教えて!サクラバレエ その49 ~バレエの世界のお約束➄ ~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

 
毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。

 

見学や体験レッスンに来てくれた方達が書いてくれたアンケートの質問への答えや、私発信でサクラバレエについてのお話しをしています。

 

49回目の今回は、~バレエの世界のお約束➄~です。

 

バレエの世界のお約束④はこちら

バレエの世界のお約束③はこちら。

バレエの世界のお約束②はこちら

バレエの世界のお約束①はこちら

 

実際に習ってみてから、はじめて知ることの多いバレエの世界のお約束やサクラバレエのルールについてお伝えしています。

 

 

前回は、バレエ教室は小さな社会であり、普通の社会で求められることが求められる場所であるということ。大人として立ち振る舞えるか、他人を思いやれるかどうか、ズルをしないで正直に生きられるか、常識があるかどうか。すべては自分次第だというお話しでした。

 

その中で、ルールやマナーが守れないとどんどん孤独になっていき、その孤独から次のマナー違反へとドミノ倒しのようになだれ込んでいくということについてのお話しです。

 

バレエ教室で失礼なことをしてしまう人や、誰かを怒らせるようなことをよくしてしまう人は、おそらくバレエ教室だけでなく、色々なところで同じことをしているはずなんですね。

職場でのルールが守れない、お友達にも失礼なことを言ってしまう。自分ではよくわからないけれど、よく人を怒らせてしまう。

人は誰でも気分が悪いことは嫌いなので、その人のまわりから少しずつ離れていきます。

誰も本当のことは言ってくれずに。

「君は締切が守れないから、この企画からは外れてもらうよ。」

「あなたは失礼なことをいつも言うから、もうお話ししたくありません。」

「君といるとみじめな気分になるんだ。悪いけど、もっと僕に優しくしてくれる女性のほうへ行くね。」

大人になったら、誰もそんな風に言ってはくれません。

遊びに誘っても、理由をつけて断られるようになります。

ちょっと立ち話、と思っても、相手はそそくさと話を切り上げて帰って行きます。

職場でも用事以外では、あまり話しかけられなくなります。

デートに誘っても、いつも「忙しい」と断られるようになります。

(あ、これはたとえ話で誰か特定の人のことを言っているわけではありませんので安心してくださいね。)

 

そうやってマナーを守れないことで孤独になってしまった人は、孤独をまぎらわせるために、新しく出会った人や、自分に優しくしてくれる人に力業で近づこうとします。距離を縮めようとします。

喉が乾いているので、水が欲しくて仕方がない状態と同じです。無意識に欲してしまいます。


だから、たとえ相手から返事がなくても、何度もLINEやメールをしてしまう、家を調べて押しかけてしまう、食事や遊びに強引に誘ってみる、聞かれてもいない自分のことや悩みを打ち明けて、一方的に話し続ける。


…普通はあまり親しくない人にこれをやられると、引きます。しんどいです。重いです。


距離をおこうとしても、おかまいなしに追いかけていって、一方的に自分のニーズを満たそうとします。自分の情緒や感情を面倒見てもらおうとします。(誰かの悪口や愚痴を言ったり、機嫌が悪い時には八つ当たりしてしまったり)


つまり、職場でも習い事でもどこでも、大人同士の適切な距離を保てないのです。人間関係を綺麗に保っておくことが出来ないのです。


…そういう風に言われても、ルールやマナーを守れない人、つまり無礼な人は「なんのこと?」と思うんですね。


なぜなら、そういう人たちには『距離感』という概念がないのです。


生きていく上で大切なマナー、思いやりである『距離感』についてを誰からも教えてもらっていないのです。


だから、バレエ教室でも先生や他の生徒に近づきすぎて、うっかり脚を踏むような失礼なことをしてしまって嫌われたり、相手を振り回したり、相手に振り回されたりしてしまうのです。失礼なことを知らないうちに沢山してしまうのです。

 

