教えて!サクラバレエ その19 ~トゥシューズについて①~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

 

毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。

 

見学や体験レッスンに来てくれた方達が書いてくれたアンケートの質問への答えや、私発信でサクラバレエについてのお話しをしています。

 

19回目の今回は~トゥシューズについて~のお話しを数回に渡ってお届けしようと思います。

 

 

まず最初に、「大人からバレエを習っても、トゥシューズって履けるものなんですか?」というところからですが、これはね大丈夫です。

履けます。ただ、人によってはむずかしいこともあります。そのことについては、おいおい説明していきます。

 

バレエには“素質”というものがある、というのを前回お話ししましたが、その“素質”がもっともあらわれやすいのが、この“トゥシューズ”です。

 

極端なことを言えば、バレエを習いはじめて3回目で楽々立てる人もいれば、何年もレッスンしても立っているだけで命がけ、美しく立つことなんて、宙を浮くくらい難しい、という感覚の人もいます。

 

骨格で言うと、①脚の甲があるかないか ②股関節が柔らかいかどうか

この2つがとても大きな要素になってきます。

 

①と②の条件を満たしている人(脚の甲が高く、股関節が柔らかい人)を私は心の中で『ポワント女王』と呼んでいます。

(時々口からも出ていますが)

 

比較的苦労せずに、トゥシューズで踊ることが出来る人達です。

①のバレエで言う『甲が高い脚』『甲が出ている脚』というのは一般的な人の“甲が高い”とは違うのですが、それでも脚の甲が高くて、普段靴を選ぶ時に苦労する、という人はトゥシューズを履く時に有利であることが多いです。

 

セルフチェックをしたい人は、床に座って足を前に揃えて伸ばし、その状態で爪先を床につけようとしてみて下さい。

爪先が床につく!という人。

今すぐ、バレエ教室の門を叩きましょう。

大人からバレエをはじめるハンデなんてものともせず、トゥシューズで踊れる可能性が無限大です。

あなたは日本人ではないか、“バレエに選ばれた人”かもしれません。

 

つま先が床から遠く離れ、まったく近づく気配のない方。

ほとんどの日本人がそうです。90%以上の人がそうです。

そして、私もです。私も甲がない脚でした。

そして、とても苦労しました。

けれど、だから今があります。

 

トゥシューズにあまり向いていない骨格だったおかげで、たくさんのことを学びました。

 

バレエというものは、すべての人に公平ではなく、不公平なものだということ。

そして、それは人生も同じだということ。

 

世の中には、努力と根性だけではどうにもならないことがあること。

人には向き不向きがあるということ。

 

すべての先生達がさじを投げるほど、トゥシューズに向いていない脚でした。

 

それでも、あらゆる手段をつかってトライしする、あきらめないということを学びました。

なりふりかまわず、上手な人にコツを聞くという勇気と姿勢も、骨格がバレエに向いていなかったからこそです。

(プロの方にも恥を忍んで片っ端から聞きました!)

 

あらゆる本を読み、解剖学の英語の本を辞書を片手に訳し、インターネットをはしごして、努力して、工夫して、自分で自分を上手にしました。そしてトゥシューズでも踊れて、教えられるようになりました。

 

苦労して身につけたこと、頑張って出来るようになったことを人は簡単には忘れません。

 

また同時に、今の自分には出来ないこともあるんだということに気づき、受け入れ、他人と比べることをやめ、一度執着を手放して、自分を客観的に見ることが出来るようになりました。

手放して空になった手の中には、新しいものが入って来るということにも気が付けました。

脚の甲の代わりに、私には持って生まれた別の素質、恵まれていることがある。そのことにも気がつくことが出来ました。

私が甲を持っている人を(うらやましい)と思うように、もしかしたら、自分にとっては当たり前のことで、気がつかなくても手に入っていることを誰かが(うらやましい)と認めてくれているかもしれないこと。

 

人は1人1人違うということ。だからこそ、面白くて素晴らしいんだということ。

 

あきらめること、あきらめないこと。

 

自分を知るということ。足るを知ると言うこと。

 

“出来ない”という結果がすべてではなく、そこまで頑張ったこと、努力したこと、それを通して身につけた能力、ものの考え方、見方こそが宝物であったということです。

 

バレエって、自分がいままで知らなかったことを知り、気がつかなかったことに気がつく。

 

好きなことに向かって、今の自分の身体と心でまっすぐ進んでいく。

 

ひたすら走る鬼ごっこが楽しかった子供の頃のように。

友達とのお人形遊びが楽しかった頃のように。

毎日唐揚げでもいい!ハンバーグでもいい!と思っていた子供の頃のように。

 

何も考えずに、楽しむということも大切です。

 

甲があるから、バレエに向いているから、じゃあバレエ習おう!ももちろんOKですが、

甲がなくても、そこにエネルギーが沢山いりそうでも、好きだから、トゥシューズに憧れているから、じゃあバレエ習おう!もとっても大切なんですよ。

 

「私はバレエに向いていないかも…」なんて、何もする前から自分で判断して落ち込まないようにお願いしますね!

何ごともやってみることが大切ですキラキラ

 

つづく