。金融やIT業界で働くネイティブたちから、ビジネスの現場で流行する「旬の言葉」を仕入れるためだ。empathy(共感力)というのも、そんな折に拾った言葉の一つ。顧客や部下の立場で物事を考えるスキルの一つと知った。

 

海外で暮らし、「日本にとどまっていたら、知り得ないことがたくさんある」と知ったからこそ、多くの人に「英語ができると広がる世界」を実感してもらいたいと思う。「英語が苦手だという人を日本からなくすこと」。これが大いなる目標だ。

 

言語はネイティブを真似る事が基本です。「間違いを恐れず、スピーキングに挑戦する」のように試行錯誤をするものでありません。自分で勝手に表現を作るのは非常に危険な学習方法です。