第二部 メインプログラム“白鳥の湖 ハイライト”
第3幕 お城の舞踏会
踊り終えた王子はオディールをオデットだと信じ込み、永遠の愛を誓ってしまう。
その瞬間、悪魔たちは本性を現し、高笑いしながら去る。
窓の外にはオデットの絶望にうちひしがれる姿が。
自分の過ちに気づいた王子は、オデットの後を追って湖へと走るのだった。
舞踏会でおこった、突然の出来事に驚き、あわてふためく人々。
(何がおこったの?)
(どういうこと?)
(王子はどうしてあんなに悲しんでいたの?そしてお城を出て行ったの?)
ザワザワザワ…
貴族ソリストさんのこの表情、最高ですよね!
演技が上手じゃないと、こういう写真にならないので。素晴らしい!
昔、演出家の先生に言われた言葉が、
「イケメンほど舞台で面白くないものはない。
普通のイケメンは、舞台の上ではただの人。
顔(表情)をくずせないから。(最近のイケメンはくずしますけどね)」
「写真撮ったら誰だかわからないくらいの表情が舞台で出来て、俳優も女優も一人前。」
バレエは演劇とはまた違うので、お顔の表情はやや控えめにする傾向がありますが、それにしても、丁度良いさじ加減。
目がね、想像力がないと出来ない目ですよ。
王妃様と2人で、すご~く良い表情でした。物語にリアリティと厚みをつくりだしてくれましたね。
(どうやら、さっきの親子は悪魔の親子だったようです。)
(…なんですって!?)(悪魔がお城にまで!?)
…場内、いや、城内騒然です。ザワザワ度、MAX!
(王子様、悪魔の娘にだまされちゃったみたいです!本当は違う女性のことが好きだったみたなのに!)
(その女性は、もう人間には戻れないみたいです!)
(…っていうか、王子様、ぶっちゃけ、やらかしちゃったみたいです!)と王妃様は寝耳に水なお話し。
息子が今日から成人して、お嫁さんもらって、これで私もちょっとゆっくり出来るわねと思っていたら…
息子、派手にやらかしとるやんけ~!!
と、気絶する王妃様と、それを支える貴族たち。
そしてそれを「まぁ!大丈夫なのかしら…」と、遠巻きに見る、ナポリ3人娘。
ナポリはイタリアからわざわざ代表でこのお城に呼ばれて来ている踊り子さん達なので、(日本で言ったら、韓国大統領のご子息の誕生パーティーに呼ばれた日本舞踊の家元達のような感じですね)遠巻きに見ているんですね。
全員のお顔を見せられないのが残念なくらい、みんなとっても良い表情しているんですよ。
芸達者3人娘でしたね。
そして、スペインの2人は、実は悪魔ロットバルトとオディール姫の一味であり、手下である、という設定なので、
これまた、遠巻きにヒソヒソと見ている感じなんですよね。
(上手くいったわ。)(見た?あの王子の慌てる顔)
(それにしても、男ってバカよね~。)(ね~、す~ぐ誘惑に負けてるんだからね~。)と。
こちらも、表情をお見せ出来ないのが、残念なくらい、いい感じの演技をしてくれています。
バレエって、大体、男性がなにかやらかして、女性がそれを許すっていうパターンなんですよね。
そしてそれは、もしかしたら男女の本質をついているからこそ、こんなにも長く愛され続ける作品になったのかもしれません。
王妃様のこの倒れ方といい、みんな表現力がすごいでしょ?
うちには、踊れる女優達が沢山いるんですよ。
ふっふっふっ。
今思い出しても、とっても楽しくて、面白かった舞台でしたね。
つづく