私が大切にしている言葉たち㉓ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
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毎週日曜日に連載中の『私が大切にしている言葉たち』シリーズキラキラ

 

私がこれまでに出会った恩師やダンサーの方たちの言葉の中から、大切にしているものを紹介していきます。

 

今週は、ロシア国立ペルミバレエ学校のK先生の言葉から。

 

『今、これが出来なければ、あなたはこの先、何も出来ない。』

 

K先生はヒストリカルダンス担当の先生でした。

ヒストリカルダンスという言葉をあまり聞いたことがない方も多いかもしれませんが、ロシア国立バレエ学校の生徒は全員が習う、バレリーナになるために必須の科目です。。

 

日本では、バレエのレッスン=クラシックバレエというイメージが定着していると思いますが、ロシアの国立バレエ学校では、実技の授業は主にクラシックバレエキャラクターダンスヒストリカルダンスの3つで構成されています。

(日本の小学校でいう、算数・国語・理科・社会のようなものですね。)

 

クラシックバレエ

みなさんがイメージする、バーレッスンからはじまるクラスで、バレエシューズやトゥシューズを履いて踊る練習をします。

 

キャラクターダンス

様々な国(ロシア・スペイン・ハンガリー・アラビア・アジアなど)の民族舞踊をベースにした踊りを習うクラスです。

バレエの作品の中で、トゥシューズを履かずに踊っている踊りは、ほとんどがこのキャラクターダンスであることが多いです。

キャラクターダンスを踊るときは、チュチュは着ません。バレエシューズやトゥシューズも履きません。

キャラクターシューズ(バレエシューズに2~3㎝のヒールがついた靴)と、キャラクタースカート(膝下丈のスカート)を履いてレッスンします。

キャラクターダンスもクラシックのレッスンと同じように、バーレッスンからはじまり、センターレッスンへと進みます。

このキャラクターダンスは、バレエは舞台でお客様を飽きさせないために取り入れられたと聞いています。

チュチュを着てトゥシューズを履いて、ゆったりと優雅に踊る作品の間に、様々な国をイメージさせる踊りを入れることによって、メリハリをつけてお客様を飽きさせないようにして、バレエブームをつくりあげてきたんですね。

(日本でもパラパラブームとか、ランバダブームとかありましたが、あれをバレエに取り入れて、バレエというエンターテイメントの人気に火をつけてきた感じですね。白鳥の湖のナポリの踊りや、クルミ割り人形のスペインの踊りなども有名ですよね。)

日本では、大人からバレエをはじめた人が、発表会で踊ることが多く、

(憧れのチュチュを着られる!と思っていたら、違ってた~。ちょっと残念あせる)となることが多いのですが、実はとても難しく、奥が深いジャンルなのです。

ただ、色々な表現を学べるし、表現することが好きな私は、とても好きな教科でした。

ただ、思いのままに表現するためには、とてつもなく難しいテクニックを習得し、練習を積み重ねる必要があるのだと実感した教科でもありました。

 

ヒストリカルダンス 

日本語では歴史的民族舞踊。

こちらもレッスンでは、キャラクターシューズに膝下丈のスカートを履いて踊ります。

その国の人たちは誰でも踊れるダンスだそうですので、フォークダンスのような、日本で言うと盆踊りに近いイメージでしょうか。

男女がペアになって踊るための練習でもあるし、みんなで和になったり、列をつくったり、フォーメーションを組んで踊るための練習だったりもします。

 

クラシックの授業では、あまりフォーメーションやペアで踊ることがありませんから、この3つすべてを習ってから、プロになるというのは、本当に納得できます。

ロシア人の先生方は、基本的にみなさんクラシックでも、キャラクターでも、ヒストリカルでも教えることは出来ますが、それぞれに得意分野があり、1年間担当が決まっていました。

 

さて、話をもとに戻しますが、クラシックバレエは5番という脚のつま先と踵をキッチリつけたポジションが基本ですが、ヒストリカルダンスは3番というポジションが基本になっています。

 

こちらが3番ポジションです。

 

