教えて!サクラバレエ その12 ~各クラスの人数は何人くらいですか?~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

 

毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。

 

見学や体験レッスンに来てくれた方達が書いてくれたアンケートの質問への答えや、私発信でサクラバレエについてのお話しをしていきます。

 

12回目の今回は、~各クラスの人数は何人くらいですか?~です。

これは、実はアンケートで一番多い質問です。

 

クラスの最小人数は3名で定員は12名ですが、最近は特にとても少ないです。

 

なぜか。

 

昔は、(生徒の人数は、多ければ多いほど良い!)と思っていました。

 

生徒数が〇人になった!なんて、喜んでいた時期もありました。

 

でも、今は違います。

 

最近の私が大切にしている言葉は、

 

『より少なく、より良く』

『最小のエネルギーで最大の効果を』

 

洋服でもなんでもそうですが、多すぎると自分で管理しきれなくなりますよね。

グチャグチャにしまって、シワシワになったり、ボタンがとれていることに気がつけなかったり、本当に着たい洋服を見つけられなくなってしまいます。

 

大切なことは、自分にとって、本当に大切なものだけを手元に残して、大切にすること。

 

 

これまで私は、生徒を大切にして来たという自負があります。

そのことについては、おそらく、スタジオ生達はみんな首を縦に振ると思います。

1人1人と正面から向き合って、大切に接して来ました。

 

さてここで、サクラバレエを小学校だと思って下さい。

そして私は先生、生徒は生徒です。

ここでは、生徒は1人1人とても大切にされています。

 

先生は他の先生達のように怖くありません。

いつも自分のことを考えて優先させてくれます。

「あれがしたい」「これがしたい」と言うと、出来るだけさせてくれたりもします。

出来たこと、頑張ったことは、いつも見ていて褒めてくれます。

愛情持って接してくれます。

すると、中にはあまり得をしない方法で甘えが出て来てしまう人がいるんですね。

 

その甘えをおこさせないために、従来のバレエは先生が恐くて厳しいシステムになっています。

従来のバレエの先生は、本当にみんな厳しい。そして、とりつくしまもありません。

うっかり近づこうものなら、蹴っ飛ばされそうな雰囲気を持っています。

それは、生徒を甘えさせないためです。

時には甘えることも必要でしょう。

家族に、友人に、恋人に。そして時にはお菓子に、お酒に、ゲームに。

けれど、それは時と相手と、そして大人なら、どのくらい甘えるかを考えなくてはいけません。

少なくとも、バレエ教室は甘えに行くところではありません。

バレエを習いに行くところです。自分の体と心をを鍛えにいくところです。

それに、何かやりとげたいことがあるのなら、夢や目標があるなら、甘えることは自分のためになりません。

何かを成し遂げたいなら、自の意思で甘えることをやめなければなりません。

何かを成し遂げたいなら、それは自分でやるしかいない。

例え目の前の人が自分に優しくしてくれたとしても、甘えすぎてはいけません。嫌われてしまいます。

(恋愛では“重い”と言ってフラれてしまうパターンですね。)

けれどこれ実は、普段“甘えたい気持ち”を隠して生活している大人の方がやってしまうんですね。

 

うちは、スパルタの教え方をしないで、生徒と教師が何でも話し合える関係性を大切にしているので、そのぶん“甘え”が出やすいです。

 

 教室のドアに黒板消しを挟んでみたり、先生にぶつけてみたり、

反抗してみたり、わざと宿題を忘れて来たり、先生のことをからかってみたり、

クラスメイトに意地悪したり、先生の悪口をあることないこと言いふらしてみたりもします。(普通のバレエ教室なら、どれか一つで外に叩き出されて、二度と教室には入れません。)

 

一体なぜ、そんなことをするのか。

理由はわかっています。気持ちもわかっています。

(普段、自立している(ように見える)人ほど、甘えられる相手がいないので、思わぬところで甘えてしまうんですね。)

だから、これまでは

「その態度は、この教室ではダメだよ。」

「そんなことしたら、あなたが損をするよ。」と、繰り返し注意するだけでした。

 

