バレエが上手になるために | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

サクラバレエ恒例のレッスンカウンセリング、今回は5月からスタートして、昨日で一通り終わりました。


普段から生徒とは割とよく会話をしているのですが、1対1で1人ずつとじっくり話すレッスンカウンセリングは、また一歩踏み込んだ話が出来るので、私はこれをとても大切なことだと思っています。


生徒から質問されたり相談にのっているうちに、私自身が気がつくことも沢山あるので、今回もやってよかったなと思いました。


今回思ったのは、バレエが上手になるにはどうしたら良いのか、と思っていることが、人によって随分違うんだな、ということでした。


結論から言いますと、バレエが上手になるために何よりも大切なのは、


『休まずにレッスンに通う』この一言につきると思います。


週1回なら週1回、週2回なら週2回、週3回なら週3回、決まった曜日の決まったクラスに行く。


・・・なぜなら、バレエは積み重ねる芸術だからです。


バレエはお稽古が全てです。


バレエは原則として自習が出来ません。変なクセがつきますから。プロのダンサーやバレエの教師は話が別ですが、バレエを習っている段階で自習して、良い効果が出るのは、コンクールや発表会の踊りを振りを憶えたり、研究する時くらいでしょう。


ちなみに雑誌や本で「お家でバレエのすすめ」だとか「効果的な自習の仕方」といった記事が載っているのは、本や雑誌を売るためですよ。念のため。


ですから、サクラバレエでは自宅でする練習はストレッチとエクササイズくらいにしておいて、自習は家でしないことをお薦めしています。


このように、バレエはお稽古をするためには、お稽古場に行く必要があります。


先生との信頼関係を築くという意味でも、そして、例えケガをしてレッスンに参加出来なくても、お稽古場に行ってレッスンを見学することが大切なほど、バレエは毎週決まった時間の決まった場所にその人がいる、ということがとても大切なんです。


だから、バレエは舞台作品のリハーサルなどでも、自分が出ないシーンのリハーサルでも、そこにいて、見ていて、作品作りに参加することが大切とされています。


また、その人がどのくらいやる気があって、どのくらいバレエが好きで、どのくらいバレエを大切にしていて、どのくらい頑張っているのかは、レッスンに来ることで全て教師や他の生徒達に伝わります。


「やる気があります!頑張ります!」と言って、「でも忙しいんで・・・」とレッスンを休みがちな人と、黙って毎週レッスンに来て黙々と練習している人とでは、どちらがやる気があるとみなされるのか、そして、上手になるのかは一目瞭然でしょう。


厳しいようですが、体調を崩しがちな人は、どうすれば体調を崩さずにレッスンに行けるのか、


ケガをしやすい人は、どうすれば、ケガをせずにレッスンに行けるのか、


忙しい人は、どうすれば、毎週レッスンに通えるのかを真剣に考えることも、バレエが上達する上ではとても大切なことだと思います。


バレエの世界で『忙しい』という言葉は通用しません。


なぜなら、人というのは、どんなに忙しくても本当にやりたいことのためには、どうやってでも時間をつくれるからです。


だから、「忙しいからお休みします。」という言葉は、


「やる気がないからお休みします。」という風に変換されます。


このことを教えられてからは、私もめったなことでは「忙しい」という言葉を口にしなくなりました。


もちろん、大人から趣味でバレエを習っている人に


「絶対に休まずレッスンに来なさい!」などと言うつもりはありません。


「こんなにお休みするなんて、あなたはやる気がないのね!」と言うつもりもありません。


そもそも、上手になりたくてバレエを習っている人もいれば、バレエを習うことだけで幸せ、という人もいるからです。


皆が皆、上手になりたい訳じゃない。


それに、上手になりたいと本気で思っている人の中にも、


本当に寝る間もないほど忙しい場合もあるでしょう。


気持ちに余裕がなくて、バレエの方を向く余裕がない時もあるでしょう。


気をつけても気をつけても体調を崩しがちになる人もいるでしょう。


人生のターニングポイントに立っている人もいるでしょう。


やる気はあっても、子育てや家族のことなどでどうしても時間がとれないこともあるでしょう。


バレエだけが人生ではありませんし、旅行に行ったり、楽しんだり、家族と過ごしたり、仕事を頑張ったりすることも、その人の感受性を豊かにして踊りにも良い影響があったりもします。