相手との距離が遠ければ、失礼なことをしても失礼になりません。

目の前で「バカ!」と言われて腹が立つ人は少なくないと思いますが、人ごみの中、たとえば東京ドームの中で大声で叫んでギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの距離で「バカ~!」と言われても、腹が立つ人はあまりいないと思います。

「ん?どしたの?」くらいですね。


また、たとえば、十年来の友達や職場の同僚に「あんた、いつ見てもぶさいくやわ~」と真顔で言われると「なんですと~?」と、腹が立ちますが、全然知らない人に「あんた、いつ見てもぶさいくやわ~」と真顔で言われても、「・・・っていうか、あんただれ?」ということになります。

 

『距離』

これには、物理的な距離と、心理的な距離があります。

多くはこの2つはリンクしていることも多いので、ちょっとまとめてお話ししますね。

社会で一番距離が近いのが、お母さんと赤ちゃんです。

2人で1つだった時期が1年近くありますから。まさしく、一心同体なわけです。

あなたが私で、私があなた。

やがて、お母さんのお腹の中から出てくると距離は0ではなくなりますが、子供はいつもお母さんの近くにいます。片時も離れることはありません。お母さんが見えなくなると泣きます。距離はとても近い時期です。

そこから、ハイハイが出来るようになり、歩けるようになって少しずつ、“自分”と“お母さん”との間に距離ができてきますが、まだまだお母さんから離れられず、家からは一人で出ることは出来ません。

それが保育園や幼稚園に行きはじめると、小さな社会へのデビューです。

お母さんお父さんから離れて、自分とお友達や先生との、自分の世界が出来はじめます。

「人のおもちゃを黙って使っちゃいけません。」「いただきますを言ってから食べましょう」などの、ルールを学び始めるのもこの頃から。

小学校。

お友達が出来て、少しずつ、さらに親から距離をとりはじめます。

けれど、少し遠くのお友達の家に遊びに行くときなどは、お母さんの許可をとってからです。

家に帰って、いるはずのお母さんがいなかったり、帰ってくるはずのお母さんが帰ってこないと大声で泣いたりします。

親がいないと生きていけないので、自然な行動です。

中学生になると、友達との距離がぐっと近くなり、親との距離が少しずつ遠くなります。

親友が出来たり、お友達の家に泊まりに行って、夜通しおしゃべりしたり。

少しずつ、家族以外を頼るようになり、自立の準備がはじまります。

反抗期がくると、それが加速します。

親と距離を置いて、同性のお友達と新しい世界に進む準備。

高校生、大学生、社会人。

同性のお友達から異性のお友達へと興味や交友関係が変化していきます。

同性よりも異性のほうが距離があるので、他人と距離をおきながら家庭という小さな社会をつくっていく準備をします。

やがて、就職、独立。

経済的に自立して、親も子供もお互いに干渉しないで1人1人別の人間として尊重して助け合うようになります。

家庭を持った人は社会の中で家庭という小さな社会を営みながら、自分の人生を生きていきます。

親よりも、友達よりも、パートナーや子供との距離が近い時期です。

 

これが、心理学的に言われている一般的な自立していくプロセス、つまり“距離”のお話です。(ちなみに私は専門家ではありませんので、詳しくしりたい人はご自分で専門家の方に教えてもらってくださいね。)

他人と距離をとりながら生きるというのは、実はとても高度な精神性が必要で、これが出来るのは成熟した大人の証なのかもしれません。

 

ところが、親自身が自分の親からこの“距離”のことを教えられていなかったり(90%以上の人が教えられていないと思いますが、皇室など、親子で敬語をつかう文化があるお家は距離感について親が教えている可能性が高いと思います)

親の親が孤独でいつまでも心理的に子供を手放せなかったので、親も同じようなプロセスを踏んでいたり、子供も親の寂しさを感じて無意識に親から離れられなかったり、または何らかの理由で子供の頃に親と離れて暮らして、親子の距離感のプロセスを踏んだ経験がないと、大人になっても、結婚しても、子供が出来ても、人との距離感が子供のままや、中学生くらいで止まっていることがあります。

