この度の豪雨による土石流などの被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
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毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。
今週も、
大人の方からの『バレエ』に関する
素朴な疑問・質問にお答えする、Q&Aコーナー
です
今週は、先週の続きからです。
先週の記事はこちら↓
前回は、“上半身の引き上げを、どのように指導しているか”というご質問でした。
前回からの繰り返しになりますが、私が引き上げを指導する時は、次のA・B・C3つのタイプに分けて指導しています。
A.バレエを習い始めたばかりの人や、まだ骨盤が立っていない人
B.骨盤は立ってきたけれど、レッスンは週1~3回、毎日は筋トレしていない人、脳と身体の連携があまり密ではない人
C.骨盤も立ち、レッスンは週4~5回、毎日筋トレしていて、全身にほどよく筋肉がついているため、自分の意志で身体をかなり正確に動かすことが出来るようになった人
この3つにタイプの分けて、それぞれに、「上体の引き上げ」のゴールを設定して、そのゴールまで行けるように、それぞれに指導しています。声のかけ方も変えています。
その時のその人のレベルにあった指導をする、名付けて、“A・B・C大作戦”
今回は、Aに当たる方への、身体の引き上げ指導の一部です。
まず、Aの方はまだ、自分の身体の感覚がよくわかっていないことが、少なくありません。
バレエを習うということは、つまりは自分の身体と向き合うということ。
バレエ歴が長くなればなるほど、身体の感覚が研ぎ澄まされていきます。
けれど、バレエの中に身を置く時間が短かったり、レッスンに自分の身体と向き合う時間があまりない場合(レッスンが難しすぎる、レッスンスピードが早すぎる、ひたすら踊るだけのレッスン、先生がひっきりなしに注意している、順番を憶えられずに他人を見ながらレッスンしている、身体の意識して使う場所の優先権を正しく習っていないなど)は、まだ体の感覚が目覚めていないことが多く、コントロールが難しいです。
その場合は、
「お腹を薄く」「背中を使って」などと言っても、うまく伝わりませんので、私はどんな人でもわかりやすいところから、順番に指導していきます。
上体の引き上げで、一番大切なのは、頭の位置です。
引き上げというと、お腹が、背中が、と言われる先生、多いのですが、海外のバレエ学校とサクラバレエで一番最初に教える上体の引き上げは『頭』です。
『頭』って、実はとっても重くて、ボーリングの球くらいの重さがあります。
めちゃくちゃ重いんです。
だから、これをうまくコントロールしないと、身体が落ちてしまって、ターンアウトや脚の運びが難しくなり、将来、重心を移動しながら踊る動きや、回転・ジャンプをする時にもとてもやりにくくなってしまいます。
サクラバレエで、一番最初に所属する『初心者クラス』では、バーレッスンでは軸になる足を決めて、重心を移動しないで出来るよう、コンビネーションの組み方を工夫しています。なぜなら、この時期はまだ、軸足を頻繁に取り替えながら重心を次々と移動させるのが難しいからです。
そのため、まずは『前の人の足元を見なくても覚えられるくらいの短くて簡単なコンビネーションを、重心が移動しないよう、軸足を変えないで例えば、右足だけを動かすような練習を、顔を上げて前を向いておこなう。』ということからはじめます。お顔のつけ方や、“この動きの時はここを見る”ということも、バレエを習って1年目から、細かく丁寧に指導していきます。
そして、色々な準備が出来た、一年後の『基礎クラス』では、軸足を取り替えて、その上に頭をのせ続ける意識をするための練習がはじまります。
回る練習は、さらにその次です。
昔、ボディワークの先生に
「この、重い頭を支えるために、人間の首というのは、とても鈍感に出来ているのです、だから、“首が凝る”“肩が凝る”というのは、みなさんが考えているよりも、相当、すごいってことなんですよ」と教わりました。
その時の実習では、実際に手足を床について、脱力した人の頭を持ち上げさせてもらったのですが、本当にめちゃくちゃ重かったです。もうね、スイカに近かったですね。
話がそれましたが、だから、バレエを踊る時に、『頭の位置を軸脚に乗せて引き上げておく』
というのは、本当に大切なんですね。
試しに、1つだけ簡単なワーク(実験)をやってみましょうか。
両脚をそろえて、立ってみてください。
パラレル(つま先が前を向いている状態)で大丈夫です。
次に、足元を覗き込むようにして、頭の位置を自分の足元よりも前にしてください。
その状態で、足を動かしてみてください。
例えば、右脚で雑巾を踏んで、床を拭くような動きだとか、
バレエを習っている人でしたら、タンデュをしてみてください。
この時の、脚の感じを憶えていてくださいね。
次に、頭の位置を、足の上に乗せているようにイメージしてみてください。
右足を動かしますので、軸脚である、左足の上に頭を乗せて、頭を天井から引っ張り上げられているようなイメージです。
そして、さっきと同じように、右足を動かしてみてください。
どうですか?足の動かしやすさがまったく違いませんか?