宿題をしてこなければ、やり方を教えてあげたり、他の子に助けてあげるようにお願いしたり、

問題を起こせば、行って一緒に頭を下げたり、黒板消しの片付けを手伝ったりしてサポートしてきました。

 

せっかく、サクラバレエに興味を持ってくれたのだから。

せっかく、サクラバレエに入って来てくれたのだから。

 

けれど、それをずっと続ける訳にはいきません。

 

なぜなら、私は生徒達に“甘えさせてあげたい”訳ではなく、“バレエを教えてあげたい”からです。

サクラバレエには、“甘えたい人達”に来てもらいたい訳ではなく、“バレエを習いたい人達”に来てもらいたいからです。

 

そして、この“甘えたい人達”の面倒をみてあげてしまうと、“きちんとバレエを習いたい人達”がバレエをきちんと習えないからです。

私はやりたくないことは、やりたくない。

甘えたい人達にエネルギーをかけるのは、もうこのあたりでおしまいにしたいと思います。

そして、その分のエネルギーをバレエをきちんと習いたい人達にかけてあげたいと思います。

 

私はすべての生徒に愛情を持って接したい。

けれど、甘えすぎてしまう人達は、愛情を持って可愛がってあげにくい言動を繰り返すんですね。

(黒板消しを落とされて、その子を大好きになる先生はいないと思いますから。でもやってしまうんですよね。気を引きたくてね。)

私はこれまで、多くのバレエ教室で、表向きはニコニコ仲が良くて、陰では、生徒が先生の悪口を言い、先生が生徒の悪口を言うのを見て来ました。

とても悲しかった。

だから、私はそれをしたくないのです。

すべての生徒に愛情を持って教えたい。

だから、どうやってもそれがむずかしそうな方は、何度かチャンスを差し上げた後に、申し訳ないけれどお引き取り頂くことに決めました。

 

この数年間、私はこの、“甘えたい人たち”に選択肢を示してきました。

「次に、同じことをしたら、もうここにはいられないからね。甘えるのをやめてここに残るか、甘えてここを去るか自分で選んで。」

何人も、何十人もの人達に言い続けて来ました。

「やめたくない。」

みんなそう言いながら、何人もの人が目に涙を浮かべながら、去ることを選択していきました。

大切なことは、サクラバレエをやめた後に、その人が何を思ったか。感じたか。

なぜ自分はやめなくてはいけなかったのかを考えることです。そして気がつくことですね。

 

それは最初の頃は心が痛むこともある作業でしたが、今は違います。

甘えるべきではない場所で、甘えるべきではない相手に甘えてしまうということは、これまでの人生で「ダメなものはダメだよ。」と言ってくれる人がいなかったということです。

「約束は守らなくてはいけないよ。あなたの信用にかかわるよ。」

「ルールは守らないと、この場所にいられなくなるよ。」

「そんなことをしたら損するよ。」

「そこまで甘えたらダメなんだよ。」

「ダメなものはダメなんだよ。」

こういうことは、伝えるのにものすごくエネルギーがいるんですね。

一般的に父親がこの役割を担うことが多いのですが、これを言えない父親や母親、実はとても多いです。

そして、甘えすぎて損をしてしまう大人たちがとてもたくさんいます。

私はそれをこれまで、大人も子供も、プライベートでも、仕事でも、スタジオでも、沢山みてきました。

 

これを伝えるためには、伝える方の人が自分をきちんと持っていないといけません。自信がないと言えません。

誰だって、嫌われるよりは好かれたいですから、出来れば言いたくありません。言わない方が楽です。

でも、大人になってから甘えてすぎると、本当に損をします。

甘えすぎて嫌われる。距離をおかれる。避けられる。人間関係がうまくいきません。

 

勘の良い人は、私のブログを読んだり、会ったりすると気がつくんですね。もちろん無意識に、ですが。

(この先生なら、私のことを大切にしてくれそう)

(この先生なら、私のことを甘えさせてくれそう)と。

 

だけど、普通のバレエ教室も会社も、黒板消しを挟んだらクビです。

社長に「あ~、はいはいそうね~。」と言ったら、クビですよね?