そんな時のためのチケット制ですし、振替制度でもあります。


けれど、小さい時からバレエを習っている人達は、バレエは簡単にお休みしないものだという意識をハッキリと持っています。


大人からバレエを習った人と、小さい時からバレエを習っている人の一番大きな違いはそこかもしれない、と思うくらい、これは大きな違いです。


本気で上手になろうと思った時に、この差は大きいです。


だから、あえて言います。


バレエという習い事は、簡単にお休みをせずにレッスンに通うものなのだということを。


だから、日本のバレエ教室の多くは月謝制で、お休みをする時は、小学生でも自分で教室に連絡して、お休みの理由を伝えることになっているのです。


うちは大人のバレエ教室ですから、そこまで厳しくはしていないですが、月謝制で来ている人にはお休みの連絡は電話かメールでもらうようにお願いしていますね。


・・・話が少し変わりますが、生徒達と話をして驚いたことがあります。


ある人は、バレエが上手になるためには身体が柔らかくなければいけないと思って、家でひたすらストレッチしていました。


ある人は、バレエが上手になるためには、家でバレエに関係する本を沢山読むことが大切だと思って、ひたすら本を読んでいました。


ある人は、バレエが上手になるためには、今の自分には難しいクラスに挑戦しなければいけないと思って、難しいクラスに必死についていこうとしていました。


ある人は、バレエが上手になるためには、上手な人が沢山いるクラスでレッスンしなければいけないと思っていました。


ある人は、バレエが上手になるためには、ダイエットしなくてはいけないと思っていました。


ある人は、バレエが上手になるためには、先生に気に入られなくてはいけないと思っていました。


・・・これ、全て、合っているようですが、残念ながらあてはまらないこともあります。


バレエといえばストレッチとばかりに、自宅でのストレッチを頑張りすぎて、力任せに動いてケガをしたり、もともと筋肉が細く柔らかいタイプの人が、ストレッチを頑張りすぎて、筋肉をゴムのように伸びきらせてしまったり。

伸びきったゴムのような筋肉では、そもそもプリエが出来ませんから、全ての動きに影響していきます。そうなると、いくらレッスンを頑張っても、教師がどれだけ真剣にアドバイスをしても、その人がその部分のストレッチをやめない限り、バレエの上達は難しいでしょう。


また、本や雑誌は正しい知識を得るための素晴らしいツールですが、先ほども書いたように、本というのは、基本的には売るために書かれていますので、間違えた情報や誤解しやすいことが載っていたりします。ですから、丸ごと信じてしまうと間違えた知識になることもあります。

また、本の読みすぎは、時には頭でっかちで動けない身体を作ります。


難しいクラスへの挑戦はバレエには必要なことですが、教師とよく相談して自分にあったタイミングで自分にあったクラスを受けないと、間違えた筋肉ばかり使うようになったり、変なクセがついたり、ケガをしやすい身体になったり、必要のない自信喪失を招いたりします。

つま先が正しく使えない、骨盤を立ててキープ出来ないような状態で、グランワルツやピルエットのダブルに挑んだところで、時間の無駄になるばかりか、変なクセがつき、やがて優雅とはほど遠い動きを習得することになるでしょう。


バレエが上手な人のクラスでレッスンしても、上手な人のいるクラスは難易度の高い、スピーディなレッスンであることが多いですので、動きについていくことに必死で自分の身体や動きに気が回らず、一つ一つの動きが未消化になり、いつまでたっても上達しないという悲劇を招くことになります。


ダイエットすることに気をとられすぎると、自分の身体を鏡で見ることがつらくなり、レッスンに行くことが苦痛になってくることがあります。楽しく踊ることや、自信をつけること、バレエで自分を表現する術を身につけて、ストレスを解放することや、しっかりレッスンして自分の体重を支えられるような筋力をつけることに意識を向けた方が、自己肯定に繋がり、ひいてはダイエットが成功しやすかったりもします。


何事もケースバイケースで、バランスが大切です。


教師に頼ってばかりもいけませんが、自分1人で、こうかなああかなと、あれこれ考えるよりは、やはり先生としっかりコミュニケーションをとって、客観的なアドバイスをもらうことがバレエ上達のひとつの鍵となるでしょう。


そのためにも、やはり日頃から教師との信頼関係を築いておくことが大切です。


また、教師に気に入られようと頑張る人がいますが、必要以上に気に入られようとしても、教師は沢山の人を相手にするプロなので、その人に下心があるのかないのかは、すぐに見抜きます。

プレゼントをくれたり、目をキラキラさせて「先生ドキドキ」と擦り寄ってきたり、お世辞や猫なで声に、「あら、私ったら人気者ドキドキそして、この人はなんて良い人なんでしょうドキドキ」なんて思う教師がいたら、よっぽど幸せな人でしょう。

一般的には、自分をコントロールしようとする相手として良い印象は持たないと思います。

それどころか、(ああ、この人と信頼関係を結ぶのは難しいでしょうね。)と思うことでしょう。

嫌われるようなことをわざとする必要はありませんが、とりたてて好かれようとしても、デメリットはあってもメリットはないと思います。


ですから、バレエが上手になりたい人は、ストレッチよりも、ダイエットよりも、自習よりも、先生のご機嫌をとるよりも、難しいクラスに挑戦するよりも、何よりも、休まずにレッスンに通って下さい。


そうは言っても、のんびりレッスンしたい人は、自分のペースで。


バレエを習う目的は人それぞれですから、自分にあったバレエとの関わり方で良いと思います。


ただ、知っていてやらないのと、知らないのとでは全く違うので、ここに書いておきます。