もし、違っていたら、実験成功です。
・・どうです?成功した方たち。
全然違うでしょう?
だから、引き上げるのは、お腹や背中よりも、まず最初に『頭』なんです。
そして、それはつまり、前の人の足元を見ていたり、鏡で自分の足元を見ていると、
身体が落ちてしまうのだ、ということを意味します。
だから、バレエはその人のレベルにあわせて、
先生のお手本を1回で憶えられるような組み合わせの動き(アンシェヌマン)を練習する必要があるんです。
自分にあったレベルのレッスンを受けることが、大切なんです。
前の人を見ながらレッスンしている限り、その人の身体はどうやっても引き上がりません。
だって、上にスイカが載っているんですよ。
だから、頭の位置も大切ですし、それはつまり、レッスン中の目線もとても大切だということなんです。
・・・どこを見て、レッスンしているのか。どこを見て、踊っているのか。
人は、見ているところに頭を持っていきますからね。
集中力のある人なら、なおさらです。
バレエのレッスンって毎週のことですから、頭の位置をどこにおいてレッスンするのかによって、膝の伸ばしやすさ、ターンアウトのしやすさ、筋肉の付き方、バランスのとりやすさなどが、まったく違ってくるのです。
ですから、これは、本当に大切なことなのです。
でも、私はこれを教えて下さる先生には、なかなか出会えませんでした。
ですから、こちらに書いて、シェアしておきますね
それから、“初心者さんでもわかる、上体の引き上げ”についてもう1つ、頭だけではなくく意識しやすくなる方法があるのですが、長くなりましたので、それは次回にお話ししたいと思います。
つづく
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サクラバレエは大人からバレエをはじめる人のためのバレエ教室です。
クラシックバレエを大人向けに、1人1人にレベルを合わせたクラス設定によりきめ細かい対応を図り、1年間のカリキュラムを設定し、一貫したバレエ指導を行うことを目的としています。
先生のお手本を見よう見まねで練習するのではなく、言葉で説明することを、私たちはとても大切にしています。
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特に20代・30代のまだ若く、未来を切り拓く力を持つ人たちの力を、私たちは必要としています。
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大人からバレエをはじめても、きちんと丁寧にレッスンをすれば、必ず上達します。
私たちが大切にしていることです。
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“教師の思い付きのレッスンではなく、全クラス同じカリキュラムのレッスンを受けることが出来ること”
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“大人を上手にすること”に松岡修造さんばりに情熱を燃やす教師が、ここにいます
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こちらのブログでは、大人の方からの、『バレエ』に関する素朴な疑問・質問を募集中です!
いつもブログ読んでいて、気になっていること、聞いてみたいこと。
「〇〇ってどんな意味?」「◇◇が上手く出来ないんです」など、みなさんからの質問を募集します。
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