良い悪いは別にしするとして、大人になってもまだ“親友”を探し求めていたり、女子高生のように、職場の人やママ友といつも一緒に行動したがるというケースはもしかしたら、その要素があるのかもしれません。


つまり、人との距離が近いんですね。


距離が近ければ、自然と相手を傷つける確率は高くなります。


バレエで踊る時も、スポーツをする時も、近すぎると危ないですよね。


だから人によっては、距離感が近く、どんどん踏み込んでくる相手を怖いと思ったり、居心地が悪く感じたりします。


街で、知らない人にピタッとくっつかれたり、どこまでもついてくる人がいると怖いですよね。


相手にイヤな気持ちや、怖い思いをさせるというのは、こちらにその気がなくても、思いやりがないこと、マナー違反をしているということになります。


皇室の方に「ねーねー聞いてよ~、うちの旦那ったらさ~」って話しかけている人を見たら、「なんて失礼な人なんだろう。」って思いますよね。(大阪にはたくさんいると思いますが、あれはあの地域の文化なので、ちょっと横に置きますね)


今日会ったばかりのデパートの店員さんに「あなた、彼氏いるの?あなたの年収いくら?」って聞くのは失礼ですよね?

そう、“相手の了解を得ずに相手に近い距離に入る”というのは失礼なことなんですね。


それは、職場や習い事などの公共の場所でも同じことなんです。

 

寂しい→強引に仲良くなろうとする→怖がられる→寂しい→一方的に自分の話をする→引かれる→寂しい→もっと積極的にお友達をつくろうとする→怖がられる→寂しい

 

こんな風に孤独のドミノにはまっていきます。

 

そして、「そうだ!あの先生なら!私のことわかってくれてるし、かまってくれるし、いつも私を応援してくれてるし、私のことを大好きだし、甘えさせてくれるし!先生ならなにしても許してくれるはず!相手にしてくれるはず!そう、お母さんみたいに!!私の悩みや愚痴もきいてくれるはず!もっともっと近づいても大丈夫なはず!それに、だって、私お金出してるし!お客様だし!」

 

…という選択を無意識にした人たちが、この先、どうなるかは目に見えるでしょう?


相手の優しさや、愛情、思いやりに甘えきって、やりたい放題することは、自分のことしか考えられていない行為で、残念ながら、品がある、思いやりがあるとは言えませんよね。


先生はお母さんでも友達でもありません。


人と人との間には、適切な距離があります。


バレエの教師と生徒にも適切な距離があります。


近すぎても、遠すぎても上手くいきませんが、バレエは熱心な人は週に3~5回通います。

しかも、10年かけて一人前になる芸術です。

気をつけていないと、距離がどんどん近くなっていまいます。

甘えが出てしまいます。

 

