毎週日曜日に連載中の『私が大切にしている言葉たち』シリーズ
私がこれまでに出会った恩師やダンサーの方たちの言葉の中から、大切にしているものを紹介していきます。
今回は、私が一番最初にバレエを教えていただいたⅬ先生の言葉から。
『“私を見ろ!”と思って踊らなきゃ!』
それは、バレエを習いはじめて3~4年頃、発表会よりももう少し小さな舞台の練習をしている時のことでした。
確か、初めてソロパートを踊らせてもらうことになった時だと思います。
当時、私はとにかく自分のバレエに自信がありませんでした。
股関節が硬く、つま先があまり開いていないこともコンプレックスでしたし、バレエはとにかく何もかもが自信がありませんでした。
スタジオでも、出来れば鏡を見たくなかったし、隙があれば、後ろの方へこっそり隠れるタイプでした。
その頃、ジャズダンスも同じ先生に習っていましたが、ジャズの時間になると、急に生き生きして、前の方へ。
自分を表現するのは大好きでしたし、上手になりたかったから、一番前の列の先生のすぐ横で、先生と鏡の中の自分の両方を見ながら踊れる場所をいつもキープしていました。
ところがバレエになると、突然消極的に…。
レオタードも出来るだけ目立たない色を選び、先生に見つからない場所をキープ。気配を消して踊っていました。
それなのにバレエが大好きで、週3回のレッスンは、絶対休まない!そんな生徒でした。
そんな私に、ついにある日、先生から愛の喝が!!
「桜さん、もっと“私を見ろ!!”と思って踊らなきゃ!しっかり、客席の方を見て踊って!」
L先生はさらに続けます。
「もし、あなたの踊りを観て、客席の人が“うわぁ、下手だな。”と言ったら、“じゃあ、あなた、ステージの上に上がって来なさいよ!”と言えば良い。
“ステージの上に上がって来て、同じように踊ってみなさいよ!”と言えば良い。
絶対、踊れないから。
絶対、踊れない。
その人は、何も出来ない。
あなたのようには踊れない。
だから、もっと堂々として客席に“私を見ろ!”と思って踊って!」と。
L先生のこの言葉から、私の中で、バレエというのは、『自分が見られる』という“受け身”の意識ではなく、『自分から見せる』という“自発的”な意識で踊るものなのだということを学びました。
また、『誰に何を言われても気にしない。自分がやりたいことを貫きなさい。』ということも、同時に教えられました。
今となっては、本当にその通りだなと思っています。
このように、バレエというのは、踊りのテクニックだけではなく、先生の生き方や考え方も自然に学び、影響を受けるものなのです。
今ではすっかり自分の一部となったこの言葉を、私は今でもとても大切にしています。
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