4月に入りました。
岡山市内は今日は雨です。
桜が散ってしまわないか気になりますが、今週末が見頃のピークとのことなので、何とか持って欲しいなぁと思います。
サクラバレエでは半年程前から1人1人に面談をしてきました。
その主な話の内容は、私からの質問で、
「これまでも本気でだったけれど、これからさらに本気を出してバレエを教えて行くのですが、ついて来てくれますか?」と。
その答えはさまざまで、
「もちろんです!とっくに覚悟は出来ています!」
「望むところです!大歓迎です!」
と言う人もいれば、
「本気になるのはむずかしいかもしれません。」
「少し考えさせて下さい。」
と言う人もいました。
一応、期限を今年の4月から、と伝えていたので、3月末までにスタジオを卒業して行った人達が沢山いました。
そのほとんどが、バレエ経験者の人達でした。
小さい頃に本気でバレエを習っていた彼女達は、本気のバレエのしんどさを知っています。
楽しいことも沢山あって、だからこそ、こうしてまたサクラバレエでバレエを再開したのですが、一度バレエをやめた人のほとんどが、何かしらの壁にぶつかり、ザセツしてやめているんですね。
だから、もう一度本気を出すということは、昔越えられなかった壁ともう一度向き合い、それを乗り越えなくてはならないのです。
彼女達は
「私がもっと若くて元気なら挑戦したかもしれないけど、もう本気でバレエをするのも、バレエをやめるのも2~3回繰り返してるから、正直本気のバレエはもう出来ないんです。」
「先生、私、大人になった今はもう、細く長くバレエを続けたいんです。自分がそんなに上手じゃないのはもうわかってるんです。今から本気になるのはしんどいんです。」と本音の言葉を聞かせてくれて、そして笑顔で手を振って去って行きました。
レッスンスケジュールの初級クラス・中級クラスがクローズになっているのは、そういった理由からです。
実は、みんなに「ついて来てくれますか?」と聞く前の予想では、半数くらいの人が卒業するかな、と思っていました。
今まだ3分の2くらい残っているので、思ったより沢山留まったな、という印象です。
本音を言うと、半年後くらいには、ここからさらにまた半分くらいにはなるのではないかなと思っています。
それで良いと思います。
うちの生徒達は、99%の人が私のブログを読んでくれたことがあるので、私が大人に対して本気でバレエを教えたいと思っているということは、皆さんわかってスタジオに通って来てくれているはずなんです。
その上で、自分がそこまで本気じゃないことも、実はわかっているはずなんです。
(本当は、私は先生が教えたいような本気の生徒じゃないんです、ごめんなさい)
(本当は先生が本気で教えてくれるのが申し訳ないんです)
(でも丁寧に教えてくれるし、このスタジオも好きだし、まぁいいかって思っちゃって)
そうやって、心のどこかで“申し訳ない”、“ごめんなさい”、“私ズルしてる”
そう思いながらバレエを続けることが、その人にとって良いことだとは思えないんですね。
自分のこと、どんどんキライになっていっちゃいますからね。
こういうことを続けていると、長い人生の中でその人にやがて大きな影を落とすことになります。1人ずつと面談したことにより、それぞれの生徒が自分で自分の気持ちにケリをつけて、自分で決断してくれたので、良かったなと思っています。
そして、人数が減った分、本気の人達により多くの気持ちと言葉をかけてあげられますから。
サクラバレエから初級クラス・中級クラスに来てくれていた、バレエ経験者の人達が去り(あ、バレエ経験者の人でも本気で上手になりたくて残ってくれた人もいますし、本気かどうかわからないけれど、どうしても桜先生に教えてもらいたいと思ってくれた人もいます)、サクラバレエの生徒達は、今年は初心者クラスと基礎クラスで腕を磨くことになります。
だけど、それで良いと思うんです。
なぜなら、サクラバレエは『大人からはじめる 本気のバレエ教室』だからです。
大人になってからバレエをはじめた人達が主役なのです。
特に、このサクラバレエでバレエをはじめた人達のための教室なのです。
だから、今が普通の状態なのです。
やがて、2年経ち、3年経ち、みんなが経験を積んで上手になり、
スタジオのほとんどの人達がポワント(トゥシューズ)を履き、
クリスマス会(その頃には発表会ですね)では皆がチュチュとポワントで踊り、
初級クラスのステップを軽々とこなすようになり、
やがて、大人からバレエをはじめた人達が中級クラスに上がり、
大人からバレエをはじめた人が、これまで決して踊らせてもらえることのなかった素敵な役を踊りこなそうと、皆で競い合いながら本気の挑戦をし続けられる場所。
そんな風になれば良いなぁと思います。
その時には、この2年間、中級クラスで頑張ってレッスンを受けてくれた人達からのカリキュラムのフィードバックが役に立ってくれることでしょう。
その日がくるまで、3~4年かかるでしょうか。
今しばらく、その日を楽しみに待ちたいと思います。
◇
さて、4月から本気を出すと言いましたが、じゃあ4月になったら何が変わるんだというお話ですが。
私は、この4月をサクラバレエにとっての第3ステージだと思っています。
第1ステージは、5年前、サクラバレエという名前でバレエのレッスンがスタートした時代。
スタジオをあちらこちらに借りて、とりあえず始めようよ、色々な人が集まってくれていた時代。
第2ステージは、2年半前、今の場所に専用スタジオを借りた時代。私もまだフィットネスで教えていて、さらに色々な人が集まって来てくれた時代。「大人のためのバレエ教室」という名前のもと、大人からバレエをはじめた人も、子供の頃にバレエを習っていた人も、10代の人も60代の人もいて、本気の人達も、チケットで気軽に習いたい人達も、みんなが大集合していた時代。
このステージでは、自分に厳しすぎる人達を少しゆるめるために、色々なことを甘くしてきていました。バレエが好きな人は頑張り屋さんが多いのですが、頑張りすぎると、他人にも厳しくなりすぎてしまったり、どんどん深刻になってしまって、踊ること自体を楽しめなくなってしまうので、そういったタイプの人達をゆるめるために、“自分に甘くする優しくする”というのが一つのテーマになっていました。
第3ステージは、まさにこれからです。大人からバレエをはじめて、本気でバレエが上手になりたい人達が集まってくる時代。バレエと本気で向き合い、クラシックバレエの真髄である、自分に厳しくすること、自分を甘やかさないこと、礼儀正しくルール守って、他人を思いやること。外見だけでなく、中身も美しくあること。そういったことを大人が学べる場所に、そして、それぞれの人達が自分の夢を叶える場所へと進化していく時代。
今度は“自分に甘く優しく”するところから、“自分を甘やかさない”“自分を律する”という、バレエの本質をテーマにしていきたいと思います。
だからと言って、私がいきなり竹刀を持ってバシバシ床を叩く、なんてことはないですが。
バレエが踊れることはもちろんですが、生徒の人間力を育てる、というのを第3ステージの私の目標にしたいと思っています。
それこそが、生徒自身をその人の望む姿に近づけてあげられるのではないでしょうか。
自分を甘やかさないからこそ、出来ること、楽しめることが沢山あるのです。
とにかく、ここからです。
皆さんのおかげで、やっとここまで来ることが出来ました。
次のステージまで、一歩ずつ、皆で一緒に前へ進んで行きましょう!