トゥシューズのリボンがありえないことになっていますが(トゥシューズの結び目は中にしまってお客様には見えないようにすることがエチケットなので、蝶々むすびで外に出しっぱなしは普通はありえませんが)そこはちょっと目をつぶるとして、片足の踵がもう片足の土踏まずのあたりに来ているのが、3番ポジションになります。

 

この写真では、つま先が150度くらいに開いていますが、本来はつま先が180度外に開くことが“正しい3番ポジション”です。

 

※この写真を見て、(あらっ、私はつま先が180度開きますよ)という人は、大至急バレエを習ってください!バレエを踊るのに、とても向いている身体ですキラキラ

 

バレエを習い始めたその日から、先生に言われて、ひたすらつま先を外に180度開くことを頑張ってきた私ですが、私はどうやっても100度くらいしか開きませんでした。

 

それでも、必死に頑張っていたのですが、ある日、ヒストリカルのレッスン中にK先生が授業を途中でストップさせて、私にこう言ってこられたのです。

 

「つま先をもっと3番に開きなさい。もっとです。もっと。」

 

ロシア人の先生は、上手になる見込みがない人には声をかけません。

どんなに厳しいことを言われても、声をかけられるということは、上手になる見込みがある、ということです。

ですから、何を言われても、何を要求されても、そのチャンスを逃すわけにはいきません。

出来る限り、先生の言われることに応えようとします。

それでも、このK先生が求められていることは、骨格に関わることなので、すぐに変えることは出来ません。

その場で必死につま先を開こうとするのですが、もちろん急に変わるはずもなく、困り果てた私は、

(先生、私の身体ではこれ以上は無理なんです)というような表情を浮かべて先生と目をあわせました。

 

すると、K先生は、首を振って、最初の言葉を言われたのです。

 

「今、これが出来なければ、あなたはこの先、何も出来ない。1年生の授業中である今、3番に入らなければ、3年生、5年生でやることが、何も出来なくなります。」

 

それはつまり、今3番に開けなければ、私には未来がない、ということを意味しています。

(日本に来て長いロシア人の先生は、日本人が骨格的に180度開くことはむずかしい、ということを理解されて指導される方もいますが、はじめて日本人に教えられる、本場ロシアの先生がたはこのことをご存じないですし、聞く耳をもたれないので、つま先を開くように繰り返し言われます。)

 

この“ポジションに入れる”、“ターンアウト(つま先を外に回すこと)をする、というのはそれくらい重要なことだということ。

また、バレエ学校の1年生で学ぶことが、バレエを踊るうえでのすべての基礎になるので、この時期に学ぶことが、すべて、本当にすべて出来ていなければ、その人にバレエの未来はない、ということを学びました。

 

これはつまり、うちでいう、“初心者クラス”で学ぶことをことのすべて出来ていなければ、上の“基礎クラス”や“初級クラス”“中級クラス”に上がっても、何も出来るようにはならない、ということなんです。

 

手と脚のポジション、クペという片足で立つときのもう片足の位置、お顔のつけ方、ポール・デ・ブラという腕の動かし方の型など。

 

↑これが後ろのクペの位置

 

すべてをきちんとマスターしていないと、その後に何を学んでも、何を練習しても、積み上げることが出来ない。

 

わざわざ、授業を中断してまで、私にそのことを教えてくださったK先生のために、その日は泣きながらずっとストレッチやマッサージをして、翌日授業に行ったことを覚えています。

 

翌日もきっと、私のつま先の開く角度は、1ミリ変わったか変わっていないかくらいの違いだったと思いますが、「今、やろう」とする気持ちだけは伝わったのかなと思います。

 

その後もよく私を捕まえては指導してくださいました。

ものすごく、簡単そうに、ものすごく高度な要求をされるので、バレエを知らない人が見ていると、かわいそうに思われるのかもしれないのですが、先生の(この人はまだ上手になる)(この人なら出来るはずだ)という思いが伝わってくるので、大変でしたが、今ではとても良い思い出ですし、私はバレエに向いていない身体なのに、目をかけて指導してくださったこのK先生が大好きでした。

 

だから、この言葉を私は今でもとても大切にしています。

 

 

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