社長に「聞いて下さいよ~、今日うちの奥さんったら朝ごはんつくってくれてなくって、子供達ときたら…」と何度注意されても、延々しゃべり続けたら、「そんなにしゃべりたきゃ、友達とカフェに行けよ」と言われてクビですよね?

お母さんになら許されることも、一般社会では通用しませんよね?

甘えたい大人は、そのことに気がつかないのです。

「それを言ったら、おしまいだよ。」

「それをやったら、おしまいだよ。」

自分を守るための最低限のルールです。

これが身についていないと、世の中で生きていくのが大変です。

 

私は生徒の先生ですが、お母さんではありません。また、大人になったら、お母さんにもそこまで甘えてはいけません。

バレエ教室は一般社会であって、あなたのお家ではありません。

社会性、協調性がない人は、そこに所属することは出来ません。

 

これからも“甘えたい人達”“には、どちらかを選んでもらうことになるでしょう。

甘えることをやめてサクラバレエに残るか、甘えることを選んでサクラバレエから去るか。

すべての行動、発言は個人の意思です。

私は個人の意思を尊重します。

 

サクラバレエは、今、大切なものに真っ直ぐ向かっています。

今はある意味で過渡期であり、通過点です。

 

そして、それは今のサクラバレエにとっては必要なことだと思っています。

 

だから、各クラスの人数はとても少ないです。

今は火曜日の夜が一番多いですが、それでも5~6人ほどです。

それでも良いと思う人は、ぜひサクラバレエにお越し下さい。

 

 

生徒との話し合いは“甘えたい人達”だけでなく“サクラバレエじゃない方が良いと思う人達”とも、これまでに数年かけて行ってきています。

 

例えば、県外から毎週、ある人は新幹線で、ある人は車で、ある人は電車で通って来てくれている人達。

サクラバレエに愛着を持ってくれるのはとても嬉しいけれど、それでもやはり、通えるのは週1回。お休みも多くなります。

そんな中で発表会にも参加してくれたりもしましたが、本当に大変だったろうと思います。(本人たちは楽しかった、と言ってくれていますが)

また、どうしても受講出来る曜日やクラスが限られています。

振り替えも出来ません。

そうなると、バレエは先生との相性、どの教室に通うかも大切ですが、上手になるためには、やはり週2回、せめて休まず週1回通う必要があります。

その人のバレエ人生を考えたら、うちじゃない方が良い。

「あなたの家の近くのバレエ教室を探した方が良いと思うよ。」

「あなたはまだまだ上手になるから、このままじゃもったいないよ。」心を鬼にして、言い続けて来ました。

 

また、年齢的・体力的に本気のバレエ教室であるうちでレッスンすることが厳しくなる場合もあります。

そして、大抵は本人も、いえ、本人こそ、そのことを自覚しています。

サクラバレエに愛着を持ってくれているのは嬉しいけれど、身体よりも大切なものはありません。

バレエ教室の数だけ、レッスンの種類があります。

うちほど本気じゃなくても、ストレッチも出来て、筋トレにもなって、楽しい気持ちで通えるバレエ教室は沢山あります。

そちらを見学してみてはどうですかと、提案し続けて来ました。本当はとても寂しいけれど。

 

こういったことは、本人の気持ちが大切ですが、やはりバレエ教師として、その人にとってのベストを求めて、1人1人とお話しすることが大切だと思っています。これまでもそうしてきましたし、これからも同じです。

そして、それぞれの人が、自分のニーズにあったところと出会い、自分の居場所を見つけられると良いなと思っています。

それがもし、サクラバレエなら、こんなに嬉しいことはありません。

 

大人になると、誰も本当のことを言ってくれなくなります。

ダメなものはダメだと言い続けることも、私なりの愛情です。

これからも、愛情込めて「NO!」と言い続けていきます。