さらにバレエの先生って、見守って励ましてって、お母さんのような役割でもありますので、先生が優しくしてくれると、つい甘えたくなってしまうものなんですね。


だから、バレエの先生ってみんな厳しくて、「私に近づくなオーラ」を出しているんですよ。

特に、海外のバレエ学校は生徒がみんな子供で、まだ甘えたい年頃です。日本の習い事バレエもやはり子供が多いですね。

子供は他人との“距離”を自分では意識出来ないし、自分からは距離をとれません。

「知らない人についていっちゃいけません」と言わなければ、知らない人にでもついていってしまうくらい、距離感がありません。

なぜなら、子供は群れからはぐれると、生きていけないので、本能でそうなっているからです。

だから子供は放っておいたら、バレエの先生へも甘えが出ます。ピタッとくっついてきます。

ですが、舞台では一人なので、バレエの道を選ぶなら、レッスン中は甘えてはいけません。

だから、先生の厳しさや怖さ、私に近づかないでオーラは、先生からの思いやりなのです。

バレエを踊るなら、レッスン中は甘えてはいけませんよ、私に近づいてはいけませんよ、と。

だから私は家庭でしっかり甘えさせてもらえていない子供かバレエを習うことに反対です。

しっかり甘えさせてもらって、安心出来て、はじめて人は、他人との距離をとることができて、大人になっていくのですから。

ついでに、子供本人がやりたくないと言っているのに、バレエを習わせるのも反対です。

子供は親を喜ばせようと、本当は気がのらなくても、習い事に行きます。

好きになろうと努力します。

だから子供がやりたくない、行きたくないと言っているのなら、本当にやりたくないのです。行きたくないのです。

親にも甘えられず、先生にも突き放され、ひとりぼっちで立ち尽くす子供たちを昔、たくさん見てきました。

やりたくないことは、やらなくていい。

その代わり、将来バレエが踊れるようにはなりません。

自分の選択に責任を持たなくてはいけませんが、本人がそれでかまわないなら、意志を尊重してあげて欲しいと思います。


話が少しそれましたが、私はバレエの先生特有の“私に近づかないでオーラ”は出していません。

これからも出しません。


なぜなら、うちは大人のバレエ教室だからです。


大人なら、自分の意志で適切な距離をとることが出来るはずです。

大人なら、“私に近づくな”と脅かされなくても、自分の判断で自分の行動を選べるはずです。


これが出来ない人は、はじめから目的がお母さんの代わりをしてくれそうな人が欲しかっただけなんだと思います。

“大人のバレエ教室”に来るにはまだ早い、早かったのだと思います。


女の子と仲良くしたくて、茶道部に入る男子高校生と一緒ですね。


本気で茶道に取り組んでいる他の人や、きちんと茶道を教えようとしている先生にとっては、本当に迷惑な話です。

だって目指しているところが全然違うのですから。

残念ですが、ほどよき頃を見計らって、お引き取りいただくしかありません。

 

大好きなバレエを、大好きな先生や仲間と、あなたが大好きな場所で続けていくために必要なこと。マナーを守ることを助けてくれること。


それが“人との距離感”です。

 

この世に一人しかいない、“大切な自分”を無礼者にしてしまわないために。


自分自身を守るために。


自分の孤独は自分で引き受けましょう。

大丈夫、きっと出来ます。

だってあなたはもう、大人なのだから。


自分の感情に責任を持ちましょう。

誰かに八つ当たりしては、こっそり自己嫌悪しなくてもいいんですよ。

だってあなたはもう大人で、自分で自分をご機嫌にする方法を知っているのだから。


大人同士、適切な“距離”を保ちましょう。

本当につらいときには、人を頼りましょう。

みんなは、しっかりもののあなたが、そんなにもつらいだなんて、夢にも思っていないのです。

誰かにあなたを助けさせてあげてください。

荷物は少しずつ少しずつおろしましょう。

その時は感謝の気持ちを忘れずに。


距離をとりすぎても、うまくコミュニケーションがとれませんから、お互いにとっての適切な距離を探しましょう。


時々、私が生徒に「仕事は忙しいですか?」「風邪は治りましたか?」などと個人的に聞くのは、もう少し距離を近づけて相手を理解しようとしている時です。


踊りのアドバイスも、性格によって変えるので、もう少し近づこうとしていることが、多いですね。いやなら離れてもらって大丈夫です。


バレエに限らず、距離が離れすぎていても孤独にはまりますので、なんでもほどほどが良いと個人的には思っています。


生徒同士も、挨拶からはじめて、気が合えば、当たり障りのない話から、近況、共通のバレエの話など、少しずつ少しずつ、相手の様子を見ながら距離を近くしていって、お互いに信頼関係とニーズが合えば、バレエ友達として、一緒にバレエを観に行ったり、バレエショップに行ったり、カフェでお茶したり、交友関係を楽しめば良いと思います。

それが、大人の習い事の醍醐味ですから!


さて、次回はルールとマナー編の最終回です。


お楽しみに!

 

つづく

 

 

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