毎週水曜日に連載させて頂いている「大人バレエって楽しい!」シリーズ。
このシリーズは、これからバレエを習ってみたいなと思っている大人の女性に向けて、“バレエを習う楽しさ”について、お話しさせて頂いております。
29回目の今回は、~好きなものは好き~編です。今回も長くなりそうなので、前編後編にわけますね。
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クラシックバレエ…と聞いて、
(うわぁ)と思うか、
(うわぁ)と思うか。
これは、その人がバレエに対して持っているイメージが多いと思うのですが、
今、サクラバレエに来てくれている人達に話を聞くと、多くの人が(うわぁ)と思っていたようです。
「小さい頃、バレエが習いたかった。」
「子供の頃からバレエに憧れていました。」と口々に言われます。
中には、昔の私のように、
「バレエって、あの男性が白いタイツ履いているやつですよね?うぷぷ…」というイメージしか持っていなかったり、
「バレエはどう考えても私のキャラじゃない!」なんて思っていたけれど、やってみたら実はめちゃくちゃ好きで、楽しくて、ハマった!っていう人もいらっしゃいます。
だけど、どちらかというと、(昔から憧れていて…)組が多いですね。
「あの、トゥシューズの信じられない可愛らしさ!」
「チュチュのデザインとチュールのふんわり感に、魂、鷲づかまれた!」
「シニヨンとティアラにも憧れる」
ハートの中は、思いっきり女の子な女性達。
「だけど、親が習わせてくれなくて…」
「バレエは、レースのカーテンの前で紅茶を飲んで、ヴァイオリンを習っているような、お金持ちのお嬢様がする習い事だと思っていたので…」
「まわりに習字や水泳を習っている人はいても、バレエを習っている人はいなかったので…」
「近くにバレエ教室がなくて…」
という理由で、大好きで憧れていたバレエを習うことなく、大人になった人達。
だけどね、“好き”って、そう簡単に変わるものじゃないんです。
“好き”は無条件ですからね。直感というか、本能というか、魂が呼んでいるというか。
感情は時間が経っても消えませんから、解放させてあげないと、胸の奥にしまっておくと、ずーっと心の中から消えないんですね。
心に蓋をして見ないようにしよう、感じないようにしよう、思い出さないようにしよう、としても、その気持ちは消えないんです。
「好きだー!!」
「うまくいかなくてもいい、フラれてもいい、好きなんだー!!」
「一生両想いにはなれないかもしれないけれど、私は好きだー!好きなんだー!!」と、自分の中から解放してあげないと、なくならないのです。
“好き”を表現するのって、簡単なようで実はむずかしかったりします。
育ってきた環境が、「好き」っていうことをよしとせず、「我慢」することを美徳としていたり、
親自身が好きなことをするのを禁じられたまま、子育てに突入していたり、
「好き嫌い」ではなく、「正しいか間違えているか」を大切にするように育てられていたりすると、
ますます“好き”なことを“好き”だと言ったり、“好き”なことをやったり、選んだりすることが難しくなります。
それにプラスして、女性は受け身であり、待ちの姿勢でいるものだ、という考え方が根強くあります。
「好きな人には、いつも自分から“好き”って言います」「いいなと思ったら、ガンガンアプローチします。」という女性も中にはいると思いますが、、ほとんどの人は相手から“好き”って言われるのを待っていることが多いのではないでしょうか。
恋愛や結婚でも、相手から告白されたり、プロポーズされるのをひたすら待っていたり。
でも、それじゃあ幸せになることはむずかしいですよね。
自分がいいなと思っている人と両想いになって、さらに相手が自分から「好き」って言える人で、しかも実際に相手がそう言ってくれないと、自分が好きな相手とお付き合いしたり、結婚することが出来ない訳でしょう?
自分のことを“好き”って言ってくれる人の中から、「私もです」って思える相手を選ぶのって、すごく窮屈だし、本当にそれで良いの?自分に嘘ついてない?って思ってしまうのです。
自分が好きになった人に自分から“好き”って言えると、迷いはない。ガマンもない。
もちろん、勇気はいりますし、フラれたらその時は悲しい。
でも、あきらめもつくし、すぐに次にいけます。
それに、(あきらめられない…)(どうしても、この人がいい!)って思ったらなら、努力するし、自分を磨けるし、自分と向き合えるし、きっとその先、上手くいってもいかなくても、後悔しないと思います。
私、嵐ファンですけれども、AKB48の「会いたかった」って曲は名曲だと思います。
昨年の発表会の時にね、テーマソングとしてよく1人で歌ってましたね。
恋愛の曲ですけれど、バレエに恋している人にとっては、通じるものがあると思うのです。
“好き”って一種類だと思っていますので。
バレエが好きなのも、恋人が好きなのも、友達を好きなのも、ペットを好きなのも、子供を好きなのも、親を好きなのも。
話が大きくそれましたが、だから、子供の頃からバレエが好きな人は、バレエを習ったり、バレエを観たり、バレエに触れないと、その気持ちは解放されない、なくならない訳です。
すっかり忘れてしまったり、他の好きなことで代用出来たリ、どうでもよくなった人は良いのです。
だけど、そうじゃない人達は。
バレエを習ってみないと、やってみないと、その“好き”な気持ちと後悔を胸に抱きしめたまま、人生を終えることになります。
もし、まだあきらめきれないのなら。やってみるしか、ないのです。
行動するしか、ないのです。待っていれば、傷つかないかもしれない。行動しなければ、プライドは保てるかもしれない。だけどタイムアウトになるだけです。行動してダメだったのもアウトですが、次でセーフに出来る可能性があります。かなりあります。だけど、タイムアウトはセーフじゃない。アウトです。それも、やり直しのきかないアウトです。
恋愛に例えるなら、もしかしたら、フラれるかもしれない。フラれてショックを受けるかもしれない。
(やっぱり今の私にはムリだったんだわ…)と思うかもしれない。だけど、傷ついたとしても、自信を失う必要はありません。
相手には相手の都合と事情があるのです。それに、バレエの場合、相手はかなりのハイスペックです。最初からダメもとで挑んで当たり前だと考えれば何も傷つかない。
それに行動すれば、必ずその先に進めます。展開があります。
なぜなら、心が欲しかったものを手に入れるから。(バレエを習ってみたい)(大好きなバレエの世界に触れてみたい)と願う、自分の願いを叶えてあげられるから。
だから、フラれても次に進めます。
今は両想いじゃなくても、自分は好きでいつづけるのか、それとも熱烈アプローチで振り向かせるのか、自分を磨いて磨いて磨きまくって、彼を振り向かせるのか、それとも彼の中の好きな部分を持っている別の人とお付き合いするのか、または心機一転、まったく新しい人と運命の恋に落ちるのか。
(たとえバレエに向いていなくても、身体が動く限り、気が済むまでやってみよう)
(いっそ、週3回レッスンうけて、人よりもいっぱい練習してみよう)
(本気のバレエは今の私には無理でも、ストレッチメインのバレエ教室ならいけるかも…)
などと、次の展開で選択肢が増えますから。
とにかく、好きなことは、正直に自分で好きだと認めて、好きだと言ってみる。行動してみる。
人生も、恋愛も、バレエも、ぜーんぶ一緒なのです。
つづく