彼岸の中日を前にして、彼岸花が群生する葛城古道沿いの葛城一言主神社
(かつらぎひとことぬしじんじゃ)周辺を散策
今年は少し出足が遅れていたが、ちょうどお彼岸に合わせるように
田んぼの畔を縁どるように真っ赤な花が咲き揃い、黄色く色付いた
稲穂との美しいコントラストで「日本の原風景」を見せていた
背後に金剛・葛城山が聳える自然豊かな風景と、前に広がる大和平野の
見事な眺望と相俟って、葛城古道沿いの彼岸花は奈良県下でも屈指の
見どころになっている
葛城山麓には幾つもの蜘蛛塚が在るが、これは虫のクモでは無くて
神代の昔、勢力を拡大する大和王権に攻め滅ぼされた葛城山麓の民
の碑であろうか。
「記紀」や全国各地の「風土記」にも土蜘蛛を書いたものが有るが
洞窟などで暮らしていたり、体が小さくて手足が長かったことから
土蜘蛛と呼ばれたとも。鬼退治の伝説も同じような物だろう。
葛城山麓のこの地では土蜘蛛たちを葛(かずら)の蔓で作った網で
捕えたと書かれている。それでこの地を「葛城(かずらき)」と名
づけたという。
大きなジョロウグモが蜘蛛塚の上に網を張っていた
彼岸花を見ながら神社参道を進み
神社に参拝
「いちごんさん」は一言の願いであれば何でも聞き届ける神とされている。
なお、葛城山麓はかつて大和王権と肩を並べる勢力を持つ古代豪族葛城氏の
本拠地で天孫降臨の高天原の伝説の地でもある
ご神木の銀杏の大木
ここにも慰霊のためか、祟りを恐れてか蜘蛛塚がある。
なお、葛城古道を南に行った高天彦神社の近くには土蜘蛛が住んでいたという
「蜘蛛窟」が在る
この先、葛城古道を北へ20分ほど歩いた九品寺も彼岸花の名所で人出も多い