毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。
今週も、
大人の方からの『バレエ』に関する
素朴な疑問・質問にお答えする、Q&Aコーナー
です
Q.
桜先生、気になっていることをまた質問させてください!
上半身の引き上げを、どのようにご指導されていらっしゃいますか?
私は、お腹をへこませることだと思っていたら、通っているバレエの先生に、「それだと呼吸ができないでしょ?」とか、「後ろの背中が引きあがっていない」と言われ、「上に大きく伸びをして、お腹が薄くなった状態を保つことですよ!」と言われました。
桜先生のお教室では、上半身の引き上げについてレクチャーした、とブログにあり、どのようなエクササイズをしたのか、気になっています。
教えていただけないでしょうか?
よろしくお願い致します。
あおい
A.
あおいさん、連続でのご質問をありがとうございます。
上半身の引き上げですね。
これはね、あおいさんの先生がおっしゃっていることも間違いではないのですが、この表現では、大人には少し伝わりにくいのかもしれません。
なぜなら、“上に大きく伸びをして、お腹が薄くなる”のは、次の2つの条件が揃った場合だけだと、私は思っているんですね。
①お腹を薄くするクセが身についている
レッスン中は、無意識にお腹を薄くするクセが身についているため、身体を縦に引き延ばしたら(つまり、引き上げたら)勝手にお腹も連動して薄くなること。それはつまり、バレエの基本の立ち方がすでに出来ているということ。
いわゆる、バレエの先生が言う、“お腹をしめて”いる状態を瞬時にできるということが前提になっています。(無意識にやってしまうくらいですから)
そのためには、バレエ歴がある程度長く、またバレエを毎日のようにレッスンしているか、過去にしていた経験があり、自分の身体と向き合う習慣が身についている必要があります。
②体幹がめちゃくちゃ強い(プロのバレエダンサーの身体くらい)
現実的には、ほぼ毎日レッスンと体幹トレーニングをおこなっているくらいの身体をイメージしてください。
これくらいの条件が揃わないと、あおいさんの先生が言われていることを、レッスン中に生徒が先生にやって見せることは出来ません。
つまり、これ、普通にレッスンしている大人には、かなりハードルが高いんです。
現役バレエダンサー、バレエの先生、バレエ学校の生徒(日本では、バレエ歴10年以上、ほぼ毎日レッスンに通う高校生)なら、この説明で出来ると思います。
けれども、もともと上半身と下半身がバラバラで言うことを聞いてくれにくい日本人が、そして筋力がつきにくく、落ちやすい年齢である成人女性がそれをやるには、多くの人がそうであるように、週1~2回のレッスンでは、普通はとても無理なんですね。
脳からの指令を身体が聞いてくれるくらい、身体に意識を向けられて、バレエの基本が身に付いていて、なおかつ全身にバレエで使える筋肉が身に付いていないと、普通はなかなか出来ないんです。あおいさんの先生が言われているレベルの引き上げはね。
だから、先生のおっしゃっていることが、あおいさんに出来ないのは、当たり前のことなので、あせらなくて大丈夫なんですよ。
ですから、これはあおいさんの問題というよりは、先生が、まだ色々なことに気がつかれていないのか、生徒への要求レベルが高いのかの、どちらかなのかなという気がします。
おそらく、あおいさんの先生は、この①②の両方を人生のどこかでクリアして出来るようになった方なのだと思います。(先生になられているくらいですからね、たくさんたくさんレッスンされてきたのだと思います。)
そして先生は、みんなも、自分と同じようにすれば、または自分が自分の先生に言われてきたのと同じことを伝えれば、みんなも出来るようになる、と思われているのだと思います。
ただ、先生は子供の頃からバレエされていますからね、大人からバレエをはじめる人の身体と子供たちとでは、身体や意識がまったく違う、ということに気がつかれていないか、子供の方にあわせられているかの、どちらかではないかと思います。
確かに大人は子供よりも体力・筋力・時間がありません。
けれど、言葉で伝えたら、きちんと伝わりやすいのが、大人の良いところ。
そして、“お母さんにムリヤリ習わされているのでやる気がない”人が一人もおらず、“全員やる気に満ちている”のが、大人の良いところだと、思っています。
だから、私は、
A.バレエを習い始めたばかりの人や、まだ骨盤が立っていない人
B.骨盤は立ってきたけれど、レッスンは週1~3回、毎日は筋トレしていない人、脳と身体の連携があまり密ではない人
C.骨盤も立ち、レッスンは週4~5回、毎日筋トレしていて、全身にほどよく筋肉がついているため、自分の意志で身体をかなり正確に動かすことが出来るようになった人
この3つにタイプの分けて、それぞれに、「上体の引き上げ」のゴールを設定して、そのゴールまで行けるように、それぞれに指導しています。声のかけ方も変えています。
つまりね、あおいさんの先生がおっしゃっていることは、Cの人には伝わるんです。Cの人のゴール
なんです。
すぐには出来なくても、近いうちにはね。
でも、あおいさんは、(これは文章から推測しただけなので、違うかもしれませんが)
①先生に反り腰を注意されている
②お腹の引き上げや、骨盤を立てる、ということがまだピンと来られていない
③バレエ歴2年、レッスン週3~4回
これを踏まえると、今はまだ、AかBの状態だと思うんですね。
Aなんかだと、すぐに出来ると思いますよ。
ですから、今回はAのゴールと、その意識についてをレクチャーしたいと思います。
ちょうど、先月スタジオの基礎ウィークにやったのが、Aについてだったので、ちょうど良いと思います。
ただ、長くなってしまったので、続きは来週にお話しますね。
あおいさんが先生の言われることが出来ないのは、お互いのバックボーンが違うからで、あおいさんのせいではありませんから、悩まないでくださいね~。
あおいさんの先生は、子供からバレエをはじめて、おそらく毎日のようにバレエや自分と向き合う日々を10年以上過ごし、おそらく、バレエ団で踊られた経験があるか、お教室でもトップで踊られていた、『職業、プロダンサー』と言えるような身体の持ち主なのではないでしょうか。(違っていたら。ごめんなさいね)
それはつまり、先生はメンタルも身体も、普通の人ではなく、アスリート(または、元アスリート)だということです。
身体感覚が並外れているはずなんです。
バレエを踊ることが上手な先生は、お手本が本当に魅力的なのですが、ご自分の身体をアスリートだとはあまり思われていなくてですね、「みんな、やればできる!」とどこかで思われているふしがあるんですね。
子供なら、これから身体が仕上がっていきますから、頑張る子の中から、出来るようになる子がいるかもしれません。でも、大人は子供と同じアプローチではムリなんです。
あまりにも高すぎる壁を、一気に登れるようになる人がいないのと一緒です。
ホップ・ステップ・ジャンプ!しないとね。
なぜそう言えるのかというと、私がそうだったからです。
私の先生方も、元アスリートだったので、Cをやるよう、求められていましたが、どうすればそれが出来るようになるのかは、誰も教えてくれませんでした。
仕方なく、勉強して、調べて、やってもやっても出来なくて。
けれど、アシスタントになったばかりの頃、毎日レッスン&筋トレして、バキバキに引き上がった、アスリートな身体になったある日、いきなりCが出来るようになったのです。
でも、理由かわわかりませんでした。
その後、バレエを教えても、大人はほとんどの人が出来ない。
・・それはなぜ?
・・なぜ、私は急に出来るようになったの?
・・なぜ、同じようにレッスンしている高校生たちは出来るようになる率が高いの?
・・どうすれば引き上げを理解できるように伝えてあげられるの?
と、また研究して、勉強しました。
だから、
「引き上げ一つとっても、身体ごとに段階がある」
「やっても、できないのがふつう。出来た人はすごい!」ということを知っていて、
そこで編み出した、A・B・C作戦(今、名付けました)
次回、解説したいと思います。
お楽しみに!
◇
このコーナーでは、これまで、『サクラバレエ』や『大人からはじめるバレエ』に関するご質問を募集していたのですが、今後はもう少しジャンルを広げて、『バレエ』全般に関わるご質問を受け付けます。
これからバレエを習ってみたいと思っている方や、すでにバレエを習っている、大人の方からの素朴な疑問・質問や、「これ、桜先生に聞いてみたい!」に桜が答えていきます。
(こんな、ささいなこと聞いて良いの?)や、(あの技のコツを知りたい!)など、軽~い質問OKです!桜に聞いてみたいご質問をジャンジャンお寄せください。
あと、2回分しか質問がないんです・・・。
ネタがなくなりそうで、ドキドキしています・・・。
誰か助けて~。
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サクラバレエは4月が新学期ですが、
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サクラバレエは大人からバレエをはじめる人のためのバレエ教室です。
クラシックバレエを大人向けに、1人1人にレベルを合わせたクラス設定によりきめ細かい対応を図り、1年間のカリキュラムを設定し、一貫したバレエ指導を行うことを目的としています。
先生のお手本を見よう見まねで練習するのではなく、言葉で説明することを、私たちはとても大切にしています。
「大人だって、バレエが好き!」
「大人だって、バレエが上手になりたい!」
大人でもベストをつくしてレッスンすることにより、成長する楽しさを感じることが出来ます。
あなたも、私たちと一緒にレッスンしませんか?
特に20代・30代のまだ若く、未来を切り拓く力を持つ人たちの力を、私たちは必要としています。
バレエ経験がまったくない方、大歓迎です!
大人からバレエをはじめても、きちんと丁寧にレッスンをすれば、必ず上達します。
私たちが大切にしていることです。
“大人だからこそ、きちんと言葉で説明してもらえること”
“大人も子供と同じように、細かいクラス設定で段階を踏んで学べること”
“教師の思い付きのレッスンではなく、全クラス同じカリキュラムのレッスンを受けることが出来ること”
“大人を出来るだけケガなく安全にバレエを踊らせてあげること”
“大人を上手にすること”に松岡修造さんばりに情熱を燃やす教師が、ここにいます
そう、一番大切なのは“情熱”です。
私も大人になってからバレエと出会いました。
そして、同じような気持ちを持つ、あなたに出会えるのを待っています
ぜひ、同じ景色を見ましょう!
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